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草愛やし美さん

時空文学コンテスト開催100回、おめでとうございます。思えば、初めて私が、こちらに投稿したのは2012年5月のこと、もう4年近く経ったのですね。時空モノガタリさまが、創作の場を与えてくださったお陰で楽しい時間を過ごすことができました。感謝の気持ちでいっぱいです。 また、拙い私の作品を読んでくださった方々に感謝しております。 やし美というのは本名です、母がつけてくれた名前、生まれた時にラジオから流れていた、島崎藤村作詞の「椰子の実」にちなんで……大好きな名前です。ツイッター:草藍やし美、https://twitter.com/cocosouai 

性別 女性
将来の夢 いっぱい食べて飲んでも痩せているっての、いいだろうなあ〜〜
座右の銘 今を生きる  

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女は呪われ豚になる。

15/05/03 コンテスト(テーマ):第八十一回 時空モノガタリ文学賞 【 三匹の子豚 】 コメント:4件 草愛やし美 閲覧数:2338

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 わけわかんない、今朝目覚めると部屋中に異様な臭いが漂っていたの。食べ物の腐敗臭、あたしは飛び起き辺りを見回した。何てことベッドの周りに残飯が散らばっている。誰がこんないたずらをしたの──いえ、これはいたずらなどというものじゃないわ。明らかに誰かの嫌がらせに違いない。あたしは吐き気を覚え慌てて洗面所に走った。鏡の中のあたしの顔を見て再びびっくりした。顔中何かこびりついている、特に口の周りや鼻にべっとりと黒っぽい物や赤色の物が絵の具を塗りたくったようにへばりついている。臭ってみるとどうやら赤いのはケチャップみたい、黒いのはソース? あたしどうなったの、怖くなって必死になって顔を洗ってすぐに部屋を飛び出した、だけど誰に相談すればいいのよ。警察? ダメよそれは自分がもし犯罪にかかわっていたらって思うとできない。あたしはスマホのラインチャットで仲良しの澪と加世に相談した。
『助けてみんな』
『どうしたの、舞?』
『部屋に残飯が散らばっていて、私の顔にソースみたいな物がついていたの。どうしよう、誰かから嫌がらせ受けたのかも』
『それってもしかしたら……、とにかく会おうよ舞』
 あたしは仲間三人と駅前のコンビニで落ち合ってから川原に行った。うかつなところでは話せないと友人の澪が言ったからだ。

「それって豚女症候じゃない!?」
「間違いないよ舞。私も聞いたことあるよ、豚女の噂、でもほんとだったの」
「昨夜は晴れていたから月が出ていたんじゃない」
「じゃあたしは昨夜、豚になったっていうの加世?」
「たぶん……。あんた昨夜、月見なかった?」
「見た! 確かにあたし見たわ」
「ああ、舞……」
「昨夜は真夜中に創作を考えていたけど、いいアイデアが出なくて、気分転換にベランダに出たの、その時空を仰いで月を見たの、えー、どうしよう、あたしそんとき豚になったっていうの、ヤダそんなの! 第一、何であたしが豚女にならなきゃいけないのよ」
「舞、落ち着いて。大丈夫よ、豚女は狼男みたいに人を襲ったりしないから怖くないからね。単に豚だから餌を求めゴミを漁るだけだそうだよ、次第に体重が増え糖尿になる可能性はあるそうだけど……」
「他人のことだと思って簡単に言わないで、あたしの身にもなってよ。二度と月を見られないっていうの、月を見たとたんブヒブヒって残飯漁るなんて、しかも自分で気づかないで朝目覚めたら、部屋中残飯だらけで顔中ソースがへばりついているなんて信じられない。嫌よ、豚なのよ、豚になんか絶対なりたくないわ。あたしがどんなに苦労してダイエットしていると思っているの。知らない間に毎夜、残飯漁って、何というおぞましさ、しかも容姿が豚なのよ、どうしよう、助けて、何とか治す方法はないの?」
「ネットで調べたけど原因不明だって、徐々に体重が増えていき、そのうち糖尿になるらしい。わかっていることは月を見れば変身することくらいだって……」
「舞、昨夜のことで何か思い当たることないの?」
「もしかして? あたしね、昨夜、時節物語って創作サイトの投稿を考えていたんだ。テーマが、三匹の子豚っていうのでネットでその話を読んだの」
「それだ! 豚の話だから豚女に関係しているに違いないわ」
「三匹の子豚といえば、最後に狼が湯がグラグラ沸いている大鍋に落ちて死ぬって話だったっけ」
「あたし、狼は死んで当然だって思ったの」
「もしかして超常現象だから、霊の仕業とかじゃない?」
「私、母さんの知り合いに青森でイタコしている人がいるから、その人に聞いてみようよ」
「澪、お願いあたし何でもやる」

 三人で澪の家に行きPCでイタコと空電話ネットでコンタクトした。イタコが出てあたしを見るなり項垂れたとたん濁声で話し出した。。
{わしは三匹の子豚にやられた狼じゃ、お前はわしを嘲笑しただろう。だから呪いをかけてやったんだ。今に全ての女を豚に変え太らせて食ってやるから覚えておけ。うう、さっきから何か変だぞ。く・苦しい、そこに煉瓦があるのか? やめてくれー、煉瓦を俺に向けるな!}
「もしかして狼の弱点は煉瓦?」
 澪のリビングには大きな煉瓦の暖炉がある。すぐに空電話ネットの画面を煉瓦の方に向けた。すると、イタコは酷く苦しみ出し、やがて正気に返り、霊が去ったと話した。
「豚女症候の特効薬は煉瓦だったのよ、煉瓦を見せれば三匹の子豚のことを思い出し狼の怨念が消えるのよ」
 
──ってことで、あたしは狼の呪いを知って貰おうとこの話を投稿することにしたの。あんた、あたしの話を信じてないでしょう。そういう人が今度は呪われるかもだよ。朝起きたらあんたの部屋に残飯が散らばっていたら要注意、わかった! 次も煉瓦が効果発揮するかどうかわからないんだからね。決して童話を馬鹿にしないこと。ほんと、あたし酷い目にあったんだから。


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このストーリーに関するコメント

15/05/07 そらの珊瑚

草藍さん、拝読しました。

実際に、夢遊病みたいに、夜中に食べてしまうという病気は存在していて、
朝起きたらたべた記憶はないのに、部屋に食べた形跡だけがあるらしいですね。
もしかしたら、狼の呪いだったりして?!

15/05/09 泡沫恋歌

草藍 様、拝読しました。

私も最近、豚女症候のせいか、体重が増えて困ってます。
もしかしたら、夜中にこっそりおやつを食べてるのかも知れない。

ヤバイ((o(;□;`)o))ヤバイ 

15/05/11 鮎風 遊

確かに、童話を馬鹿にしたらダメですね。
呪われるかな。

さて、この話しで、千と千尋の神隠しを思い出しました。
確か、父母が豚になって、屋台で食べ物に食らいついてたのを。
舞にそんな状況が起こったのですね。

豚女症候、あるかも。

15/05/13 滝沢朱音

あはは! やっぱり草藍さんのお話、すごいなあ。
「夜中に創作を考えていたけど、いいアイデアが出なくて」って…私も豚女かも!
そういえばけさ、残飯が散らばってたような((((;゚Д゚))))
ザ・草藍ワールド、あいかわらず最高です☆

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