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長谷さん

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割合の話

15/03/10 コンテスト(テーマ):第七十八回 時空モノガタリ文学賞 【 嫉妬 】 コメント:1件 長谷 閲覧数:1226

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 最近、不満に感じている事が、一つ私にはある。
 それは、アイツの事だ。何と言うか、アイツは最近調子に乗っている様な気がする。本来、私の方も少しは尊重されるべきなのに、無視していると言うか、気にも掛けていないと言うか、どうも気に入らない状況になっている。多分これは、嫉妬している状況、とも言えるかも知れない。何時も『彼』に使われている、アイツに。
 だから、私はちょっとアイツと話し合う事にした。この状況を改善しないと、嫌になる。
「あのさあ、そりゃあんたの方が彼にとって必要と言うか、優先されているのは解るよ。でもさ、こっちを無視しているのは気分が悪いね。私もちゃんと此処に居るんだよ。もうちょっと、こっちの事も考えてよ」
「ふうん……。でもさ、それはあたし一人の問題じゃないと思うんだけどな。気持ちは解るんだけど、解決しようと思ったら、何と言うか、もっと偉い所に申請して説得して、そうしてやっと認められる問題の様な気がするんだけど」
 偉い所。と聴いて、私はハッとする。そうか、その手があった。
「なるほど。それもそうだねえ。……じゃあさ、今度一緒に申請しに行かない? もしかしたら、私の方も少し使える様になるかも」
「まあ、別に良いけど。でもさ、両方とも使える様になる事なんて、まず無いと思うよ。難しい事だと思う」
「うーん、まあ大丈夫だよ。うん」

 その後、偉い所に申請した私は何とか認められ、彼が使ってくれる様になった。今まで殆ど関わらせて貰えなかった事も参加出来る様になり、アイツと殆ど同じぐらい、彼と共に色々な事を行う事が出来る様にもなり、非常に良い気分になっている。
 しかし、聴く所によると普通の人間はこうならないらしい。基本的に優先されるのは、どちらか片方になる事が多い様なのだ。
 私的には、利き手は左右どちらかになる事など無く、両方平等に使わせて貰った方が良いと思う。左右のどちらかだと、利き手じゃない方の手は、主人に使われていない事を気にして、利き手を少し嫉妬してしまう様な気がするのだ。

 ちょうど、私の様に。


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このストーリーに関するコメント

15/03/10 海見みみみ

長谷さん、拝読させていただきました。
一体どんなオチが待っているのだろう。
そんなことを考えながら楽しく読むことのできたショートショートでした。
確かに両利きの人ってあまり見かけないですしね。
使われない手が嫉妬する気持ちもわかります。

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