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yoshikiさん

面白い作品を知り、自分でも書いて見たくなって何年も経ちました。よろしくお願いします。 2010年 小説現代S&Sコーナーに初めて送った作品が掲載されました。作品名『幽霊の見える眼鏡』 とにかく面白いものが書いていけるといいなと思っています。 イラストはエアブラシと面相筆で昔描いたものです。

性別 男性
将来の夢 楽隠居
座右の銘 不可思議はつねに美しい、どのような不可思議も美しい、それどころか不可思議のほかに美しいものはない。アンドレブルトン

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 続・天国か、地獄か  他二編

16/03/26 コンテスト(テーマ): 第77回 【 自由投稿スペース 】  コメント:0件 yoshiki 閲覧数:726

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●続・天国か、地獄か

 九十九人の人を殺した殺人犯が死刑になり、エンマの元にやってきた。男は自分のしでかした悪行の反省をするどころかふてぶてしい態度でエンマに対峙した。
「やい、エンマさっさと俺を地獄に落としやがれってんだ!」
 エンマはじろりと男を睨んでから、こう言った。
「いや。惜しいね。ほんとに惜しい」
「な、なにがだ?」
「いやね、わたしは十とか百とか千とか、切りのいい数字が好きなんだ。だからもし仮に君が百人殺したなら、天国に行かせてやろうと思った」
 男はエンマを二度見してから、こう言う。
「な、なんですって?! ――実は、俺もう一人殺しているんですがね。エンマさん、世間にばれてないだけで」
「だめだめ、嘘はわたしには通じないよ」
「ちぇ、しょうがねえや、さっさと地獄に行かせろてんだ」
「まあ、待ってよ。悪人がみんな判で押したように地獄にいくなんて古いよね。新鮮さがないんだな」
 男がまたエンマを二度見した。
「あんた、自分を殺しなよ、そうすりゃ百人だ」
「ええっ! 自分を殺す?」
「そうだよ、あんたもう死んでるのだから、こわくないでしょ、そうすればめでたく天国」
「そうですかい。よしっ、天国に行かれるなら、自分でもなんでも殺しましょう!!」
 男は自分で自分の首をしめた。

 ◇ ◇

 男が目を開けるとエンマがいる。よく見るとさっきのエンマと違うようだ。
「はい、あんた地獄行き」
「ええっ?! 話が違うんだがねえ、さっきまでいたエンマにきいてみろよ」
「ああ、彼は先ほど転勤しましたよ」
「ええっ!! そんな、百人で俺は天国行きなはずなんだぞ!」
「ばかな世迷いごとを! 悪人は地獄行き、昔からそう決まってるでしょうが」

                    おしまい


●火事場にて
  
 火事場で男がガソリンをまいている。そこに駆け付けた消防士が驚いて男に怒鳴った。
「あ、あなた! なんでガソリンなんか、かけているんだ!! 気でも違ったのか」
 男が神妙な顔で答えた。
「いやね、家の保険、全焼でないと下りないんですよ」
 その近くに大きな消火器を使って懸命に火を消そうとしている男がいる。
 消防士がその男に声をかけた。
「すごい消火器ですね、ところであなたは?」
 その男も神妙な顔で答えた。
「わたし、保険屋です」

                    おしまい


●運命

 癌の告知をされた男が落ち込みながら占い師のもとを訪れた。
「私は癌なんですが、この先いったいどうなるのでしょう?」
 占い師が微笑んで答えた。
「勢いをきわめるな。隆盛運じゃ!」
 三日後、男は死に妻が占い師のところにやってきた。
「あなた、主人に隆盛運だとか言って喜ばせておいて、結局主人は死んでしまったじゃありませんか!!」
 占い師は困った顔をして言った。
「奥さん、わしが占ったのは癌の運勢じゃよ」

                    おしまい


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