泥舟さん

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12/03/14 コンテスト(テーマ):第一回 時空モノガタリ文学賞【 新宿 】 コメント:0件 泥舟 閲覧数:2293

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 たまたま、国会議事堂の近くの喫茶店で与野党でも少しは有名な議員二人が一緒にくつろいでいた。有名だけど、あまり人望がないせいか、仲間のいないもの同志連れになった感じで、辛気臭い雰囲気はない。
「ねぇ、海ちゃん。」
「なに、石ちゃん。」
「そろそろ、なんか、解散が近そうなんだけど、本当のところどうなんだい?おたくのどじょうだか、どびんだかは、なんて言ってるの?」
「分っかんないんだよね。あんたんとの大将とこそこそやってるってTVのニュースで見たけど、俺んとこには、何も連絡ないし。」
「あー、面倒くせえなぁ。
 海ちゃんも今度は大変だよね。もっと目立たないと、また、比例で拾われるような、カッコ悪いことなっちゃうよね。」
 海ちゃんは、東京1区で小選挙区から選出された代議士だ。東京1区は新宿区を含む大都市部を含み、日本の首都機能や東京都庁を抱える日本の中心部といっても過言ではない。
 一方の石ちゃんは、同じ1区でも鳥取県の方だ。県全体では1区と2区しかないごくごくローカルな地方選出議員である。
「何言ってんの、なんたって、俺はついこの間まで大臣で、総理大臣に立候補したぐらいの重鎮よ。そんな重鎮を落とすわけないじゃない。」
「いや〜、海ちゃんとこって、すんごい都会だから、重鎮だからってそれほ強烈などひいき筋がいるとは思えないなぁ。それに、総理大臣に立候補したって、それを覚えてる人ってもう誰もいないんじゃない。東京1区ったって、所詮田舎モノの集まりのようなもんだからさ、結構、ドライだと思うよ。」
「ん〜、そうかも。
 それに比べて、石ちゃんとこは全然大丈夫だね。選挙区が田舎も田舎で、選挙区全員知り合いみたいなもんだもんね。しかも、有権者の数が少ないから、俺の半分集めればいいんだから、楽だよね。」
確かに、鳥取1区は有権者数が25万7千ぐらいで、東京1区の47万5千に比べると、約半分だ。この二つだけとっても、1票の格差1.85倍。
「あ〜、馬鹿にしたな!?
 俺の選挙区って、そこそこ広いんだぜ。おたくのとこなんて、たかが50平方キロだけど、4〜5倍はあるんだぜ。鳥取の1、2区合せた全県だと、おたくんとこの約12倍だ!選挙で地元回るのに、どれだけガソリンを喰うか、たまったものじゃない。おたくが歩いても1日で選挙区全部を回れるのと比べて大違いだ。それなのに、2人しか当選しないなんて、不公平だよなぁ。」
「・・・」
「そうそう、だから俺は、常々思ってたんだけど、1票の格差なんて問題になってるけど、それに、選挙区の面積も考慮したら良いと思うんだよ。」
「?」
「つまりな、俺んとこは鳥取全県で有権者48万で、単純な有権者比で言うと、東京1区が1人なら、鳥取全県で1人になっちまうわな。だけどだ、面積600平方キロあるんだ。おたくんとこは、有権者はほぼ同じで、面積50平方キロだろ。
 例えばだ、1平方キロ当り有権者1000人と換算するとだ、600平方キロで60万で合計108万になるわな。
 おたくんとこは、50平方キロだから5万で足して52万だ。ほら、ちょうど半分だろ。ということは、東京1区が1人で、鳥取2人はばっちりじゃないか!どうだこれ?」
「そんな、二足三文の地べたが有権者と言われてもなぁ。だって、砂漠と火山だろう。金ばっかかかって何にも国に貢献してないじゃないか。」
「やっぱり、税金につながらんとだめかなぁ。
 じゃあ、投票率で換算しようぜ。
 おたくんとこの投票率は東京全体で約55%、鳥取県は、なんと66%も行くんだぜ。」
「田舎だからなぁ。暇人が多いんだろ。」
「うるせい、黙って聞け!
 有権者が、東京1区が47万5千の内、実際に投票する人数は、55%の約26万人だ。鳥取1区は、25万7千の66%だから、約17万になる。1票の格差1.53倍!どうだ、これで定数削減とか変なこと言わせないぞ。」
「いや、別に俺は何も言ってないんだけど。」
「そうだけど、当分猶予ができるじゃないか!」
(・・・なんの?)


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