1. トップページ
  2. 雨のよるには

こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

性別 女性
将来の夢 自分の書いた童話を孫に読んで聞かせたいです。
座右の銘 しあわせはいつも自分の心がきめる

投稿済みの作品

3

雨のよるには

16/06/13 コンテスト(テーマ):第110回 時空モノガタリ文学賞 【 雨 】 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:1045

この作品を評価する

「はるくん、なかなか、ねむれないみたいだねぇ。きょうは、雨がふっているでしょう。
雨の音をききながら、目をとじてごらん。雨のようせいが、ゆめのくにに、つれていってくれるよ。」
 おばあちゃんが、やさしく言います。

 二さいのはるくんは、そっと目をとじました。
 雨の音が、きこえます。
 ザーザー ザーザー
 雨は、はげしくふっています。

 トントンと、まどを、たたく音がしました。
「はるくん、ついておいで。」
 雨つぶほどの大きさの、ちいさな女の子が、ささやきます。
 おさげ髪で、水色のワンピースを着ています。
 はるくんは、びっくりしました。
 でも、すぐに、おばあちゃんが言ってた雨のようせいだな、とおもいました。
 まどをあけて、女の子についていきます。
 女の子は、あじさいの花のところにくると、
「ちいさくなぁれ。」
と、はるくんに、じゅもんをかけました。
 はるくんは、みるみる、ちいさくなりました。
「ようこそ。ゆめのくにへ。」
 スーツを着たカタツムリのおじさんが、おじぎをします。
 それから、あじさいの花にある、ちいさなとびらをあけました。
「こちらへ、どうぞ。」
 はるくんを、あんないします。
 ほそい、みどりいろのろうかをあるいていくと、目の前に、大きなプールがみえてきました。
「水着にきがえてください。」
 カタツムリのおじさんは、はるくんに、海水パンツをわたします。
 はるくんは、オムツをぬいで、右足を海水パンツに、つっこみました。
 それから、左足も・・・。
 いつもは、おかあさんが、手伝ってくれるのに、きょうは、ひとりで、がんばってはきました。
 プールに足を、つけてみます。思ったよりも、あさくて、はるくんは、あんしんして、あそべました。
 水しぶきが、顔にかかります。つめたくって、とっても、いいきもち。
 むちゅうであそんでいると、こんどは、エプロンをしたカタツムリのおばさんが、やってきました。
「どうぞ、めしあがれ。」
 ガラスのおさらに、アイスクリームがのっています。
「わぁ、おいしそう。」
 はるくんは、スプーンですくって、ほおばりました。
 つめたくて、あまくて、ほっぺたがおっこちそう。
 パクパクたべたら、カタツムリのおばさんが、プールサイドに、ふとんをしいてくれました。
「つかれたでしょう。おやすみなさい。」
 はるくんは、ほんとうに、くったくただったので、ふとんにもぐりこみました。
 ふとんにねころがって、上をみました。
 あおい空に、ちいさな星が、キラキラひかっています。
「あかるいのに、星がでてる!」
 はるくんは、とっても、ふしぎな気がしました。
 ちいさな星は、きいろくかがやいています。
「ゆめのくにって、たのしいなぁ。」
 はるくんは、うきうき、わくわく。
 けれども、星をながめているうちに、はるくんは、すやすや、ねむってしまいました。


 「おやおや、はるくん、ねむっちゃったよ。ゆめのくにで、いいゆめみてね。」
 おばあちゃんは、はるくんのふとんをなおすと、トントンと、おしりをたたきます。
 はるくんは、ぐっすりねむっています。

 しとしと しとしと
 雨音は、だんだん、ちいさくなっていきます。
「雨ふりも、いいもんだねぇ。」

 おばあちゃんは、そうつぶやくと、にっこり、ほほえみました。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン