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三条杏樹さん

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僕がいた。

15/04/08 コンテスト(テーマ):第五十三回 【自由投稿スペース】 コメント:0件 三条杏樹 閲覧数:1331

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頭のいい弟。
運動のできる兄。

僕はその真ん中で、いつも兄弟たちと比べられていた。
これといって得意なこともなく、運動も勉強も並。当然、両親は出来のいい子供をよく褒めた。

お母さんは綺麗。
お父さんは会社で偉い。

「なんでお前は普通なの?」

兄からそう言われたとき、首をかしげた。

「普通はだめなの?」
「能力のある奴が勝ち残るんだぞ。お前のこと心配して言ってるんだからな」

兄はサッカーの強豪校で、全国大会まで行った。弟は、進学校に進んだ。
僕は、普通の県立高校。

「人と話すのも苦手で、無口でしょう。心配だわ」

お母さんはよく僕のことを心配した。お父さんは、他の兄弟のことは可愛がるけど僕とはあまり口を聞かない。多分、話題もないんだと思う。


「将来、目立って自分の強みを堂々あけっぴろげに言えなきゃいけない時が来るよ?そんとき兄ちゃんはどうすんの?」

弟はたくさん本を読む。僕をちらとも見ず聞いてきた。

「自己主張ばっかりじゃ世の中成り立たないだろ」
「屁理屈を聞いてるんじゃないんだけどなあ」

兄の言うことも、弟の言うことも分かっているんだ。なんの取り柄もない僕が、世の中で活躍できるとも思わない。
そもそも、目立ちたい気持ちなんてない。

「普通はだめか」

普通に生きてちゃだめか。大きな声で自分の強みを言えて、弱みを克服して、人とは違う素晴らしい体験をする。自分の能力を把握してそれを必ず生かす。

それを、みんなが、する。

僕は、僕なのに。

「自分の強み、ネットに書いてるかな?」



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