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葵 ひとみさん

「フーコー「短編小説」傑作選8」にて、 「聖女の微笑み」が出版社採用で、出版経験があります。 第114回 時空モノガタリ文学賞 【 パピプペポ 】最終選考を頂きました。 第116回 時空モノガタリ文学賞 【 裏切り 】最終選考を頂きました。 心からありがとうございます。 感想、心からお待ちしています^▽^ Twitter @Aoy_Hitomi

性別 男性
将来の夢 毎日を明るく楽しく穏やかにおくります。
座右の銘 白鳥の湖、努力ゆえの優雅さ――。

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グロッケンシュピールとダンスの都

16/07/18 コンテスト(テーマ):第113回 時空モノガタリ文学賞 【 ダンス 】 コメント:2件 葵 ひとみ 閲覧数:828

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 季節は夏――

私の名前はアリカワ・キリト。

キリトは大阪梅田にあるショットバー上弦の月のバーテンダーのバイトでお金を

コツコツ貯めて、

今この街ミュンヘンにきている。

キリトのこの街への憧憬の理由は、オーストリア人である母と日本人の父が初めて出会った街であること……

キリトはまずネオゴシック様式の市役所でエレベーターで塔の上まで昇るとそこで

ミュンヘン市内を一望した、

ついにミュンヘンにこれたという実感が心身を駆け抜ける。

次に新市庁舎で見逃したくないのが、グロッケンシュピールと呼ばれる「仕掛け時計」だ、

約10分間、華麗なダンスや演奏のショーを見ることができる。

キリトはその「仕掛け時計」のダンスに思わず微笑み充分と堪能してからホーフブロイハウスへと向かった。

キリトは中央の舞台近くのテーブル席に座った、

ウェイトレスがきて生ビールと白ソーセージを注文した。

テーブルの向かいには

一人のとてもカジュアルな飾りけのない服装をした女性が座っていた、

見た感じキリトと同年代ぐらいである。

フランクな感じで見たところおそらく貴腐ワインを楽しんでいるようなので、

話しかけると、

名前はカレン・アスケナーゼさん、ポーランド人で

ポーランドで小学校3年生の教師をしているのだそうだ。

そして夏休みの休暇を利用して、今はミュンヘンに滞在している。

カレンさんの飲み物はキリトの直感どおり貴腐ワインだった、

「カレンさん、私に少しその貴腐ワインの香りをかがせてもらえないですか?

私は日本でバーテンダーのバイトをしているので、

とても興味があるんです」と勇気をだしてたずねてみた。

「ベーレン・アウスレーゼよ。別にいいわよ。」面白い事を言う人だわねという顔つきで

カレンさんはワイングラスをさしだしてくれた、

キリトはテーブル上にカレンから渡されたワイングラスをテーブルにつけたままクルクル

と静かに右手でグラスを時計と逆回りにまわし、

そしてグラスを持ち上げて香りをかいだ。

「ほのかにアカシアの花の蜜のような甘い香りがしますね。

可憐な蝶々が香りにそそられてやってきそうだ。

とてもいい香りでカレンさんにはお似合いです、ありがとうございます」

キリトはカレンにワイングラスを丁重にかえして言った。

キリトとカレンはお互いにどうしてこの街に旅行をしようと思ったのかそのきっかけを話した。

やはりカレンさんもグロッケンシュピールの微笑ましいダンスが目的だったようだ。

舞台では、赤と黒と白いフリルを基調としたオーストリア南方の民族的衣装の女性7人が

見事なまでに陽気なダンスを披露している。

キリトとカレンは舞台で踊っている人達にひっぱられて、

一緒にホールの舞台に上がり軽くウィンナ・ワルツを踊った、

ビアホールからお客に来ている人達から沢山の拍手喝采がおきる。

数年後――

カレンには花束のように可愛い女の子が生まれた

その女の子の名前は、

アリカワ・カレン・レナーテ ――



参考 

ミュンヘンのネオゴシック様式の新市庁舎。

ここの「仕掛け時計」のグロッケンシュピールは、

1568年に行われたバイエルン大公ヴィルヘルム5世とロートリンゲン(ロレーヌ)公女レナーテとの結婚式を再現したものです。



参考動画

ミュンヘン 新市庁舎 仕掛け時計 グロッケンシュピール

(ちなみにYouTubeなどでアップされています。)


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このストーリーに関するコメント

16/07/22 こぐまじゅんこ

拝読しました。

ミュンヘンに行ってみたくなりました。
もう少し、つづきを読んでみたい気がします。

16/07/23 葵 ひとみ

こぐまじゅんこさま。

ミュンヘンはとても陽気な街だと思います(^^*)

ぜひ、ぜひ行ってみてください。

続編(^^*)

ぜひ執筆してみたいです。

コメント心からありがとうございます。

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