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海見みみみさん

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『電気眼の巻』眼球紳士・短篇集01

15/08/20 コンテスト(テーマ):第六十一回 【 自由投稿スペース 】 コメント:1件 海見みみみ 閲覧数:1302

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 これは様々な眼球の眼球による眼球のための物語(フィクション)である。



 僕の名前は眼球紳士。名前の通り、世界一の眼球コレクターだ。僕の屋敷には大量の眼球が、特別に調合された薬剤に浸かり、保管されている。
 なぜ眼球を集めているのかって? そんなの決まっているじゃないか。眼球が美しいから。ただそれだけだ。
 今回はそんな僕の眼球コレクションの中から一つ、とっておきの物を紹介しよう。ほら、この眼球を口に頬張って舐めてごらん。すると記憶が浮かんでくるはずだ。さて、今回はどんな記憶が浮かんでくるかな?



 俺は幼い頃から不思議な力を持っていた。この両目で人を睨みつけると、その相手を感電させる事ができるのだ。この能力を俺は電気眼と呼んでいた。
 幼い頃から俺は電気眼を使いこなしていた。
 例えば小学生の頃。クラスのボス猿だったアホを、給食を食べ終えた直後に感電させた。もちろんアホはその衝撃でクラスメイトの前で嘔吐。その間抜けな姿からボス猿の地位から一転、そいつはいじめられっ子になった。
 中学生に上がってからも、電気眼の力は有効活用された。
 近所のジジババが経営する小さなコンビニ。そこに押し入り、ジジババを電気眼で昏倒させ、レジの金を奪った。周囲の監視カメラは事前に電気眼で破壊済み。おかげで俺は中学生が持つには多すぎるくらいの金を手に入れ、豪遊した。電気眼によってジジババが心臓麻痺で死んだと後で聞いたが、そんな事、俺には関係ない。
 そうこうして俺は進学し、高校生になった。某有名私立の高校だ。ここには多数のお嬢様が通っているという。さて、楽しませてもらおうか。俺は一人舌なめずりをした。

「長田さん、ちょっと良いかな」
 放課後、俺はクラスメイトの長田ユリに声をかけた。長田ユリはこの学校でも一番の美少女で、尚且つお嬢様として知られている。男子が最も付き合いたい女子ランキング、その一位が長田ユリだ。
「なんでしょうか?」
 長田ユリが友人との会話を止め、俺の方を向く。うん、やはり可愛らしい。人形のような美しさだ。
 俺は緩みそうになる自身の表情を引き締め、会話を始めた。
「実は担任から体育倉庫の片付けをやれと言われてさ。体育委員は強制参加らしいんだ」
「まあ、それじゃあ行かなくちゃいけませんね」
 長田ユリは俺と同じ体育委員だ。同じ委員になったのはこれも俺の作戦の内である。
「片付けは時間がかかるらしいから、お友達には先に帰ってもらっておいた方が良いよ」
「了解です。それではちょっと待っていてくださいね」
 それから長田ユリが友人に事情の説明し、友人達はすぐに了承して教室を出て行った。
「さあ、俺達も体育倉庫に行こう」
「そうですね。早く終わらせてしまいましょう」
 こうして俺らは体育倉庫へと向かって歩き始めた。

 体育倉庫には人影もなく、独特の汗臭い臭いが鼻についた。中は薄暗く、運動用の道具が整理され置かれている。
「これ、どこを片付けるんですか? 特に整理の必要がありそうなところは見当たりませんが……」
 長田ユリが不思議そうにそうつぶやく。
「もちろん片付ける必要はないよ。だって、全部俺のウソだもの」
「えっ」
 その瞬間、電気眼が発動し長田ユリを昏倒させた。気絶したところをしっかり確認し、持ってきていた鞄からスマホを取り出す。
 これから俺は長田ユリを犯し、その光景をスマホで撮影する。そしてスマホで撮影した動画を使い長田ユリを脅し、性奴隷にするのだ。なんて素晴らしい計画なのだろう。
 俺は早速長田ユリのスカートに手をかけ、その中身を覗こうとした。自然と息が荒くなる。俺は最高に高ぶっていた。

「悪趣味だなあ。女性を犯そうだなんて、紳士として見逃せない行為だ」

 突如響いた声。それに俺はビクリとした。
(ここには誰も来ないはず。一体誰が?)
 後ろを振り返ると、そこにはシルクハットにジャケット姿の青年が立っていた。右目を髪の毛で隠しているが、もう片方の左目は凛としていて美しい。なんとも言えない妖しさ。それをその青年は感じさせた。
「お前は誰だ?」
「僕は眼球紳士。君の眼球を奪いにきた」
「……一体何の冗談だ」
 眼球紳士と名乗るこの男。何か危険さを感じさせる。早急に始末せねば。俺は電気眼を使い、眼球紳士の心臓に向け電気を放った。眼球紳士が胸を押さえその場に倒れる。これで心臓は麻痺し、この男もおしまいだ。
 眼球紳士が倒れたのを確認し、再び長田ユリへと向かおうとする。今度こそ安心して彼女を犯せる。俺は彼女に飛びかかろうとした。
「言ったはずだ。女性を犯そうだなんて、紳士として見逃せない行為だと」
 そう聞こえたかと思うと、俺は顔面を思い切り殴られた。強い衝撃によってその場に倒れる。一体何が起きた。霞む目で目の前を見ると、そこには眼球紳士の姿があった。
「そんな、お前は死んだはずじゃ」
「お生憎様、僕は不死者でね。そう簡単に死ぬ事はないんだよ」
(不死者だって? 一体何を言っているんだ)
 混乱していると、眼球紳士は俺の頭を掴み語りかけてきた。
「普段なら最も痛みのない方法で眼球を摘出するのだけど、今回は特別だ。最も苦痛を与える方法でその目玉、貰い受けよう」
「なんだよ、それ。なんで俺がそんな目に」
「君が今まで犯してきた罪は全て把握済みだ。観念する事だね」
 そのまま眼球紳士が鞄から銀色の毛抜のような物を取り出す。まさか、あれ一本で眼球を取り出そうと言うのか。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ!」
 俺は混乱しながらも、電気眼で眼球紳士を攻撃した。しかしいくら電気をくらっても眼球紳士怯まない。
「さあ、ショータイムの始まりだ」
 銀色の毛抜が俺の目玉を捕らえる。
「やめろおおおおお!」
 俺の悲鳴は体育倉庫の中に虚しく響いた。



 いかがだったかな? これがこの眼球に秘められた記憶だ。
 その後、この男は婦女暴行未遂の容疑で逮捕。さらに余罪が判明し、少年院に送られたそうだ。眼球を両方失った事で、少年院での暮らしは大層不便していると聞いた。だがこれもこの男に対しての報いだろう。
 ああ、それにしてもなんだか喉が渇いたな。こう熱い日は冷たいジントニックが飲みたくなる。アルフレッド、ジントニックの用意はできているかい。
「もちろんでございます。さあ、こちらに」
 さすが仕事が早い。それではジントニックをいただこうか。
 ジントニックの中に今回収集した電気眼を二つ入れる。それを一口飲むと、電気で痺れるような味がして実に美味だった。


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15/08/20 海見みみみ

noteにも掲載している新連載です。
3話目までは毎日更新。
それ以降は毎週火曜日更新予定です。

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