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林一さん

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近い人

15/11/02 コンテスト(テーマ):第九十六回 時空モノガタリ文学賞 【 奇人 】 コメント:0件 林一 閲覧数:951

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 みなさんの周りにも、こんな人はいないだろうか? 何をするにも、人との距離が近い人。
 人はパーソナルスペースというものを持っている。それは、人が相手とコミュニケーションをとる時の物理的な距離のことで、このパーソナルスペースより近くに相手が入ってくると、人は不快に感じるのである。
 何をするにも人との距離が近い人は、このパーソナルスペースが一般的な人よりも狭いため、人が不快に思う距離まで近付いてしまうのだ。
 

 私が大学で知り合った一郎という男は、近い人であった。一郎は、友達から初対面の人にまで、とにかく距離が近いのだ。
 会話をする時は、唾が付きそうな距離まで近付かれるため、かなり迷惑だ。その点を除けば悪い奴ではないのだが、どうしてもその近さには慣れることができなかった。
 今までにも、近い人には何度か出会ったことがあったが、一郎は別格だ。いったい一郎は、どうしてこのような近い人になってしまったんだろう?

 
 夏休み。一郎は実家の古びた小さなアパートへと帰省した。
「ただいまー。やっぱり実家に帰ると落ち着くなあ」
「お帰りなさい。大学生活はどう?」
「一郎兄ちゃんお帰り」
「兄貴お帰り」
「兄さんお帰り」
「兄ちゃんお帰り」
「兄ちゃんお土産買ってきてくれたー?」
「お兄ちゃん、お姉ちゃんがいじめるよー」
「違うわよ、五郎が私のお菓子をとっちゃったのよ」
「こらこら、喧嘩はやめろよ。一郎お帰り」


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