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林一さん

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カラー化

16/03/02 コンテスト(テーマ):第104回 時空モノガタリ文学賞 【 映画 】 コメント:0件 林一 閲覧数:969

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 映画の映像技術は、日々進化を続けていた。ところが、それに反比例するかのように、映画人気は緩やかに下降を続けていた。
 その理由は明白だった。映像技術以外の全ての要素が、全くと言っていいほど進歩していなかったためだ。いやむしろ、退化していると言った方が正しいだろう。
 過去の人気作の焼き直しのような脚本、端整な顔立ち以外は何の魅力もない大根役者達、センスのない演出など、せっかくの映像技術の高さを十分に生かすだけの力が、今の映画業界にはもう残されていなかったのだ。
 そんな中、昔の映画が再評価されるようになり、全国の映画館で復活上映が盛んに行われていた。ただし、昔と同じ映像をそのまま上映してしまうと、綺麗な映像に慣れた観客達から避けられてしまうため、最新の技術を駆使して綺麗に映像を修復した状態での上映がなされた。また、白黒映画においても、元の映像をデジタル化し、そのデータを解析することで、美しくカラー化された映像での上映を可能にした。


「とも君、この映画おもしろいの?」
「すごい昔の映画らしいけど、わざわざこうして復活上映されるくらいだから、きっとおもしろいんじゃないかな」
「ふーん。それにしても、全部で207分もあるだなんてずいぶん長いわね」
「途中で5分の休憩があるみたいだよ」
「あ、始まるわね」

 
「すげー良い所で休憩に入っちゃったな」
「7人の侍と村人達がどう戦うのか、後半が楽しみね」


「うーん、確かにおもしろい映画だったけど……」
「クライマックスのあのシーン、変だったよな」
「そうそう。なんで黒い雨が降ってたのかしら?」


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