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レイチェル・ハジェンズさん

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桃花の動物園ラプソディ

15/06/24 コンテスト(テーマ):第八十五回 時空モノガタリ文学賞 【 動物園 】 コメント:0件 レイチェル・ハジェンズ 閲覧数:1197

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「何で動物園ってさ、哺乳類しかいないんだろうねっ」
「あー……そうだね」
「おっかしいな〜」


 今日、桃花と行った近所の動物園は比較的規模の小さい動物園なのだが、確かに見て回った動物は哺乳類しかいなかった。
 ライオン、フラミンゴ、アルパカ、チンパンジー、……確かに哺乳類である。


 ……僕はおかしいことを言ったかもしれない。


 桃花は今日、蛇マフラーなるものをしていたのだ。蛇は卵を産むし、冬眠だってするし、脱皮もするはずである。蛇はれっきとした爬虫類だ。


 蛇マフラーをしたという、蛇嫌いからすれば衝撃的な記憶が抜け落ちたのかとも思ったが、桃花の首をかしげる様子が可愛くてその説は伏せておく。僕がふふ、と笑ったら彼女は何かを閃いたらしく、手をポンと叩いた。


「あっ! 分かった」
「なに?」
「この前、国語で動物の同類語と対義語っていうのをやったのね」
「動物の同類語……、あ、けもの?」
「そう。けものの対義語は、植物でしょ?」


 彼女は僕に理解できない、もっともらしい理由を付けて動物園に哺乳類しかいない理由を説明した。僕は隣で相槌を打ちながら、最寄りの駅まで歩いた。彼女の歩幅に合わせて歩く、というのはほのぼの出来て好きだ。


「だから、動物園には哺乳類しかいないってわけ!」
「昆虫もあさりも食べ物だし、身近にあったりするからって?」
「おん! だから展示しないの。私ってやっぱすごいな。学校で友達に言おう」
「絶対驚くね、その友達」


 自信満々に言った説明は僕にはやはり理解出来なかったらしい。胸元をぽんぽん、と自信あり気に叩く彼女はキラキラしていた。自画自賛する彼女は、何処までがギャグで何処までが真剣なんだろう。


 自転車に乗った小学生が前から1人やってきて、僕達は車道の方へ身を寄せた。歩道に上がる彼女と、下りた僕は身長さが頭いっこ分くらいあった。僕は精一杯背筋をピンと伸ばし、爪先立ちをして、やっとニコニコと笑う桃花と目を合わせた。


 そんな努力も露知らず、桃花は相変わらずの笑顔で喋り出す。大発見の余韻に浸っているのか、表情がイキイキしている。


 少し、仕返ししてやりたくなる。


「動物園、楽しかったね」
「……蛇マフラーが一番楽しかったんじゃない?」


 彼女は「あっ」の表情と口をした。俺からの論破に、声が出ない程の驚きがあったらしい。それから彼女は「確かにそうだね〜」と俺の肩をぽんぽんと叩いた。


 最寄りの駅に着くまでの間、動物園に哺乳類が多い理由について僕達は議論し続けるだろう。


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