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高木・E・慎哉さん

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性別 男性
将来の夢 ノーベル文学賞受賞
座右の銘 早く生きればいいことある

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君と見た夏

16/03/27 コンテスト(テーマ):第105回 時空モノガタリ文学賞 【 水族館 】 コメント:0件 高木・E・慎哉 閲覧数:925

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「あの青い空は君だね」

水族館の魚たちを見て、僕はつぶやいた。

もちろん、水族館の中なので、空は見えない。

しかし、水族館の水の色が空のように見えた。

僕たちは歩いた。水族館の中をどこまでも続く迷路のように歩いた。どれくらい歩いただろうか?突然、君が話しだした。

「多分、この水族館じゃないな」

「え、どういうこと?」

「私の求める水族館はここじゃない」

「でも、君が行きたいっていうから。君が水族館に行きたいっていうから来たんじゃないか」

「でも、ここは私の求める所じゃない」

君は、難しそうな顔でうつむいた。

「とにかく、ここは違うの」
訳が分からなかった。

僕はしばし、呆然とした。君が言うから。君が水族館に行きたいっていうから来たのに。どうして、こんなことになる?誰か僕に説明してほしかった。今のこの状況をどうすればいい?

僕たちはまた、歩きだした。

物凄く長い距離を歩いた。

この水族館の全長は、100qもあるらしい。
100q?
何?そんなにあるのか?

かなりの距離だな。
夏はどうする?

夏というタイトルで書いたんだから、夏を入れないと。

どう夏を入れる?

このままでは、夏を入れないまま終わってしまう。

そんなことでいいのか?

そんなことを考えていた。

「今は春だろ」

そんなことは分かっていた。
なんとか、夏を入れようと口が滑った。

しまった!
なんて、ミスを。

「そうだね、春だね」

すると、君は優しそうな笑みで返してくれた。

やった

よかった。なんとか彼女の機嫌が直ったようだ。

よかった。本当に嬉しい。

しかし、全長100qの水族館はどこまで歩いても終わりがなかった。

そもそも現実的に考えて、100qも水族館があったら、水槽はどれくらい大きくしないといけない?

そんな現実的な心配はいらないか?

現実的に考えると、心配が出てくる。

色んな不安や心配が出てくる。

うまくいくだろうか?

生きていけるだろうか?

失敗しないだろうか?

今はとにかく彼女に集中だ。

「明日海にいこう」

やっと言えた。それが言うのが、夢だった。

「で、いつお金返してくれるの?」

急に、現実的な言葉を返された。

痛かった。
現実はとても痛かった。

そして、残酷だった。

「私たち結婚できなかったらどうしよう?」

そんなこと言われると思わなかった。

どの男もが、そんなことを言われると思っていないだろう?

まさに、そんな気分だった。
どんな気分って?
心臓が押し潰されそうだった。

「結婚して下さい」

そこで、プロポーズした。

「え?」

さすがの彼女もビックリした。

このタイミングでプロポーズするとは僕も思わなかった。
意外だった。
あまりに意外すぎて、全ての時間が止まったかのようだった。

「あの、つまり、それはだね…」

「いいよ」

「へ」

「結婚してもいいよ」

彼女のOKは僕にとっても意外だった。

まさか、僕も彼女も水族館でプロポーズするとは思ってはいなかった。

しかも、それがうまくいった。

これは何だろう?

奇跡か?

いや、本物だった。

そして、僕と君は水族館で結婚することにした。

何より、僕と君にとって、水族館が一番の思い出の場所になった。

水族館は僕たちにとってかけがえのない場所だ。

何より、素晴らしい気持ちをくれた。

僕と君は水族館で結婚式を開いた。

それはやりすぎか?

しかし、はっきりと水族館で結婚式を開催した。

とてもうまくいった。

幸せだった。

こんなに幸せな気持ちは初めてだった。

全て水族館のお陰だった。

水族館に感謝。

でも、本当は、東京タワーの夜景を見ながら、プロポーズするつもりだった。

それが、水族館になった。

しかも、それが彼女が違うと言っていた水族館だった。

一生幸せに過ごしました。


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