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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

性別 女性
将来の夢 自分の書いた童話を孫に読んで聞かせたいです。
座右の銘 しあわせはいつも自分の心がきめる

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ふたごのくつ下

14/11/05 コンテスト(テーマ):第七十回 時空モノガタリ文学賞【 別れ 】 コメント:2件 こぐまじゅんこ 閲覧数:1285

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 ゆうまくんは、二さいです。
 まだまだ、やんちゃで、きかんぼう。おかあさんは、いつも、ゆうまくんに手をやいていました。

 おもちゃ箱から、ポイポイおもちゃをとりだして遊ぶゆうまくん。
 部屋は、おもちゃだらけです。

 おかあさんは、
「ゆうまくん、おもちゃで遊んだら、おもちゃさんのおうちにかえしてあげようね。」
と言って、おもちゃを箱にもどすのですが、ゆうまくんは、またすぐ、おもちゃをとりだします。

 それから、ゆうまくんは、おかあさんがはかせてくれたくつ下も、もぞもぞ、すぐぬぎたくなるのです。つま先を手にもって、ぐいっとひっぱると、スポンとぬけました。

 今日、ゆうまくんがはいているくつ下は、おかあさんが、(かわいくていいなぁ。)と思って買っていたくまさんのくつ下です。
 右にも左にも、かわいいくまさんが、ついています。
 おかあさんは、言います。
「くまさんのくつ下、かわいいでしょ。ゆうまくんに、よくにあうよ。」

 ゆうまくんは、しばらく、くつ下をはいて遊んでいましたが、やっぱり足が、もぞもぞしてきました。

 右のくつ下を、ぐいっとひっぱると、すぽーんと、くつ下がとんでいきました。

 ゆうまくんの左足のくつ下のくまくんが、びっくりして言います。
「うわーん、ぼくの、ふたごのおとうとがいなくなっちゃった!」

 ゆうまくんは、ポカンとしています。

 すると、左足のくまくんが、かなしそうな声で言いました。
「ゆうまくん、今、ぬいでとおくへいっちゃったくつ下のくまくんは、ぼくのおとうとなの。ぼくたち、いつもいっしょに、ゆうまくんの足をまもってあげてたんだよ。それなのに、ゆうまくんったら、ポイポイぬぐばっかりして・・・。ぼくは、かなしくてなみだがでちゃうよ。」
 そして、大きな声で、
「あーん、あーん」
なきだしました。

 ゆうまくんは、あわてて、くつ下さんに、
「ごめんなさい。ぼく、さがすから、まってて。」
と言うと、部屋の中をすみからすみまで、さがしだしました。

 すると、
「ここだよ。ここ。ベッドの下。」

 小さな声がします。

 ゆうまくんが、ベッドの下をみると、右のくつ下のくまくんがいました。
 ゆうまくんは、ひとりで、えっちらおっちらくつ下をはきました。

 右足と左足のくまくんが、声をそろえて言いました。
「あー、よかった。はなればなれになっちゃうかと思った。ゆうまくん、これからは、ちゃんと、くつ下をはいてね。それから、おもちゃも、きちんとかたづけるんだよ。」

 ゆうまくんは、こくんとうなずくと、足をバタバタうごかして、おもちゃをひろい、
おもちゃのおうちにかえしてあげました。

 まどから、あたたかなお日さまが、にっこりわらってみています。


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このストーリーに関するコメント

14/11/29 光石七

拝読しました。
ゆうまくんが甥っ子と重なり、微笑ましく読み進めました。
子供ってすぐ靴下を脱ぐんですよね……
最近甥っ子もきかん坊で、おもちゃもなかなか片付けようとしないので、くまくんに怒ってほしいです(笑)

14/12/01 こぐまじゅんこ

光石七さま。

コメントありがとうございます。
甥っ子さん、かわいいでしょう。
孫の日常から、ヒントを得て書きました。
ありがとうございました。

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