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アニメだらけの世界で

15/08/24 コンテスト(テーマ):第九十一回 時空モノガタリ文学賞 【 アニメ 】 コメント:4件 るうね 閲覧数:1593

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 田島は新聞のテレビ欄を見て、顔をしかめた。
 アニメだらけ。
 お笑い番組やニュースなど、ほとんどない。
「いつから、こうなっちまったんだろうな」
 視聴率の下落に悩まされてきたテレビ局が、ある程度視聴率が見込めるアニメ番組を、こぞって流し始めたのはもう十数年も前。それはエスカレートし、いまでは朝から晩までテレビはアニメづくしである。あのN○Kですら、新聞のテレビ欄はアニメで埋まっていた。
 別にアニメが悪いというわけではない。
 わけではないが、ものには限度というものがある。
 田島はため息をつきつつ新聞をたたみ、テレビをつけた。
『魔女っ娘らぶりん、参上!』
 いきなりピンク髪の女の子が叫ぶ場面が映し出され、田島はげんなりした。
 リモコンでチャンネルを変える。
 今度は変身ヒーローもののアニメが映し出される。
 さらにチャンネルを変える。
 今度はお笑い番組のようだ。漫才師らしき二人組がネタを披露している。
 が。
「CGアニメか……」
 お笑い番組を題材にしたアニメだった。
 こんなものを流すぐらいなら、普通にお笑い番組を流せばいいのに。
 と言っても、いまやタレントやお笑い芸人など目指す人間はほとんどいないらしい。収入源が激減し、とても食っていけないのだ。これだけアニメが氾濫していては無理もない。
 仕方がないから映画でも観に行こうかとも思ったが、現在は映画もアニメばかりである。
 田島は、再びため息をついた。
 と。
 ピコピコピーン。
 妙にアニメチックなシグナル音とともに、テレビ画面の上部に『ニュース速報』の文字が映し出された。
 どうやら、総理が銃撃を受け、殺されたらしい。
『このアニメが終わり次第、臨時ニュースをお送りします』
 総理が殺されたニュースよりも、アニメを優先するのか。世も末だ。
 田島はあきれてうめいた。
 だが、これでようやくアニメ以外の番組が見られそうだ。
 アニメが終わるのを、じりじりとした気持ちで待つ。
 ようやく終わった。
 さあ、ニュースの時間だ。
 画面が切り替わり、女性ニュースキャスターが映し出される。髪が緑色だった。
 アニメである。
「なんてことだ」
 肩を落とす田島。
 ニュース番組すら、アニメーションで作るようになってしまったのだ。
 田島はぼやく。
「いくらなんでも、これはやりすぎじゃないだろうか」


「……っていうアニメが昨日、放映されてたよ」


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このストーリーに関するコメント

15/08/24 戸松有葉

個人的には撃たれた総理がアニメキャラ(アニメキャラしか選挙に勝てない)というネタも欲しかったです。総理殺害のニュースよりアニメ優先、テ〇ビ東京なら本当にやってくれないかと期待される現実はホラーですね。

15/08/24 るうね

るうねです。
コメント、ありがとうございます。

その発想はありませんでした。
正直、総理の代わりはいくらでもいるけど、その日のアニメはそれっきり(DVDボックスとか買わなければ)ですからね。
お読みいただき、ありがとうございました。

15/09/21 光石七

拝読しました。
こういう時代も来るかもしれないなあ……と思っていたら、最後のオチにやられました。
面白かったです。

15/09/21 るうね

るうねです。
コメント、ありがとうございます。

もう何がアニメで何が現実か分からない世界を作りたくてですね。
きっとこういう主張も、アニメでないと伝わらない世界なんでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。

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