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KOUICHI YOSHIOKAさん

性別 男性
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ペットボトルのなかのメダカ

16/07/06 コンテスト(テーマ):第84回 【 自由投稿スペース 】 コメント:0件 KOUICHI YOSHIOKA 閲覧数:1216

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ペットボトルのなかのメダカは幸せだ
やわらかな水草のベッドに、澄んだ水、底には赤玉土
プラスチックの囲いで守られて 
一匹だけなら十分な広さ
風が吹こうが雨が降ろうが関係ない
猫がきたって水のなかに手は入らない
鳥がきたってくちばしは滑るだけ
食べ物は髪のながい人間の女がいつもくれる
外敵はなく、いつも安全、快適だ
ペットボトルのなかが世界のすべて
ここは天国、苦しみもなく、悩みもなく、
解決しなければならない問題もない
あり余る時間と自由、なにをしようが怒られない
でも、ペットボトルのメダカは知らない
できることは泳ぐこと、鑑賞されるために泳ぐだけ
家族もなく、仲間もいない、一匹ぼっち
ある意味、煉獄
知らないことは幸せなことなのか
ペットボトルのメダカは知らない
すぐ側には小川が流れ、川の底には学校がある
太陽の差し込む水のなかで、風でゆれる水草の下で
大勢のメダカが毎日毎夜、みんなで遊んでいる
そして、大きな魚や野鳥や虫と闘いながら生きている
常に食べられてしまうかもしれないという不安
嵐がくれば水はにごり死んでしまうかもしれない恐怖
ペットボトルのメダカには、そんなことは想像もできない
でも小川のメダカだって、ペットボトルの世界を知らない
小川に生きるメダカだって幸せだ 必死に幸せだ
ペットボトルの世界を知らないのだから
そこが世界のすべて 世界の行き止まり 
楽園であり、地獄である
どちらのメダカが幸せなのか
どちらのメダカが不幸せなのか
もしも選べるものならば、幸せであれ不幸せであれ
そんなことを軽々と飛び越して
生きている実感の持てる世界を選びたいものだ



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