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14/10/24 コンテスト(テーマ):第六十八回 時空モノガタリ文学賞【猛スピードで】 コメント:0件 kobotai 閲覧数:1177

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「〔警告〕

ここは2050年の東京。

これを読んでいる君は2014年の私だろう。

君に一つ警告したいことがある。

2050年では『猛スピード化』が起こっている。

君たちの時代でもすでに『スピード化』していることに気付いているだろうか。

会って話していたことがメールや電話でできるようになり、買い物も、行かずにネットででき

る。

新幹線もどんどん早くなり、東京大阪間も3時間もかからず移動できる時代になった。

そして、2050年のこの猛スピード化時代では思ったことが直接相手に伝わり、欲しいもの

は転送される。

東京大阪間も27分で移動できる。君はなんて便利な時代だと思うだろう。

だが、この時代の人間、いや、もはや人間とは呼べないこの者たちは感情を失いつつある。

コンピューターによって子供に合った教育を受けさせ、コンピューターによって仕事をし、コ

ンピューターによって理想の結婚相手を探す。

子供に対する愛おしさ、仕事に対する楽しみ、恋をする素晴らしさ、それら全てを失った。人

間同士の関わりを持つ必要もなくなったこの世界。機械を動かすために動くこの者たち。どう

か未来を変えてほしい。2050年でも『人間』が住む世界にしてほしい。

斎藤 健吾 口紅事件」


未来を担う超有名大学首席の斎藤健吾のもとに来たメールはこのような内容だった。

こんなメールを信じる者がいるのだろうかと誰もが思うだろう。

だが、私は信じることにしよう。

なぜなら、最後の行の口紅事件とは小学5年生の時に興味本位で母親の口紅を隠れて使った

時、肌に合わなかったのか唇がパンパンに腫れたのだ。

当時小5という年もあり親にはからしを唇に塗ってみたというわけのわからない嘘をついて、

ごまかしていた。それ以来このことを人に話したことはない。

だから、このことは私しか知らないことなのだ。

それに私も薄々思っていたが50年もたたないうちにこれほどまでになるとは。

だが、この私にかかれば、猛スピード化を止めるなど容易いことだ・・・。


〜36年後〜

人間の走行速度2000km/時。東京大阪間を約20分で移動できる。距離が距離なら電話番

号を入力するより会いに行ったほうが早い時代。子供としての愛おしさをを感じさせる暇もな

く成長していく子供たち、楽しさを味わう前に終わる仕事、恋に落ちるとほぼ同時に冷めてい

く時代。あまりにも人間からコンピューターを排除し、人間に活動を要求し過ぎた結果であ

る。『人間猛スピード化時代』。


「〔警告〕

ここは2050年の東京。

これを読んでいる君はきっと、2014年の私だろう。

君に一つ警告したいことがある。





機械も人間も使い過ぎはほどほどに・・・


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