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15/12/22 コンテスト(テーマ):第九十九回 時空モノガタリ文学賞 【 失恋 】 コメント:0件 りんご 閲覧数:991

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ずっと一緒に居ると思っていた。
彼には私しかいないと思っていた。

ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
あなたを受け入れる事ができなくて、理解してあげることができなくて
本当にごめんなさい。





あなたは大学の先輩。そして同じサークル。名前はだいき。
学園祭が終わって1週間経ったとき
なんとなく付き合い始めた。
誰にでも好かれるような人ではなかったけれど、
うそをつけないところや、夢に一途なところが好きだった。
サークル内は恋愛禁止だったから、付き合ってることはみんなには内緒。


冬が過ぎ、暖かい春がやってきた。
大学にも新入生が入り、ここぞとばかりに桜の花も咲いていた。
かわいい新入生が噂になるのは毎年恒例のこと。
「えりちゃんって言うんだって。すごいかわいいらしいよ。」
私の耳にも入ってきた。
「へー。そうなんだ。」
適当な返事をする。


そんなある日、私達のサークルの部室に新入生が見学に来た。
かわいい新入生と噂されていたえりちゃんだった。
あか抜けてて、私とは正反対のタイプ。
「だいきさーん。新入生が来ましたよー。」

数日後、えりちゃんは私達のサークルのメンバーになり、
改めて新メンバーとして部室にやってきた。

「お疲れ様でした!」
「あっ!えりちゃん帰るの?じゃあバス停まで送っていくよ。」
「えっだいきさん、いいんですか?ありがとうございます!」
私も後から追いかける。
そこには寒そうにしながらも、えりちゃんの鞄を持ってあげているだいきがいた。
私は足が重くなると同時に胸がしめつけられるのを感じた。

「おっ!いたんか。」
「うん。今日は一緒に帰る?」
「おう!帰ろうか。」
「うん・・・。」
「今日は寒いなぁー。」
「・・・うん。寒いね。」


それから1週間が経った。
私はだいきを呼び出した。どうしても聞きたい事があった。
「急にどした?」
「・・・だいき、えりちゃんと付き合ってる?」
「えっ?」
「・・・えりちゃんと付き合ってるんでしょ?」
「・・・うん。」
「えりちゃんのこと好きなの?」
「・・・うん。」
「じゃあ、別れる?」
「でもお前の方が好き。好きの大きさが全然違う。別れたくない。」
「えっ?」
「お前の方が好き。」
「いや。普通に無理。」
「いやだ。別れたくない。ずっと一緒にいよ?」
私の頬に涙が落ち始めた。
「1回目じゃないじゃん。浮気、直んないじゃん!」
「違う。これは浮気じゃない!」
私は彼が何を言いたいのか分かっていた。けれど、
「意味分かんない!」
分かりたくなかった。
「わかってよ!」
「・・・わかってるよ。ずっと作家になりたいって言ってたもんね。
 作家になるには人よりも色々な経験しないといけないもんね。」
「うん。」
「でも無理。ごめん無理。
だいきの作家の夢を応援しなきゃって思うのと同時に
好きになればなるほど許せないことが増えてくる・・・。」







彼を受け入れることが出来るのは、私にしか出来ないだと思っていた。
ずっと一緒にいると思っていた。
だいき、ごめんなさい。
うそをつけないところも、夢に一途なところも、だいすきでした。


涙とともに桜が散った。


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