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むねすけさん

ブログで創作をやっていましたが、誰にも相手にしてもらえないため、こちらに辿り着きました。 面白い物語、少しほっとしてもらえるようなお話を書きたいと思っています。

性別 男性
将来の夢 作家になりたいですが、 それが無理でも、何かの原案家とか、 自分の考えた物語が世に出ること。
座右の銘 我思う、故に我在り。

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屋上でお弁当を食べる

16/07/18 コンテスト(テーマ):第112回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】 コメント:0件 むねすけ 閲覧数:865

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屋上のフェンスを越えてみる。
ガチャグチャと鳴る音は空に溶けかけて半分ぐらい聞こえる。
上履きの色は学年で統一の先端だけ濃い青。
濃い青は三年生の色。
フェンスのダイヤ型のフレームに突っ込んで腕の筋肉でヒョイっと
着地は決めておいたように大袈裟にしゃがみ込むように、
伸ばしておいたよかった髪の毛で照れくさい表情は隠れる。
腰のベルトに結びつけたお弁当のバンダナは顕微鏡の中のゾウリムシ柄
だと言ったら母さんに、
「気持ち悪いこと言わない、ペイズリー柄って知っておきなさい」と言われた。
初冬の緑色したプールの水面を見下ろして、
僕は四階建て校舎の屋上から、両足をぶうらりん。
当事者になれば怖くない
昨日読んだ漫画の中にあった言葉のおかげで、
僕は何も怖いものがなくなったから、
バンダナの中のノリタマふりかけだっていつもと変わらず、
僕の好物だし。
スライドする箸箱は、プラスチカルに永久の音色で空気を滑った。
プラスチックは分解されずに残るという、
理解の中の現実が、このように作用を持って実感を伴うことに、思春期の少年はやっぱりムカつくけど。
タバコなんか吸わなくても、
バタフライナイフで教師の通勤車をパンクさせなくても、
いじめられっ子の鈴宮くんの口に芋虫を放りこまなくても、
エレキギターと暴れなくても、
僕は中学三年の持て余した心の溢れを、
消化することができるんだ。
唐揚げは冷凍じゃない、
きちんと醤油とにんにくに浸けこんであって朝揚げてあるんだ。
咀嚼する、お米は祖父母の教えで八十八回噛む。
甘味があるお米、彩にプチトマトのへたも残したままの緑。
卵焼きの端っこは朝ごはんに再放送の魔女っ子アニメと一緒に食べた。
星座占いのカウントダウン途中でチャンネルを変えて姉ちゃんと殴り合いになるのも毎朝のこと。

「いちはしーーーーー」
ぶうらりと垂らした足から、僕は昨日決めたようにちゃんと上履きをプールサイドに描いておいた的に落っことそうとしていたのに。
背中のフェンスから誰かの声がする。
先生だったら先生、
僕は何も、
気に入って履いてた姉ちゃんのお古で
先端が黄色い上履きをストーブで焼かれたことが悲しくて、
投身しようなんて思ってここにいるんじゃないんです。
堤下の壊れてしまった暴力に臆してしまったことに、自分を許せないわけでもないんです。
口に芋虫入れられるよりまだマシなんですから。
だから先生、もしも先生なら、
まだ口の中にきんぴらの人参が入ってますから、
まだ少し、放っておいてくださいね。


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