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葵 ひとみさん

「フーコー「短編小説」傑作選8」にて、 「聖女の微笑み」が出版社採用で、出版経験があります。 第114回 時空モノガタリ文学賞 【 パピプペポ 】最終選考を頂きました。 第116回 時空モノガタリ文学賞 【 裏切り 】最終選考を頂きました。 心からありがとうございます。 感想、心からお待ちしています^▽^ Twitter @Aoy_Hitomi

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将来の夢 毎日を明るく楽しく穏やかにおくります。
座右の銘 白鳥の湖、努力ゆえの優雅さ――。

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遠いトルコの小石の物語

16/08/01 コンテスト(テーマ):第115回 時空モノガタリ文学賞 【幽霊 】 コメント:4件 葵 ひとみ 閲覧数:916

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 ここに一つのラピスラズリの色と群青色を混ぜたような色のトルコの小石があります。


  遙か遠い昔の御話です――

 ある国の少女と、その国と敵対する国の少年が恋をしてしまいました。

いつも、二人で秘密で会うのは、森林の木漏れ日の中の、

滝を裏側から眺められる「裏見の滝」の洞窟の中です。

少女と少年はいつも滝のせせらぎを聞きながら座って仲良くお話をしていました。

お互いに大きくなって戦争も終わったら必ず結婚しようねと……

ある日、

そこで少女はジプシーから買った、

トルコの小石を一つ可愛いカフェラッテ色の小さな袋に大事に入れて、

少年のお守りにプレゼントしました――


実はこのトルコの小石には、

もし二人が離ればなれになったとしても、

お互いのことなどを忘れさられる呪文をかけられたとしても、

いつの日か再会できた時に、お互いのことを思いだせる魔法を、

少女が一生懸命にかけていたのです――

しかし、戦乱は激化の一方をたどり、

戦争が長びくにつれ両国がどんどん弱体化しはじめ、

ついに巨大な「氷国」と呼ばれていた第三国まで総統が参謀にアドバイスされて、

漁夫の利を得ようと動きだしてしまいました――

こともあろうに、

「氷国」は、少女と少年のそれぞれの国に宣戦布告して戦争にのりだしたのです。

そして、二人の住んでいた国は「氷国」の領土になり、

二人の大事な二つの国そのものさえなくなってしまったのです。

不憫なことに少女と少年は生き別れとなり、

そして二人とも、ともにその戦乱で命を堕としてしまいました……


 死した後、二人は浮幽霊としてそれぞれ何百年も地上を漂っていました、

何度も何度もすれ違いを繰り返しながら、
 
しかし、

ある満月の夜の午前0時にのどかな田園にあるルーマニアのブルショワ城の入り口で、

少女の浮幽霊が出て行く時、少年の浮幽霊は入ってゆく時に

ついに少女と少年の浮幽霊は奇蹟(きせき)の邂逅(かいこう)を果たしました、

トルコの小石の魔法はあまりにも強力で、

 本当に、二人は浮幽霊になってもお互いのことを思い出し、

一つの浮幽霊に混ざり合い透明な空気のようにとけて地球上を漂うようになりました。

たとえそれが、浮幽霊だったとしても二人は人間として離ればなれになるよりは、

余程、幸せだったそうです――


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このストーリーに関するコメント

16/08/01 葵 ひとみ

正確には、「浮游霊」ですがあくまで「浮幽霊」を使わせていただきました。

16/08/02 葵 ひとみ

<補足>
画像の石は本物のトルコの小石で北海道の函館市在住の友達から、プレゼントしていただいた大事な小物です。

16/08/11 あずみの白馬

拝読させていただきました。
トルコの小石、美しいですね。
せつないながらも、心に残る素敵なラストだと思います。

16/08/11 葵 ひとみ

あずみの白馬さま、

コメント心からありがとうございます(^^*)

>トルコの小石、美しいですね。

実は、その友達とはお会いしたことはなくて、とあるSNSで出会い、

最初、彼女の提案で、

「私の大事な物5つとあなたの大事な物5つを交換しませんか(^^*)?」

という遊び心に乗りました(^^*)その中の一つなんです。

遊び心があるものが大好きなんです(^^*)

>せつないながらも、心に残る素敵なラストだと思います。

あずみの白馬さまにおっしゃっていただいて自信がもてました(^^*)

心からありがとうございます。

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