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飛鷹朗さん

何年も前ですが「とびたか・ろう」の筆名でショートショートの広場に4編採用いただきました。60歳を前に、飛鷹朗と名乗って気分を変えてまた書きだしました。ショートショートは★よりブラウン派です^^;

性別 男性
将来の夢 大きくなる。
座右の銘

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晴れた空

15/08/27 コンテスト(テーマ):第九十回 時空モノガタリ文学賞【 祭り 】 コメント:1件 飛鷹朗 閲覧数:1166

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 あった、あった、焼きトウモロコシのお店。
 空は…だいじょうぶさ。よく晴れてる。
 雨に濡れるとこれ、元に戻っちゃうものな。
「おじさん、トウモロコシ一本ください」
「ちょっとだけ待ってくれるかい。よく焼けたのが全部売れたばかりだ」
「うん。ねえちゃん、醤油を何回も塗ってよく焼いたのがすきなんだ。そういうのにして」
「へえ、姉ちゃんのために買ってかえるのかい」
「うん。ねえちゃん、今日、遠くにいっちゃうんだ」
「それは淋しいな」
「淋しいけど、嬉しいことなんだ。お祝いしたいけど、ぼく、おねえちゃんの好きな食べ物あげるくらいしか思いつかなくて」
「姉ちゃん、そんなにトウモロコシが好きなのかい」
「うん。あぶらげより、ずっと」
「あぶらげ?そうかい。さて、そろそろいいかな」
 うん、いい匂いだ。
「ほら熱いぞ。やけどしないようにな」
「はい、これお金です」
「ちょうどだね。ありがとうな」
 おじさんごめんね。本当はこんなことしたくないけど、おそなえはあぶらげばかりなんだ。
「おや、にわか雨。なんだよ、よく晴れてるってのに」
 うわっ、どうしよう。お金が。
 おじさん空を見上げていてまだ気づいていない。
 今の内に逃げちゃお。
「坊主、待ちな!」
 みつかった。
「ご、ごめんなさい」
「えー?何を謝ってるんだ。坊主は、トウモロコシは嫌いなのか」
「ううん。好きだけど」
「じゃあ、なぜ二本買わなかったんだ」
「だって、その。葉っぱなんかでごめんなさい」
「なに分けわからんことを言ってる。ほら、おまけだ。もう一本持っていきな」
「いいんですか」
「おうよ。遠慮してどうする。今日の祭りはあんたらの祭りなんだぜ。そうか嫁入りするんだ、お稲荷さん」


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このストーリーに関するコメント

15/08/28 こぐまじゅんこ

飛鷹朗さま。

拝読しました。
とっても、かわいいお話ですね。
ほのぼのしました。

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