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酒呑シゲさん

主に伝奇小説を書いている半人前物書きです。 作家目指して日々執筆に磨きをかけています。

性別 男性
将来の夢 やはり作家でしょうか。
座右の銘 思いつきませんや。

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吾輩は猫でありたい

12/08/29 コンテスト(テーマ):【 猫 】 コメント:1件 酒呑シゲ 閲覧数:1826

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 私は猫だ。
 物心が着く頃には、ここに居た。
 実に居心地がよかった、何かをしなければならない事もないから。
 やることと言えば、日がな一日を暖かな木目のフロアで昼寝をするくらい。
 後は勝手に事が進む。

 朝、昼、晩のそれぞれには、主人の雇っている人間から食事が提供される。
 ご丁寧なことに、いつも違った種類の食事で飽きがこない。
 二日に一回には多忙な主人が、貴重な時間を割いて外へ出してくれる。
 食っちゃ寝、食っちゃ寝の生活を繰り返して出来たメタボリックな寸胴体型には、少々息が上がる運動だが、主人の為ならば仕方がない。

 主人にとっての私は何なのだろうかと、ふと思った。
 首に付けられたこの輪っか。
 私を束縛するための物なのか、あるいは主人の私への依存なのか。

 どちらにしろ、私は猫ではない。
 私は家猫と呼ばれる猫で、相違ないだろう。
 テレビジョンなるものは私に教えてくれる、猫はどうあるものかを。
 すらりとした脚線美を持ち、ただ孤高であり続けるために瞳を宿した姿。それが猫だった。
 駄肉を垂らして、既に猫になることを諦観した目をした私は、断じて猫では無い。

 私がありたいのは……。

 颯爽と街を歩き、気が向けば隣町へ、もっと遠くへ歩いて行ける。
 ひたすら自由を追いかけ続ける足を持った、誇り高い存在。




 そんな猫に私はなりたい、私はなりたかった。

 吾輩は猫でありたい。


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