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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

性別 女性
将来の夢 自分の書いた童話を孫に読んで聞かせたいです。
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中学時代の通学路

15/03/10 コンテスト(テーマ):第七十九回時空モノガタリ文学賞 【 通学路 】 コメント:6件 こぐまじゅんこ 閲覧数:1471

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 私は、お見合いで、家から車で二十分のところに嫁にきた。
 だから、実家には、しょっちゅう帰れる。私は、ペーパードライバーなので、スクーターに乗って帰る。そして、その帰り道は、私の中学生の頃、通っていた通学路なのだ。

 あぁ、あの本屋さん。まだあるのねぇ。
 学校の近くだったから、帰りに、よく立ち寄ったなぁ。あの本屋さん、小さくてせまかったけど、妙に居心地がよくて、私は、新川和江さんの詩集を買ったり、星新一さんの小説のとりこになったり、赤川次郎さんも読んだなぁ・・・などと、いつもなつかしく思い出す。
 テニス部だった私は、夕暮れ、へとへとになって、歩いて帰る。帰るのが、いやになっても、だれも迎えには来てくれない。しかたなく、重い足をひきずって帰った道。

 もう、あれから三十年以上もたつんだ。

 パン屋さんだったあのお店は、今では、洋食屋さんになっている。
 土曜日、テニス部に行くときは、お弁当がわりに、あそこのパン屋さんで、コロッケサンドを買って行ってたなぁ・・・。
 一年生の時は、練習の厳しさと、先輩のしごきに耐えるのに必死で、ちっとも味わってられなかったけど、たぶんおいしかったんだと思う。
  
 今は、洋食屋さんかぁ、いっぺん行ってみたいなぁ。

 そうそう、この信号。
 急にふりだした、どしゃぶりの雨の中、びしょぬれで立っていたら、近所のおばちゃんが、カサをかしてくれたっけなぁ。なんか、うれしかったなぁ・・・。心が、ポッとあったかくなった。

 三十年前の思い出をつなぐ通学路。
 今、歩いて通るには、ちょっと長い気がする距離。

 それを、中学三年間、雨の日も、風の強い日も、休まず毎日毎日、歩いて通った。
  
 あの日々が、私の基礎を作ってくれていると信じている。

 そして、今、スクーターで、その道を走っている私は、しあわせ者だと思うのである。


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このストーリーに関するコメント

15/03/10 海見みみみ

こぐまじゅんこさん、拝読させていただきました。
通学路というテーマにふさわしい作品ですね。
中学時代の思い出を三十年後の私が振り返る。
その思い出はどれも心温まるものばかりですね。
とてもよい作品だと思いました。

15/03/10 泡沫恋歌

こぐまじゅんこ 様、拝読しました。

私も中学の頃は40分くらい歩いて学校に通いました。
今だったら、毎日、あの距離には耐えられないと思う。

だんだん、歩くのが億劫になってきた。
私はもっぱら自転車です。

15/03/11 こぐまじゅんこ

海見みみみさま。

コメントありがとうございます。
テーマにふさわしい作品といっていただき、うれしかったです。

15/03/11 こぐまじゅんこ

泡沫恋歌さま。

コメントありがとうございます。
よくあの距離を、毎日歩いていたなぁ・・・と思います。
私も、歩くの億劫です。

15/04/07 光石七

拝読しました。
私もたまに小・中学校時代の通学路を通りますが、当時の思い出とともに「よく毎日通ってたなあ……」という思いが湧きますね。
ラストの一文に思わず頬が緩みました。
ほんわかするエッセイをありがとうございます。

15/04/08 こぐまじゅんこ

光石七さま。

コメントありがとうございます。
もう今、学校に通えって言われたら、むりだと思います。
子どものときって、けっこうがんばれますね。

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