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イルカさん

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音楽家アランと愉快な猫バンド達

16/04/08 コンテスト(テーマ):第106回 時空モノガタリ文学賞 【 ねこ 】 コメント:0件 イルカ 閲覧数:1036

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 窓の空は、黒い雲でおおわれ光をさえぎっていた。ご主人様のアランの心の様に思われた。職業は音楽家だ。まだ音楽家としては食べてはいけない。
 アランはピアノを弾きながら作曲をしている。コンクールに応募する為だ。もし入賞すれば、音楽ホールで曲がオーケストラによって演奏され、音楽家として認められるのだ。
 猫のチェロに声をかけた。
「どうだい、この曲を弾いてくれないか」と楽譜をチェロに渡した。そして演奏が始まった。演奏を聞いて満足した顔だ。
「どうだい、チェロ」
アランに感想を聞かれたが、顔を横に振った。
「一体どこが気に入いらない。答えてくれよ」
「心がない」と答えた。しかしチェロのアドバイスも聞き入れずこの曲で応募した。
 数日が経ち、結果が郵送で送られたきた。悪い知らせだった。
 肩を落とし落ち込んだ様子で、チェロがふびんに思った。
 音楽学校を卒業したころは、将来有望されてのだが、さっぱり芽がでない日々なのだ。
そこに、ドアを叩く音がした。戸を開けると家主だった。
「もう、三か月も家賃が滞納ですぜ。もし、払う気がなかったら、家から出ていってくださいな」
 すごい剣幕だった。


 アランは仕方なく、もっと安い家を探すことにした。しばらくして、駅前のバーで、ピアノ演奏者を募集していた。ここで、働くことにしようと、マスターに掛け合い住み込みで働くことになった。
店で仕事が始まった。客はお目当てのホステスとおしゃべりして楽しんでいる。
しかし、ピアノなんか誰も聞いてない、お飾りに思えた。
「おい、若いの、もっとましな曲はないのか?これじゃお通夜だ」
アランは、この曲をお通夜だと何ぬかす。このスケベ親父と思ったが、我慢して他の
曲を弾いた。
「おい、まだお通夜だぞ」と赤い顔して怒っていた。演奏を聞いて店のマスターも、雇ったことに後悔した。
 店が閉店すると、マスターはあの親父はお得意様で、今度怒らしたらクビだと告げられた。


 数日が過ぎたが、一向に演奏に変化はなく。マスターもあきれた。
 「ここは、君の発表の場じゃないぞ」と怒りをあらわにした。
アランは、どうして、この曲の素晴らしさが分からないんだ。店に来る客に音楽なんて分かるかと思った。
 それを、チェロは見ていた。あんなに希望に満ちていたのに今じゃボロ雑巾だ。
 見ていられなかった。チェロは、どうしたらアランが立ち直ってくれるか考えた。
そして名案を思い付いた。


つぎの日
お店がオープンした。
お客達は、ホステスと酒を飲みご機嫌だった。
アランの演奏が始まった。しばらくすると
「お通夜だぞ」と客が怒りだしたのだ。
その時だった。入り口のドアから
トランペット、ギター、サックスホーンにチェロを演奏しならが、猫達がステージにあがった。軽快なリズムと迫力に、おもわず座っていた客達も、席から離れて踊りだした。
そしてアランも演奏に加わった。
「今日はなんて楽しんだ」とあの親父が叫んだ。
数曲演奏を終えて、チェロがマイクでしゃべった。
「この演奏を企画したアランに拍手を」
アランは、何が起こったのかよく分からなかった。
客達は、大きな拍手をした。演奏は大成功だった。
マスターも、大喜びだった。

 仕事を終えて部屋で、「チェロのおかげだよ。人があんなに喜んでくれて、僕は間違っていた。認められることばかり考えていた。チェロには感謝するよ。君が企画したことをマスターに話すよ」
「アラン、才能を伸ばしてほしい。仲間達も演奏しただけで満足さ」と答えた。
 それから、毎日、猫達と演奏するうちに、自信を取り戻していった。
この噂は広がり、店は大繁盛した。
 お店で、演奏しているときだった。
「おい、若いの。素晴らしい音楽を聞かせてくれて、お礼をいうよ」とグラスを持った手を
 高くあげた。あの親父だった。
 今夜も踊ろう楽しい音楽で、今夜も飲もう楽しい音楽で、誰かがリズムに合わせて歌いだした。

みんな ありがとう。アランは音楽家としてどう生きていくかを考えた。

そして

猫バントが来たぞ
子供からお年寄りまで、広場に集まっている
貧しい村をまわり猫バンド達と演奏するアランの姿があった。


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