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ケイジロウさん

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落ち葉

16/01/04 コンテスト(テーマ):第九十八回 時空モノガタリ文学賞 【 革命 】 コメント:0件 ケイジロウ 閲覧数:861

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 緑色の葉っぱは、赤や黄色を経て茶色くなり、そしてヒラヒラと地に落ちていく。その落ちた葉っぱはいつの間にか路の上から消え去っていく。どこへ行くのだろうか。僕は公園のベンチに腰を下ろし、缶コーヒーを啜りながらそんなことを考えている。僕が茶色と騒いでいた葉っぱは、実は緑色だったのかもしれない。いや、たとえ本当に茶色だったとしても、緑色とみんなが信じていたのであればそれでよかったのではないだろうか。僕は一体何がしたかったのか。
 こんなことになるのだったら以前のままでよかったのかもしれない。しかし、そんなことを今更言い出しても全く意味がないことだ。もうすでに壊してしまったのだから。

 悪くない悪くないと自分に言い聞かせ続けてきたが、本当のところ、長年違和感を持ち続けていた。ただ具体的に何がおかしいのかはわからないでいた。一般的な部署はすべて備えていたし、それぞれ健全に機能していた。配置バランスもそれほど悪くなかったと思う。
 しかし、結果が全くでない。37年間全くでない。
 何かがおかしいのは明らかであったが、忙しさを言い訳にして、今まで原因追及を怠ってきた。しかし、もう限界である。焦りもでてきた。これ以上先延ばしをするわけにはいかない。革命を起こすしかない、僕はいつからかそう信じるようになっていった。そこで、まず結果を出している例を調べることにした。一体何が違うのか。
 いろいろ調べるうちに、僕は、革命が必要な部署をピンポイントで見つけ出した。ここだ。ここしかない。僕はあえて深く思考することなく、周りに相談することもなく、メスを入れることにした。あっ、一人だけ相談をした。なぜなら、その人がいなければ僕の革命は絶対に成立しないからだ。しかし、相談といっても、決断はもう下していたので、どちらかというと、革命の中身についての相談である。実行の依頼でもある。

「あぁ、そう、んで、どこをどうしたいの?」
 初老のじいさんが横を向いたまま訊いてきた。
「あっ、ココなんですけど。ココをこういう風にしたいなぁと思いまして・・・いやっ無理ならいいんですけど。」
「いやいや、できないことはないよ。できないことはないんだけどねぇ、ん〜、でさぁ、なんで、変えたいの?」
「いやぁ、お恥ずかしい限りなんですけど、なかなか結果がでませんで・・・。いろいろ原因を考えたんですけど、やっぱりココかなぁとおもいまして。」
「あぁ、そう。」
「今までコレで頑張ってきたんですけど、もうこれ以上誤魔化せない、と言いますのは、私、もう37でして。」
「あぁ、そう。まぁ、君の言う革命を実行したところで、君の望む結果がついてくるかどうかまでは責任は持てないよ。けど、その革命とやらを君の望み通りにする自信はある。個人的にはやめといた方が良いと言いたいところだが、まぁ、君もそれなりに考えてココに来たわけなんだしな。よし、では、今か始めるとするか。わしは現金しか受け取らん。用意はしてきたのか?」

 僕は、缶コーヒーをベンチに置き、ポケットからケータイを取り出した。そして、ケータイのカメラ画面に写る自分自身を見つめる。いろんな角度から見つめる。
 もうもどらない僕のブサイクな鼻。整形手術で、念願の、カッコイイと世間で言われている鼻を手に入れたが、なんだかしっくりこない。僕は一体何がしたかったのか。一生結婚できなくてもよかったではないか。もっと他のところに原因があったのかもしれない。もう、いい。そんなこと考えても後の祭りだ。
 缶コーヒーを啜ってみたが、中身はもうなかった。茶色い葉っぱがまだ一枚僕の足元に残っていた。
 たまにはオフクロに電話でもしてみるか。


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