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素元安積さん

もともと・あづみと申します。 絵を描くのが好き。 話を作るのも好き。 どちらも未熟ですが、楽しみながら頑張ります。

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私にしつこく聞いてくる

16/04/19 コンテスト(テーマ):第107回 時空モノガタリ文学賞 【 色彩 】 コメント:2件 素元安積 閲覧数:1082

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「ねぇねぇ、パンツ何色?」
 アイツは私に聞いてくる。この質問、何度めだろうか。そろそろ折れてくれないかな。
「ねぇ、何色?」
 うるさいなぁ。何でそんなに私のパンツの色が気になるんだ。他のヤツでも良いだろうに。他のヤツに聞かんかい。
 そもそも、コイツが私にこの質問をしたのは一昨日のことだった。何気なく聞かれたので、私も何気なく断った。それからと言うものの、コイツはしつこく聞いてくるのだ、私のパンツの色を。何故私なのだ。まじで。
「赤?」
 色を聞いて私の反応を探ろうって魂胆だな。来るなら来い。これでも以前、私はポーカーフェイスのなっちゃんと恐れられたのだ。それくらいでは分からんぞ。
「青? 黄? 緑? 白? 黒? ピンク? 灰? 茶?」
 私は返事を返さない。彼は眉間にしわを寄せ、追い込むように聞いてくる。
「黄緑? 水色? ベージュ? 紫? 金? 銀? 虹色?」
 しかしだ。しかしコイツは何故こんなにも私のパンツの色を知りたいのだ? そして、知りたいのは色だけなのか? 模様とかは気にしないのか? 形状や種類だって気になるはずでは? もしかして、私に興味があるのではなく、ただ当てたいだけなのか? 私は気になり、コイツに直接聞いてみた。どうして、そんなことをしつこく私に聞いてくるのかと。すると、コイツは答えた。
「だって、君のことが好きだから」
 ゾクッとした。
 私は夏男。名の通り、男なのだ。それも、結構ゴリゴリの。そしてしつこくパンツの色を聞いてくるコイツも男。ゴリゴリでは無いが、男だ。コイツが俺のことを好き? 嘘だろう?
 しばらく私は話しかけることが出来なかった。が、沈黙の中、コイツは喋った。
「ねぇ、何色?」
 打ち明けてなおそれを聞けるお前が素晴らしいよ。
 しかし、コイツが打ち明けた以上、私も打ち明けなければならない。本当のことを。
「私は、男は好きじゃない」
 うん。それも本当のこと。しかし、打ち明けるべきなことはもう一つある。私は胸に手を当て、心を落ち着けると、真実を口にした。
「それと、実は私は、パンツを履いていないんだ」
 彼は私に二つのショックから、硬直した。しかしやがて、その重たい口を開いて言った。
「……好きだ」
「何でだよ!!」


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このストーリーに関するコメント

16/04/25 霜月秋介

素本安積様、拝読しました。

ホッコリする恋愛ものかと思いきや、まんまと騙されました。
しかしいずれにしても…ノーパンはいけません!(笑)

16/04/25 素元安積

>霜月 秋介さん
目を通していただき有難う御座います。

そう言って頂けると嬉しいです!
ゴリゴリな男のノーパンはごめんですね(笑)。

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