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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

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歴史のべんきょう

15/01/26 コンテスト(テーマ):第七十六回 時空モノガタリ文学賞 【 戦国武将 】 コメント:2件 こぐまじゅんこ 閲覧数:1239

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 どういうわけか、ぼくは歴史の勉強が嫌いだった。昔の人が何をしたかなんて勉強して、何の意味があるんだろう。ぼくは、今、この時代を生きるだけで必死なんだ。

 ぼくは、黒川光秀。五年生だ。
 歴史の嫌いなぼくに、どうしてこんな名前をつけるのか、本当に親をうらむ。
 社会の時間に、明智光秀がでてくるたびに、クラスメートがくすくす笑うんだもの。

 そのうえ、歴史の嫌いなぼくは、織田信長も明智光秀も、ちっとも頭にはいってこない。先生が、本能寺の変のことを、いっしょうけんめい、つばをとばしながら熱く語っているけれど、なんのことやら・・・という感じなのだ。

 そんなとき、クラスメートの歴史好きの女子(いわゆる歴女ってやつ)、さわこが、ぼくに声をかけてきた。
「黒田君って、光秀っていう素敵な名前をつけてもらっていいなぁ・・・。私、明智光秀って、すごくかっこいいと思うの。黒田君は、どう思う?」

「・・・。」

 ぼくは、何も答えられなかった。
「ぼく、歴史、嫌いなんだ。意味ないと思うんだよ。今を大切に生きろって、大人はよく言うくせに、なんで、昔のことを勉強するのか、わけわかんないよ。」

 さわこは、大人っぽい目をして、
「それはね、今を知るためには、昔を知ることが大切だからだよ。人と人との命をかけた駆け引きとかみてると、現代の人間関係にも役立つことがあると思うよ。そうだ、黒田君、マンガの歴史の本をみたらどう? おもしろくなると思うんだけど・・・。」

 ぼくは、
「そんなばかな。」
と、わらいとばした。
 でも、こっそり、図書室でマンガの歴史の本をさがしてみた。
 あった!
 借りて読んでみる。
 うん、なるほど、おもしろい。

 マンガを読んでみると、明智光秀が、なぜ信長を殺したのか、いろんな説があって、今はまだ謎に包まれているということが、わかった。

 ぼくは、この謎を解いてみたいと思った。もっと、歴史の勉強をして、いつか光秀の本当の気持ちをわかりたい。
 光秀の気持ちがわかったとき、ぼくも、本物の黒田光秀になれるような気がするんだ。

 図書館で、歴史のマンガを読んでいると、バッタリ、さわこに会った。
「ぼく、さわこが言ったとおり、歴史、好きになりそうだよ。」

 本をもちあげて、さわこにみせる。

 さわこは、クスッと笑って、
「やっぱりね。」
と言うと、ピースサインをした。


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このストーリーに関するコメント

15/02/15 村咲アリミエ

こんにちは。
心温まる物語に、幸せな気持ちになりました。
どうして勉強しなきゃならないの、というのは
学生の誰もが抱くであろう謎で、歴史を学ぶ意味なんて
あるのかな、というのも、きっといろんな人が考えていますよね。
その学問が好きな人は、その意味を自分なりに探していて、
その魅力に気がついてもらえないと悔しかったり……
難しい問いに、こどもたちだけという人物構成で、柔らかく答えた
素敵な作品だと思いました。大人が教えていたらきっと光秀君は
漫画に手を伸ばすことなんてなかったのだろうなあと思いました。
うまく言えないのですが、とても好きなテーマで、とても好きなラストでした!

15/02/15 こぐまじゅんこ

村咲アリミエさま。

コメント、ありがとうございます。
うれしくって、感激しました!
丁寧なご感想、ほんとうに、ありがとうございました。

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