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泡沫恋歌さん

泡沫恋歌(うたかた れんか)と申します。

性別 女性
将来の夢 いろいろ有りますが、声優ソムリエになりたいかも。
座右の銘 楽しんで創作をすること。

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【 天孫降臨 】御一行

14/10/06 コンテスト(テーマ):第六十六回 時空モノガタリ文学賞【 舞い降りたものは 】 コメント:12件 泡沫恋歌 閲覧数:2504

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 これは昔々の神話の世界、登場するのは日本の神々です。

 高天原(たかまがはら)というところに神様たちが暮らしておりました。一番偉いのは太陽神の天照大御神(あまてらすおおみかみ)という女神です。弟は須佐之男命(すさのおのみこと)といいますが、暴れん坊で乱暴狼藉の限りを尽くします。そのせいで姉のアマテラスは天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまいました。太陽を失い世界は真っ暗闇になり、邪悪な神たちがのさばり出して、困った神々が何とかアマテラスを天岩戸を引っ張り出そうと作戦を練ります。
 怒って岩戸に引き籠ったアマテラスに、いかに素晴らしい存在か、どれほど美しいかなど賛辞の言葉を並べて、機嫌を取ったのが天児屋命(あまのこやねのみこと)という神で祝詞(のりと)の起源と言われます。
 布刀玉命(ふとだまのみこと)はアマテラスが気に入るように、祭壇を美しく飾り、占いをして岩戸から出てくれるように神事を行った。
 極めつけは何といっても、天宇受売命(あまのうずめのみこと)という女神の活躍だろう。彼女は岩戸からアマテラスが顔を覗かすように、妖艶な舞を見せて気を引こうとした女神である。
 その踊りは足でリズムを取りながら乳房を露わにして、挙句、陰部まで見せてしまった。まさに「ストリップ」の元祖で、周りで見ていた男神たちがヤンヤヤンヤの大歓声で盛り上がり、その声に《なにやってるの?》と、岩戸を開けてチラッと覗いたところを手を掴んで引っ張り出されたのだ。
 やっと世界は光を取り戻し、弟のスサノウは高天原から永久に追放されてしまった。

 時は流れて、アマテラスは息子の天之忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)に「葦原中津国を平定したので、天降って治めなさい」と命令した。すると、「準備を進めている間に、息子が生まれたので、この子を降すべきでしょう」と、その任務を譲った。
 こうして、天照大御神の孫である邇邇藝命(ににぎのみこと)が高天原から地上に降りることになった。
 ――これが【 天孫降臨 】である。

 随行者として、天児屋命、天宇受売命、布刀玉命、玉祖命、伊斯許理度売命の五伴緒神(いつとものおのかみ)が従え、「三種の神器」八尺瓊勾玉、八咫鏡、草薙剣を持って、【 天孫降臨 】御一行は、たなびく雲を押しのけ、道をかき分け進み、天の浮橋から浮島に立ち、筑紫の日向の高千穂の久士布流多気(くじふるたけ)に天降った。
 その時、天と地の境界線辺りに光を発して待っていたのが猿田毘古神(さるたひこのかみ)である。サルタヒコは異様なまでに長い鼻をもつ異形の男である。
 ニニギ命は、側にいた超セクシー女神アマノウズメに、何者か訊いてくるように命じた。アマノウズメは自慢の乳房を晒し男に近づいて「アンタだぁれ?」というと、その色香に脳殺されそうな、真っ赤な顔で「お、俺は【 天孫降臨 】御一行を道案内するサルタヒコだぁ〜」と答えた。
 この出会いを切欠にサルタヒコとアマノウズメは後に夫婦となった。

 笠沙の岬でニニギ命は美しい娘を見染めた。大山津見神(おおやまつみのかみ)の娘で木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)という。
 さっそく求婚したが父に聞いてくださいとの返事。父の神にいうと大変喜んで結婚を認めたが、その際に姉の石長比売(いしながひめ)も一緒に嫁がせた。
 だが、顔を見た途端「姉はお断りします!」と送り返してきた。岩のようなゴツゴツした醜い娘だった。「私が娘二人を一緒に差し上げたのは、姉のイシナガを妻にすれば岩のように永遠の命となり、妹のサクヤを妻にすれば木の花が咲くように繁栄します。けれどサクヤとだけ結婚されたので、ニニギ命とその子孫は短命になってしまった」とオオヤマツミ神はおおいに嘆いた。

 たった一夜の交わりで身籠ったサクヤに、夫のニニギ命は不信に思い「俺の子か?」と妻を疑った。貞操を疑われて激怒したサクヤは「天孫のあなたの子でなければ無事に生まれないでしょう」と産所に火を放った。そして火照命(ほでりのみこと)、火須勢理(ほすてりのみこと)、火遠理命(ほおりのみこと)三兄弟を火中で出産した。
 長男ホデリ命は[海幸彦]と呼ばれて、末っ子の三男のホオリ命は[山幸彦]と呼ばれる。後にこの兄弟は権力争いを起こしたが、兄との争いに勝った弟の[山幸彦]は海神の娘、豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)との間に初代神武天皇の父となる鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)をもうけた。
 こうして、ニニギ命の【 天孫降臨 】から、ホオリ命、ウガヤフキアエズ命へと続く家系を日向三代(ひむかさんだい)と称され、正式に皇統を伝える。

 舞い降りた天津神(あまつかみ)のルーツ、その末裔が天皇家となったのです。


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このストーリーに関するコメント

14/10/06 泡沫恋歌

写真は伊勢神宮の鳥居で自分で撮影したものです。

14/10/07 草愛やし美

泡沫恋歌さん、拝読しました。

日本の神々様は大勢おられるのですね、天照大御神が天岩戸に篭り、この世から光が失せた話くらいしか知りませんでした。昔、映画で見た記憶があります。あれは、何というタイトルだったのでしょう。覚えている配役は、天岩戸の岩の扉を開けた手力男命役をしたお相撲さんのことくらいでしょう。朝潮太郎、胸毛で有名なイケメン力士さんでしたが、三代目の方だったみたいです。その朝潮が力強く岩戸を引いた姿は輝いていたと思います。
検索しましたところ、1959年の昭和34年東宝制作の作品で、千本目の記念映画だったようです。天皇陛下がご成婚された年にあたり、『日本誕生』という映画は相応しいものだったのでしょう。そんなこと懐かしく思い出しました。原節子さん、三船敏郎さん主演なのに、そこは全く記憶にないのはどうしてなのでしょうね。苦笑
日本誕生のこと古来の神様のことなど知らなかったことを、学ばせていただきました。

14/10/07 夏日 純希

拝読いたしました。

漢字が多くてくらくらーっと来ました・・・難しい漢字苦手です(苦笑)
すごい作品ですね。難しいことが書いてあるかと思いきや、
ストンと急降下してくすっと笑える話になっていたり。
ジェットコースター小説ですね。
こういう構成もあるんですねぇ。勉強になります。

伊勢神宮のパワーそんなにすごかったですか(笑)?
今度、機会ができれば訪ねてみます。

14/10/07 鮎風 遊

なるほど、
理解しやすくまとめられてあるので、勉強になりました。

神代の時代も、いろいろと複雑な関係があり、
現代と変わらず、泣き笑いの時代だったのだと面白かったです。

この物語、私の情報帳にコピーさせてもらいます。
よろしく。

14/10/07 そらの珊瑚

泡沫恋歌さん、拝読しました。

神話もこんなふうに描かれると、人間ぽくて親しみが湧いちゃいます。

奈良に住んでいた時、橿原神宮で娘の七五三をしたのですが、その時大きく看板に墨で紀元0000年って書かれてました。
(ちゃんと覚えてないのですが、二千六百十年、みたいに)
なじみのある西暦でなくて神武天皇を祖として数える皇歴が使われていたのを思い出しました。

14/10/09 クナリ

現代では慣れていない命名の神様たちの繰り広げる神話は、えてして「え、誰が何してどうなったって?」と読んでいて疲れてしまうことが多いのですが(日本人なのに…(^^;))、テンポよく現代風にまとめられているので読みやすかったです。
ギリシャ神話などとは、また違った感じの人間臭さがありますね。
なにげに、振り仮名が有難いですね…これだけでも文字数圧迫したでしょうに、ユーザフレンドリさに頭が下がる思いです。

14/10/09 泡沫恋歌

草藍 様、コメントありがとうございます。

アマテラスを岩戸から手を掴んで引っ張り出した神様は天手力男神(あまのたぢからおのかみ)という豪腕の神様で、アマテラスがもう引き籠らないように
岩戸の扉を遠くへ投げ捨てた。扉はグングン飛んで行って、信濃国に落下して
それが戸隠山になったという伝説が残っています。


夏日 純希 様、コメントありがとうございます。

漢字多くてゴメンなさい。何しろ日本の神様はみんな漢字でたいたい5文字から10文字くらいの
漢字がズラリと並ぶのが普通です。たぶん、これのせいで古事記や日本書紀は敬遠されるのでしょう。
内容はみんな聞いた事のある昔話風で、簡単な話です。
伊勢神宮はアマテラスが祀られていて、日本一のパワースポットです。
だから空気がぜんぜん違います! すごいオーラを放ってます!!


鮎風 遊 様、コメントありがとうございます。

人の心情や感情はどんな時代でも同じだと思います。
特に日本の神様はとても人間的というか庶民的な神様なのです。
古事記は実に面白いですよ。神社参拝の御朱印集めから趣味が高じて、ついに古事記に
ハマってしまいました。
どうぞ、どうぞ。創作の参考になるなら情報帳にコピーしてください(d ̄▽ ̄)オッケー♪

14/10/09 泡沫恋歌

そらの珊瑚 様、コメントありがとうございます。

日本の神様は実に人間ぽくて、繰り広げられる物語も庶民的です。

ちょっと、皇紀について調べてみました。
皇紀とは明治五年に制定されたわが国独自の日本紀元のことである。
神武天皇即位の年を元年とし、毎年二月十一日が紀元節となっています。
平成二十六年 西暦二〇一四年 ⇒ 皇紀二六七四年
因みに、今上天皇は神武天皇から数えて、第125代天皇となります。


OHIME 様、コメントありがとうございます。

博識なんて、トンデモナイ!
私のようなオバサンでもネット検索でいろいろ情報を調べられる時代です。
完全ビジュアルガイド 日本の神々という本を持ってまして、その本だとイラスト入りで
神様のことがよく分かります。
毎晩、寝る前に読んでる、いわば私の愛読書です。
天宇受売命(あまのうずめのみこと)は芸能の女神で、京都の芸能神社などに祀られています。


クナリ 様、コメントありがとうございます。

神話は神様の名前が難しくて覚えられないのが難点だと思います。
漢字が5文字から10文字くらいあり、ニニギ命の正式名は、
天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと)
というんです。
これじゃあ、ピカソの本名みたいで長くて、とても覚えられない。
振り仮名は、私もないと読めないので・・・文字数使っても出来るだけ付けました。
その後はカタカナにして、覚えやすくしました。
作品は読みやすさを身上としています。

14/10/22 ドーナツ

拝読しました。




天岩戸の前で セクシーダンスをしたんだよね。其れを想像すると、ウフフです。
日本の神様はホントに人間的なとこがいっぱいあって興味が尽きないです
古事記や日本書紀は難しいという印象有りますが,恋歌さん調で読むと楽しいです。

14/10/22 泡沫恋歌

ドーナツ 様、コメントありがとうございます。

天岩戸のアマノウズメの踊りはまさにストリップだったと、古事記の解説書にも書かれています。

最後は全裸で陰部まで見せたとされています。
それに興奮した男神たちがヤンヤ、ヤンヤと大騒ぎしたので、アマテラスが岩戸をちょっと
開けて覗いたところを引っ張り出されたのです。

なかなか神話もエキサイティングでしょう?
古事記や日本書紀も調べていくとなかなか面白いですよ。

16/07/29 葵 ひとみ

泡沫恋歌 さま。

拝読させていただきました。

私も伊勢神宮へ参拝したことがあります(^^*)

あの人々が多くてもシーンとした雰囲気は忘れられません。

正直、「古事記」を作品にされていた方がいらっしゃって(°°)

しました(^^*)

なんだか、心から嬉しくなってしまいました。

天岩戸から天孫降臨から天皇家へのとてもまさに珠玉のストーリーですよね(^^*)

僭越ながら、評価させていただきます。

天岩戸繋がりでこれからも宜しくお願いいたします。

葵 ひとみ より。

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