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つつい つつさん

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大変な美人

15/07/19 コンテスト(テーマ):第八十七回 時空モノガタリ文学賞 【 私は美女 】 コメント:1件 つつい つつ 閲覧数:1681

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 美人に生まれたからには、平凡な人生を歩んじゃいけないと思う。普通の人とは違う人生を歩む必要というか宿命があると思う。まあ、美人の度合いにもよるけど、アイドル、女優、モデル、女子アナ、最低でもそれくらいにはならないと駄目だと思う。でも、最近では、あなたアイドルになる責任なんてないわよって子がいっぱいアイドルやってるけどね。
 別に普通の仕事でもいいんだけど、なにをしても美人すぎる弁護士とか、美人すぎる議員とか、美人すぎるスポーツ選手とか、すぎるって評判がたつくらいじゃないといけないから、ほんと美人って苦労する。「美人は得ねぇ」なんてよく言われるけど、それは大間違い。美人はうかうか生きてられない。普通の人ならちょっと失敗したり間違っても、笑って済まされるけど、美人だと、そうはいかない。待ってましたとばかりに今まで疎ましく思ってた人達から総攻撃受けちゃうから、一瞬たりとも気が抜けない。
 私も物心ついたときから、「リサちゃんは可愛いね」「リサちゃんは美人さんだね」って、言われてきたから、大変だった。勉強だって、ちょっとさぼると、「リサちゃん、美人だけど頭悪いね」って言われるし、スポーツだって、ちゃんと目立たないと「あれ、リサちゃん意外とたいしたことないね」って言われるし、なにをするにも頑張らないといけなかった。それなのに、頑張ったアピールなんてしちゃうと、男子にアピールしてるなんて噂たてられちゃうから、私は自分の宿命を呪ったりなんかした。それでも、美人である以上さぼることは許されなかった。
 そして、それからも頑張り続けた私は有名大学に入り、タカハシ君に出会った。その頃の私は、ミスキャンパスにも選ばれたし、このまま進んだらやっぱり女子アナかな、なんて考えてた。だけど、二〇歳にもなったし、そろそろ本格的な恋なんかもしたい年頃だった。でも、私にふさわしい相手ってどんな人なんだろうって悩んでた。もう女子アナになるって決めてたから、女子アナになった後に昔付き合ってたことがばれても、それなりの人と付き合ってたんだって言われる相手じゃないと駄目だって思ってた。そんな中、タカハシ君が告白してきた。タカハシ君は、法学部でトップの成績でイケメンで育ちも良くてスポーツも出来て、このままいけば優秀な弁護士になるだろうって言われてたし欠点は見あたらなかった。だから迷わずタカハシ君と付き合っても良かったんだけど、私はまだ自分がどのくらいの美人なのかわからなくて、答えを出せなかった。もしかしたら私は、タカハシ君と付き合うより、もっともっと美人なのかもしれなかった。有名な野球選手とか俳優とか、それとも大企業の社長さんなんかと付き合うくらいの美人かもしれなかった。答えを出せなくて困り果てた私はタカハシ君に正直に相談した。
「私は自分がどのくらいの美人か、わからないの。タカハシ君はどう思う? 私はタカハシ君と付き合うくらいの美人かな? それとも、もっと素敵な人と出会うのを待ったほうがいいくらいの美人なのかな?」
 タカハシ君は、ちょっと驚いた顔したけど、真面目に答えてくれた。
「リサちゃんは、僕と付き合うくらいの美人だよ」
 それから私はタカハシ君と付き合い、結婚し、今では三歳になる娘までいる。はっきりいって、幸せだ。あの時「僕にはもったいない美人だ」なんて言われなくて良かった。やっぱり、タカハシ君が言ったとおり、私はタカハシ君と付き合うくらいの美人だったんだと思う。だから私はこの人生に満足している。だけど、最近、新たな問題が発生した。それは、娘のサラのことだ。私の娘だから可愛くなることは想像していたけど、どうやらそれ以上だったみたいだ。サラを連れて歩くと、みんなが振り返り、その愛くるしい笑顔に、みんなが魅了されていく。私もずっと可愛がられてたけど、その愛されかたが私とは比べものにならなかった。このまま可愛くなっていくと、どうなってしまうんだろうって心配になった私はタカハシ君に聞いてみた。
「私は、タカハシ君と付き合うくらいの美人だったけど、リサはどうなると思う? やっぱりタカハシ君と付き合うくらいの美人になるのかな?」
 流石のタカハシ君もリサがどれだけ可愛くなるのかわからないらしく、頭を抱えながら「すくなくとも僕と付き合う以上の美人になるのは間違いない」なんて答えた。私はますます不安になった。私くらいの美人でもそれなりの宿命があったのに、この子はどのくらいのものを背負うんだろう。国民的アイドル? 国民的女優? 国民栄誉賞? それとも国の存亡に関わるくらい? これからどんどん可愛くなっていくだろうリサの寝顔を見つめながら、私はこの子の将来が恐ろしくて、つい、ぎゅっと抱きしめてしまう。本当に、美人って大変だ。


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このストーリーに関するコメント

15/07/20 つつい つつ

最後から7行目から最後まで娘の サラ と書くべきところが全部母親の リサ になってしまいました。
今回はカタカナの名前が似合うと思ったのですが注意力が無さすぎでした。
申し訳ないです。

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