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夏日 純希さん

名前は「なつのひ じゅんき」と読みます。誰かに届くなら、それはとても嬉しいことだから、何かを書こうと思います。 イメージ画像は豆 千代様に描いていただきました(私自身より数億倍、さわやかで、かっこよく仕上げていただきました。感謝感激) Twitter(https://twitter.com/NatsunohiJunki) 豆 千代様 HP:MAME CAGE(http://mamechiyo555.tumblr.com/?pagill )

性別 男性
将来の夢 みんなが好きなことをできる優しい世界を作ること。 でもまずは、自分の周りの人を幸せにすること。
座右の銘 良くも悪くも、世界は僕に興味がない。(人の目を気にし過ぎてるなってときに唱えると、一歩踏み出せる不思議な言葉)

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洞窟を出れば、そこは不条理だった

14/12/01 コンテスト(テーマ):第七十一回 時空モノガタリ文学賞【 不条理 】 コメント:10件 夏日 純希 閲覧数:1920

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「今日は、とある男女の話をさせてもらおう思います」
『聞かせてもらいましょう』
「外国での出来事。男の名前はジャン、女の名前をハナコと言いました」
『待て、片仮名=外国人やと思うなよ!』
「うるさいな。そしたら、タロウとハナコがいました」
『直すのそっちちゃう! もう日本人しかおらんがな』
「タロウとハナコは……」
『あー、もうええ。続けて』
「二人に愛はあってもお金がない。ゆえに、二人は宝の眠る洞窟へ。
 奥へと進むと、やがて道幅はどんどん細くなります」
『冒険っぽくなってきた』
「ハナコは、私が先に行くと言って、一歩踏み出すとそこには落とし穴が」
『これがほんまの“オチ”ってか』
「……。ハナコは穴の中へと落ちてしまいました」
『“…”より、突っ込みプリーズ!』
「ところが、これも全て花子の罠。計画通りだったのです」
『花子! もう片仮名にさえせぇへんのかいな』
「実は、花子には他に結婚したい人ができて、ジャン 太郎を密かに始末しようと考えていたのです」
『えぇ?! ジャンは苗字やったんかいな!』
「驚くとこ、そこちゃうやろー。なんでやねーん」
『いや、合ってるよね?』
「太郎が洞窟を進むと、暗い足元に花子が事前に用意した猛毒のマムシが……」
『やばいやん』
「マムシが太郎に近づくと、口を大きく開けて……ガブリ!」
『あぁ、太郎、なんてこったぁ』
「うん、このマムシなかなか旨いやん」
『太郎がマムシ食ったんかいな!』
「太郎がマムシ料理に舌鼓をうっている頃」
『料理て、明らか生やったで』
「花子は一人、自らの人生を振り返っていました。ごめん、太郎。私、やっぱりお金がない人とは結婚できないわ」
『ぬぅ、世知辛いね』
「花子は、小さい頃から貧乏な家庭に育ち、その悲惨な生活にもうこりごり」
『花子もかわいそうやってんなぁ』
「その点、最近花子が親密になった男は裕福でした。名をルーゲンシュタイン・バロスナンジェロニ・トゥウェイストフと言いました」
『その名前、二千字小説に優しくないよ!』
「通称“ル”と言います」
『あら、なんて優しい!』
「ルと知り合った後、時々、花子の家のポストに、差出人不明の封筒で、お金が入るようになったのです。他に裕福な知り合いがいない花子からすれば、ル以外に考えられませんでした」
『ル渋いな』
「一方の太郎は、地下への通路があることを信じて、その後も洞窟をどんどんと進みます。しかし、先に見つけたのは宝箱でした」
『この宝次第では、太郎の一発逆転もあるんじゃないの?』
「あほ、宝なんて嘘八百や。そこからして、花子の罠やったんや」
『なんとまぁ』
「太郎が部屋の奥にある怪しげな箱に手を触れた瞬間、太郎の背後で大きな音が。太郎の背後に降り立ったのは、身長3mはあろうかというドラゴン。太郎はあまりの恐怖に、後ずさります」
『うわ、退路も断たれてしもたやんか。どうする太郎?!』
「こ、怖い。俺、子供の頃から、羽根のある虫とか苦手やねん」
『太郎! 虫とかいうレベルちゃうって!!』
「炎を吐き出そうとするドラゴン。太郎は叫び声を上げながら……」
『太郎逃げろーー!』
「ドラゴンの側頭部に回し蹴りを食らわせ、一発KOしました」
『……。いや、ちょっと待てや。3mのドラゴンの側頭部にどうやって回し蹴りなんかできんねん』
「は? 普通に届くやろ? 身長3m(3マンゴー。つまり、マンゴー3つ分)やねんから」
『ちっちゃい! って、単位メートルちゃうんかいな?!』
「はぁ……これやから、自由な発想を忘れた大人は嫌いや」
『いや、あぁ、ごめん。え、俺が悪いの?』
「夕暮れ時、洞窟の外にいた花子は、太郎が出てきたことにびっくり」
『花子の計画は失敗に終わってんな』
「花子! 良かった無事やってんな。本当に良かった!……ぐはっ。
 太郎は大量に血を吐きました」
『どうしたん太郎!?』
「実は、昨夜、毒の入った食事を食べさせられていたのです」
『急展開! って、わざわざ洞窟行く必要あったの!?』
「太郎は、花子の腕の中で最期の言葉を告げます。
 俺死ぬんやな。ごめん、もうお前のポストにお金いれられへんな」
『え、それって!?』
「そう実は、太郎は裕福なことを隠して花子と付き合っていたのです。
 花子が金の為でなく、愛の為に結婚してくれることを信じながら」
『なんてこったー』
「全てを悟った花子は叫びます。こんな、不条理ってないわー!」
『ふんふん、それで?』
「ん? これで話は終わりやぞ」
『いやいや、ほらさ、やっぱ、最後笑いとかないとさ。漫才やねんから』
「は? これ、二千字小説やで。締めのオチとか別にいらん。
 ついでに相槌も、突っ込みもな」
『え?! そしたら、この二千字間の俺って一体……。
 なぁ、こんな不条理あってええの?』


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このストーリーに関するコメント

14/12/02 そらの珊瑚

夏日 純希さん、拝読しました。

「不条理」で漫才とは、そうきたかー! って驚きです。
きっと脳みそが柔軟なのですね。
随所にはさんだ笑いの小ネタのセンスもさることながら、
ストーリーにもちゃんとした展開があって楽しかったです♪

14/12/02 草愛やし美

( ̄ェ ̄;) エッ?漫才、不条理やのに、( ̄[ ̄;)!ホエー

ってことで、夏日純希さん、読ましてもらいましたわ。

いやおもろかったわ〜なかなかつっこみ入れたなる内容てんこもりで、うずうずしながら読み終えましたでえ。花子はんも太郎はんも、ルなんちゃらさんもえぇキャラしてまんなあ、アハハハ!! (o_ _)ノ彡☆受けまくったわ、楽しませてもろうて、おおきに。

14/12/04 夏日 純希

そらの珊瑚さん

コメントいただき、ありがとうございます。
いや、脳みそが柔軟というよりは、病気ですね。
その名も、「たまにどうしても漫才が書きたくなる病」です。
突っ込みが字数を食うので、ストーリーの内容が削られるのが辛かったです。
ほんま突っ込みとか、掌編小説にいらんわぁ(ぉぃ


草藍さん

すいません「漫才の最後に締めの笑いが無い」以上の不条理が見つかりませんでした。
僕の辞書にまともな不条理という文字は無い、のかな?
でも、楽しんでもらえれば、それでいいのかなと思います。
というか、書きながら勝手に一人で楽しんでました(汗)
大阪弁の温かいコメント、どうもありがとうございました。

14/12/06 滝沢朱音

夏日さん、こん↑ばん↓はぁ↑〜(_^_)

なんやねんいったい! えっらい不条理すぎるでぇ、この小説!
こんな感じの感想でもええでっしゃろか?(笑)

「その名前、二千字小説に優しくないよ!→通称“ル”と言います」
ここで、画面の前で笑ってしまいました。面白かったです!

14/12/07 夏日 純希

滝沢 朱音さん

こん↓ばん↓はぁ↓ 
いや、テンション下がってないですよ。大丈夫です。今日も元気にアガアゲです、今晩は。

滝沢さん、関西人じゃないですね!? 関西弁、不自然です(笑)
ネイティブ関西人にはわかってしまいますよ、フフフ(なんやそれ

小説に大事なのは、ストーリー性で、
それをどう表現するかは文学的考察の余地がきっとあるはずだ、
と思ったら、なぜか漫才形式で書いていました。

他の作品みたく、小説的な評価をもらうのもうれしいのですが、
個人的には、人が笑ってくれるのも同じくらい嬉しいので、そういってもらえて良かったです。
どうもありがとうございました。

ルーゲンシュタイン・バロスナンジェロニ・トゥウェイストフに感謝を込めて

14/12/14 光石七

拝読しました。
いやあ、おもろかったで!(笑)
通称“ル”に一番笑いましたね。ラストもgood!
素晴らしい不条理漫才(?)でした。

14/12/15 霜月秋介

ハナコいったい何者なんや…!

読ませていただきました。絶妙なツッコミと思わぬ展開と通称ルに吹いてしまいました(笑)

14/12/17 夏日 純希

光石七さん

出来ることならこういうノリでずっと物語を書いてみたい。
けど、やめときます。普通の文章書けなくなりそうなので(笑)
漫才の方が向いているとか勘違いしてしまわないように気を付けます(汗
楽しんでいただき、ありがとうございました。


霜月 秋介さん

初めまして。
ハナコは魔性の女ですね。きっと、美しー、気がします(笑)
ルはただの脇役なのに、人気高いですね。太郎かわいそうに・・・。
ちなみに私は、日常では突っ込み派なので、ボケてくれると凄くうれしいです。
楽しんでもらえて良かったです。
真剣にボケ考えたのに、全部滑ってたらどうしようかと(ふぅ〜
嬉しいコメント、どうもありがとうございました。

14/12/24 黒糖ロール

この漫才、だいぶ笑わせてもらいました。
おもしろかったです!

14/12/25 夏日 純希

黒糖ロールさん

コメントありがとうございます。でも、これ
二千字小説ですから!
なんてね。でも、境界って一体どこからでしょうね?
字の文があれば、小説なんでしょうかねぇ。
ストーリー性があれば小説なんでしょうかねぇ。
でもまぁ、僕論では、たのしけりゃ、それはそれでいーやん、ですね。
どうもありがとうございました。

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