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光石七さん

光石七(みついしなな)です。 子供の頃から空想(妄想?)が好きでした。 2013年から文章化を始めました。 自分では気付かないことも多いので、ダメ出しを頂けるとありがたいです。

性別 女性
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光石七の自己満足的隣室奇譚

15/01/12 コンテスト(テーマ):第七十三回 時空モノガタリ文学賞【 隣室 】 コメント:14件 光石七 閲覧数:1789

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 どうも、光石七です。テーマが「隣人」ということで、初めて一人暮らしをしたアパートでの体験をお話しします。
 今から十ウン年前、入試直後に雪道で滑って転ぶという不吉な出来事を乗り越え、私は大学に合格しました。私の故郷、滅多に雪降らないんですよね。ちらっと降っただけで大はしゃぎ、積もれば一大イベントで。あの時は試験が終わった解放感もあって余計に雪に浮かれて……って、これ関係ないか。
 で、部屋探しをしまして。学生と社会人が半々という、3階建ての横長のアパートの203号室に決めました。
 引越したら両隣と上下の部屋の人に挨拶すること、そう親に教わりまして。今は女性の一人暮らしだとわかると危ないので引越しの挨拶はしないとか。でも、当時の私は親の言うとおり一人で挨拶に行ったんです。ああ、純粋だったなあ、若かったなあ……。
 あ、ここからが本題ですよ。左隣の202号室の方には昼間お会いした時に挨拶しました。夕方、他を回ろうとまず右隣へ。204号室、表札には『レイザーストーン』――。その表札を見たのはその時が初めてで。階段上って自分の部屋までに前を通るのは201号室と202号室だけだったので。レイザーストーンって……外人さん? 外国の人と接する機会なんてほとんど無かった私、心臓バクバクですよ。でも、勇気を出してピンポンしました。「はーい」とドアを開けて出てきたのは……スウェットに半纏姿の30代らしき女性。黒髪のショートカットで、顔立ちはどう見ても日本人。面食らいながらも、私、挨拶しました。
「あの、203号室に越してきた原(仮名)です」
「どうも。ナーナ・レイザーストーンです」
流暢な日本語、見た目も日本人。でも名前が……。
「学生さん?」
戸惑ってたら向こうが聞いてきました。「はい」と答えたら、「そっかあ。ボクは妄想家なんだ」って。……ボク? モウソウカ? 私、頭が混乱して。
「だから、ボクのことは“レイザーストーン先生”って呼んでね。“ナーナさん”でもいいよ」
何も言えずにいたら「ニャー」と奥から黒猫が。ナーナさんにすり寄って鳴き続けます。
「ちー様、お腹空いたの?」
ナーナさんは黒猫を抱き上げました。可愛い猫に一瞬見惚れたけど、ふと気付いた。
「あの、ここペット禁止じゃ……」
「ちー様はペットじゃなくて家族だもん。ボクの姉なの」
「……は?」
家族というのはわかるけど、姉って……。
「ちー様、ごはんだねー。あ、原ちゃんも上がってよー」
ナーナさん、片手で猫を抱き直して、もう片方の手で私の腕を掴んで。なんか抵抗できず、仕方なくお邪魔しました。
 上がって、と言った割に部屋は散らかってて。色々退かして座ることに。こたつの上には当時はまだ高価だったノートパソコンがありました。
「ボク、自分の妄想を文章にしてウェブに投稿してるんだ」
猫のエサを用意しながらナーナさんが言いました。パソコンなんて間近で見たことすら無かった私は、“ウェブ”の意味が分からないまま頷きました。
 猫がエサを食べ始めると、ナーナさんは炊飯器を開けました。
「これあげる」
取り出したのは四つ折りの紙。……なんでそんなところに? そう思いながらも受け取りました。広げてみたら『四十ニシテ惑ハズ』という文字が。……論語? あ、小説だ。
「後で読んでみて。これは現代日本が舞台だけど、昔のヨーロッパ風の架空の国も妄想し甲斐があるよね」
ふうん。私も物語を空想するの好きだけど……って、あれ? ナーナさんってどこの国の人?
「ボクは生粋の薩摩オゴジョやっど」
……同郷? でも“ナーナ・レイザーストーン”って……。
「それは今度、ね。――また会おうね」
いきなりサヨナラいわれて、目の前がどんどんぼやけていって。……気が付いたら、205号室の前に立ってました。左隣は203号室、私の部屋です。――このアパート、“4”が付く部屋は存在しなかったんですよ。だけど、私の手には四つ折りの紙が。中は……白紙でした。
 実は、この事ずっと忘れてたんです。思い出したのはこのサイトに登録して少し経った頃。テーマ「迷う人」で、本文は書けたけどタイトルが決まらない。何度も読み返して考えて。ふっと孔子の言葉が浮かんでそれにしたんですけど、プリントアウトした時……はっとしたんです。このタイトル……。
 考えてみればペンネームも不思議で。由来は“石も磨けば光る”にラッキーセブンなんですけど、石って英語でストーンですよね? “レイザー”と来れば光線、七を伸ばして発音すれば……。
 私、片付け下手だし、基本楽な格好ですし。黒猫拾って飼ってますしね。ナーナさんは未来の私だったのかなあ、なんて。まあ、あそこまで変人じゃないつもりですけどね。

※この話はフィクションです。実在の人物、ぬこ様等とはほとんど関係ありません。


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このストーリーに関するコメント

15/01/12 光石七

すみません、一カ所訂正です。

 一行目の「隣人」 → 隣室

テーマを打ち間違えるとは…… 申し訳ありませんm(_ _)m 

15/01/12 石蕗亮

光石七さん
拝読しました。
ノンフィクションだと思っていたら、最後にカクっときました。
本当にフィクションですか?
私は不思議体験が多いので、あ〜、あるかも、って読んでました。
会話調の文体がとても自然で読みやすかったです。

15/01/12 泡沫恋歌

光石七 様、拝読しました。

204号室の人って、もしかしたら未来の光石七かも?
いろいろ想像を掻き立てられて楽しいお話でした。

猫のちー様は、七さんのお姉さんだったのか(  ̄д ̄;)ノ エー!?

15/01/13 光石七

今回は(今回だけではありませんが、いつも以上に)推敲も投稿前のチェックも不十分でした。
言葉や表現がおかしい箇所があったり、記号の使い方や変換の仕方に統一性が無かったり、お恥ずかしい限りです。
余裕を持って書き上げたいと思ってはいるのですが、ギリギリになることが多いのはなんでだろう……
未熟な私ですが、読んでくださる皆様に心から感謝申し上げます。

>石蕗亮さん
コメントありがとうございます。
カクッときていただけて、ほっとしました。
実際に住んでいたのは学生マンションの201号室です。入試後に雪で滑ったこと、ペンネームの由来、ラストのプライベート的な描写などは事実です。……すみません、こんなお答えの仕方で。
推敲不足もいいところなのですが、読みやすかったとのお言葉に救われます。

>泡沫恋歌さん
コメントありがとうございます。
本当は“ちー様は姉”の真実(といっても非常にくだらない)も入れたかったのですが、2000字に収めるには……。猫の本来の呼び方は“ちーちゃん”なのに、字数を少しでも削ろうと変えちゃったくらいですから。
204号室の人の名前をググってみたら、そこらへんも含めたくだらない情報のヒントがあるかもしれません。ただし、「時間が余って余ってドブに捨てたいわー」という時に調べたほうがよろしいかと。
楽しんでいただけたようで、うれしいです。

15/01/14 滝沢朱音

わっごめんなさい! 私、一部ネタかぶっちゃいましたっ(^m^;)(部屋番号)

私も今回、焦りながらいざ投稿したらエラーになって、ギャーっとリロードとかアタフタした結果、
連続投稿になって事務局の方に削除をお願いしたりと、ホント散々でした〜
余裕を持って書きたいんですが、難しいですね。

ナーナ・レイザーストーン…! なるほど。面白かったです。

15/01/15 光石七

>朱音さん
コメントありがとうございます。
謝ることはないですよ。盗作というわけではありませんし、拝読しましたが私のとは全然違う素敵なお話でした。
本当にねえ、余裕を持って書きたいですよねえ。
レイザーストーンを時空モノガタリに登場させることは私の密かな野望(?)でした。
面白かったとのお言葉、嬉しいです。

15/01/15 夏日 純希

ノンフィクションかと思いきや、自然とフィクションへと流れる展開が見事でした。
ライトストーンじゃなくて、レイザーストーンなんですね。
してやられましたー。

15/01/15 草愛やし美

光石七さん、拝読しました。

えっ、実話だとばかり思って読み進みましたよ。最後のお断りの※の一文で、そうだったのかと笑いましたよ、ナーナ・レイザーストーンさん。でも今でも実話じゃないのかと疑っている私です。苦笑
なになに、どうなるのとテンポがあって、興味持てる内容で面白かったです。

15/01/15 光石七

>夏日 純希さん
コメントありがとうございます。
2000字に収めるためにあちこち削りましたが、最後のフレーズだけは譲れませんでした(笑)
レイザーストーンという名前を思いついたのは一年半ほど前でしょうか。ライトストーンでもよかったんですけど、“軽い石”とも取れるかなあ、と。
やられたとのお言葉を頂けて、心の中でガッツポーズしました(笑)

>草藍さん
コメントありがとうございます。
ラストのフレーズのとおりですよ(笑)。フィクション、実在の人物等とは「一切」ではなく「ほとんど」関係ないのです。
ナーナ・レイザーストーンの名前を胸に刻んでいただけましたか。
笑っていただけて、楽しんでいただけて、何よりの喜びです。

>志水孝敏さん
ありがとうございます。
不思議話(こんな言葉があるのか疑問ですが)としてもコメディとしても中途半端ですが、気楽に読んでいただければうれしいです。
楽しんでいただけてよかったです。

15/01/16 黒糖ロール

いろんな要素が散りばめられていて、さくさく楽しく読めました。
ナーナさん、エジプトの方かと思ってました(笑)

15/01/16 光石七

>黒糖ロールさん
コメントありがとうございます。
楽しんでいただけましたか。よかったです。
エジプト…… ナーナ・レイザーストーンも予想外の反応です(笑)

15/01/24 そらの珊瑚

光石七さん、拝読しました。

ノンフィクション的な切り口や、読者に語りかけるかんじが新鮮で良かったです。
名前のからくりもなるほど〜って思いました。
面白かったです♪

15/01/25 光石七

>そらの珊瑚さん
コメントありがとうございます。
当初は光石自身が登場するつもりはなかったのですが…… 何故かこうなりました(苦笑)
楽しんでいただけたのなら、何よりです。

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