欽ちゃんさん

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性別 男性
将来の夢 顔が笑いじわだらけのじいちゃんになる
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Oh!BENTO

16/07/17 コンテスト(テーマ):第112回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】 コメント:0件 欽ちゃん 閲覧数:891

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青春真っ只中のはずの高校生活は切ないもので、弁当ひとつで暗黒に変わる
周りが手作り弁当の中、僕の両親は共働きのため毎日コンビニのパン
同級生の彩り溢れた弁当を見たくなくて友達を作らなかった
僕はクラスで「ぼっちマン(ひとりぼっち男)」と呼ばれた

そんな僕にも楽しみがあった
スマホのアプリ「Oh!BENTO」だ
画面に表示された弁当箱におかずを詰めていく
「色合い」「栄養バランス」「オリジナリティ」を100点満点で評価され、獲得した点数を貯めると新しいおかずと交換できるってアプリだ

今日もお昼時間にコッペパンを頬張りながら「Oh!BENTO」に熱中していた
設定は僕に密かに想いを寄せる後輩女子(そんな子いないけど)
(ん〜、受験生の僕を考えてトンカツね、恋心が燃え上がりすぎて卵焼きもちょっとこげてるっと)
点数は、30点!
(あちゃ〜不器用な後輩だなぁw)
スマホを眺めて現実逃避していると、誰かに押されたリア充グループのアツシがぶつかってきた
衝撃で宙を舞った僕のスマホはアツシが手に持った弁当箱に当たって落ちた
「あー!ぼっちマンに触った!俺もぼっちになるぅぅ!」
「ってかさっさと弁当食おうぜ!」
アツシは仲間達の輪に戻っていった
(いやいや謝れよ)
妄想を現実にしているリア充グループが嫌いだった
スマホの画面が割れていないことにホッとして「Oh!BENTO」を起動する
(あれ?)
覚えのない弁当でいっぱいになっている
ご飯、ウインナー、から揚げ、リンゴ。なんともベタすぎる弁当だ。点数は5点
手際よくスマホを操作して、つまらなすぎる弁当のおかずを詰め替えた
ご飯に丸く切った海苔を乗せてパンダ。ウインナーをタコにして、リンゴは皮で耳を作ったウサギ。気持悪いくらいかわいい動物園弁当!
点数は、25点!低いw
直後に突然、リア充グループの集団が騒ぎ出した
「だっせーーー!」
「アツシって家だとこんなキャラなんだな」
「ちげーよ!ふざけんなよ!」
トイレに行くふりをして覗き込むと、そこには僕がアプリで作った動物園弁当があった
(全く同じだ。。。)

それ以来、学校生活が梅雨のナメクジのように活き活きとした
スマホを弁当箱に接触させると、弁当が中身がそのまま「Oh!BENTO」に反映されることがわかった
僕はリア充の弁当を片っ端から標的にしてやった
・ご飯とうめぼしの配分を真逆にした逆日の丸弁当→8点
・枝豆、するめ、たこわさ、キュウリの1本漬けを詰めたおつまみ弁当→16点
・ご飯とおかずはそうめんの色味が全くないW炭水化物弁当(オプションで水筒の麦茶をめんつゆに変えた)→12点

教室中が騒ぎになる中、気になることが起きた
「みよ!あんたの弁当もやばいね」
「恥ずかしいから大声で言わないでよ」
みよちゃんは僕が密かに想いを寄せる女子だ
みよちゃんの弁当箱にはブロッコリーがどっさり。緑色の頭をしたアフロ軍団が密集しているようだ
(おかしい。みよちゃんの弁当はいじってないのに)
「私、ブロッコリー好きじゃないんだけどね」
みよちゃんは苦笑いをしてブロッコリーをモソモソ食べた
次の日も、その次の日も
みよちゃんの複雑な家庭事情を考えると悲しくなった
3日後、僕は決行した
みよちゃんの横を通り過ぎる時に弁当箱にスマホをコツンと当てた。「Oh!BENTO」を起動するとやっぱりブロッコリーだらけ。しかも2点って。ひどすぎる
貯めていたポイントを全投入!
ご飯は天日干し純正コシヒカリ、伊勢海老フライ、デザートに紅ほっぺ、そして激レア:マンモスの肉だんご
最高級愛情弁当!
点数は98点!!
僕はわくわくしながらみよちゃんを横目で盗み見た
「みよは今日もブロッコリーなんでしょw」
「もう、だから大きな声で言わないでよ」
照れくさそうに弁当箱を開けたみよちゃんの表情が固まった
友達の声がこだまする。「すごーーーい!すごすぎでしょ!!」
(だろぅ。それが僕の愛情の形だよ)
しかし、みよちゃんの反応は僕の想像を大きく飛び越えたものだった
「ひどい、、ひどいよお母さん」と言って机に顔を伏せて肩を震わせた
(え!??)
わけがわからず、何も考えられなかった
結局みよちゃんは一口も食べず、クラスのヤツらが最高級愛情弁当を食べてしまった

翌日、みよちゃんの弁当はブロッコリー集団だった
僕は初めてみよちゃんに声をかけた
「ねぇ、ブロッコリー好きなの?」
「ううん、どっちかっていうと嫌いだよ」
「じゃあなんで。。。」
「明後日にバレエの大会があるんだ。だから体重管理が大変なの」

ブロッコリー弁当はみよちゃんのお母さんが愛情を詰め込んだ弁当だったんだ
愛情に点数はつけられない
今日帰ったらお母さんに言ってみよう
ブロッコリーを詰めただけでもいいから弁当作ってくれって


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