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海見みみみさん

はじめまして。 時空モノガタリで修行させていただいています。 焼き肉が大好物。

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秘密のプレゼント

15/03/23 コンテスト(テーマ):第八十回 時空モノガタリ文学賞 【 テーブルの上 】 コメント:4件 海見みみみ 閲覧数:1470

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 自分の部屋にある机。その上の引き出しを整理していたら、エロ本の切り抜きが出てきた。それも無修正のものだ。
 一体どうしてこんなものが。頭の中を整理してみると、ふと懐かしい記憶を思い出した。

 あれはまだ僕が小学四年生だった頃の事。当時僕は近所に住む中学生のお姉さんとよく遊んでいた。家が近所だった事もあり、放課後はよくお姉さんの部屋に通ったものだ。
 幼心にお姉さんと同じ部屋にいるとドキドキと心臓が脈打った。お姉さんからは中学生ながら大人の雰囲気が漂っていたのを覚えている。だから僕はいつも少しだけ緊張しながらお姉さんと遊んでいた。

 その日も僕はお姉さんの家に遊びに行った。今日はゲームをするのかな。それとも一緒に映画を見るのかも。何をするのか想像しながらお姉さんの家の呼び鈴を押す。
「あら、いらっしゃい」
 すると制服姿のお姉さんが出迎えてくれた。その姿に一瞬ドキリとする。
「今日は家族もいないの。さあ、入って」
 お姉さんに言われるまま家の中に入って行く。僕はいつも以上に緊張しながらお姉さんの部屋に入り、座布団に腰掛けた。
 すると早速お姉さんがお茶を持ってきてくれる。それをちびちび飲んでいると、お姉さんが唐突にこう尋ねてきた。
「ねぇ、佐倉くんはエッチなものに興味、ある?」
 その一言に思わずお茶を吹き出しそうになる。するとお姉さんはイタズラっぽく笑ってみせた。
「やっぱり佐倉くんでも興味あるんだ。それじゃあいい物見せてあげようか」
 そう言ってお姉さんは机の上の引き出しから一冊の本を取り出した。それがいわゆるエロ本だと言われているものだと気づいた時、僕の心臓は一気に脈打った。
「ほら、一緒に見よう?」
 お姉さんはエロ本をテーブルの上に置くと、自身の膝の上に僕を乗せ一緒に読み始める。本の中身はもちろんエッチな内容で、女性の裸が無修正でたくさん載っていた。
「女性の体ってこうなっているんだよ。それで、男の子とこうなっちゃうの」
 そう口にしてお姉さんが指差したページでは、裸の男女が何やら組み合っていた。もちろん当時の僕にその意味がわかるはずもない。
「す、凄いね」
 思わず言葉を噛みながらそうつぶやく。するとお姉さんはいつも以上に大人な表情を浮かべて僕にこう言った。
「それじゃあこの本、あげようか」
「そんな、悪いよ。それに本が見つかったらお母さんに叱られちゃう」
「それだったら」
 するとお姉さんはエロ本の中から適当なページを選ぶとそこをハサミで切り取り始めた。切り抜かれた女性の裸。それを僕に渡してくる。
「これだけならバレないでしょう? 他の人には絶対秘密だよ」
 僕は切り抜きを受け取ると、必死に首を縦に動かし頷いた。

 その日はそれで解散となり、僕は自宅へと帰った。自室に入り一番にした事。それが机の上の引き出しにエロ本の切り抜きをしまうことだった。お姉さんから渡された秘密のプレゼント。僕はそれを大事にしようと胸に誓った。

 なんて事が幼い日の僕にあったのだ。なんとも懐かしい甘酸っぱい思い出。そしてエロ本の切り抜きは大事に保管され、今こうして陽の目を見たというわけだ。
 今から思えば、あの時お姉さんは幼い僕を誘惑しようとしていたのではないだろうか。お姉さんもまた思春期。そういう事に興味があったのだろう。
 だがそれも過去の思い出だ。真意は本人にしかわからない。
 だから僕は本人に真意を確かめる事にした。僕の部屋で一緒にくつろいでいた彼女に声をかける。
「これ渡してきた時、僕の事を誘惑していたでしょう?」
「わっ、懐かしいね、これ」
「それで実際のところどうなのさ」
「それは内緒……かな」

 僕の彼女こと、近所のお姉さんはそう言ってイタズラな笑みを浮かべた。


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このストーリーに関するコメント

15/03/23 松山椋

海見みみみさま。拝読させていただきました。

書き出しから「おっ!きたきた!」とニヤニヤしながら読み進めさせていただきました。別の方のコメントにも書きましたが、人は「行って、戻って」きます。短編小説の構造としてとても理にかなった原理です。さすがだなあ、と最後まで読ませていただいてしみじみ思いました。
いいもの読ませていただきました。ありがとうございます!

15/03/23 海見みみみ

松山寧々さま>
ご覧頂きありがとうございます。
ニヤニヤしながらご覧いただけたとの事で、狙いが当たり嬉しく思います。
寧々さんの仰っている事は「行きて帰りし物語」という話ですね。
物語の基本として私も聞いた事があります。
それを自然と実践できていたことを寧々さんにご指摘いただき、驚きと共に嬉しい気持ちでいっぱいです。
こちらこそ感想まで書いていただき、本当にありがとうございました!

15/03/26 よたか

みみみさん 悔しいけど面白かったです。
この設定に反応するのはちょっとイケナイ気もしますが、やっぱりドキドキしてしまいます。
もう40年も前の小学生の頃を思い出してしまいました。
ところで『今』の年齢は何歳の設定なのでしょうか?

15/03/26 海見みみみ

よたか様>
ご覧いただきありがとうございます。
よたかさんに面白いと言っていただけて大変光栄です。
このイケない設定にはついドキドキしちゃいますよね笑
今の年齢ですが、主人公が未だ実家暮らしで、お姉さんが奥さんではなく『彼女』というところから推測していただければと思います。

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