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鮎風 遊さん

この世で最も面白い物語を見つけ出したい。 そのために、ひとり脳内で化学反応を起こし、投稿させてもらってます。 テーマに沿った個別物語の他に、いくつかのシリーズものをコツコツと書き続けさせてもらってます。 その主なシリーズものを紹介させてもらいます。  ☆❤☆❤☆ 新シリーズ 『ツイスミ不動産』 __ 2017.07.16よりスタートさせてもらいました。 カサリンとクワガタ野郎があなたが求める終の棲家を紹介いたします。  ☆❤☆❤☆ 『刑事 : 百目鬼 学(どうめき がく)』 __ 2017.05.21 ただ今、27話 __ 1話完結の2000文字推理小説です。この少ない文字数の中で、百目鬼刑事と部下の芹凛(せりりん)がいかに事件を解決していくか、その醍醐味を味わって頂ければ、光栄です。 これからも引き続き難しい事件に挑戦して参りますので、よろしくお願いします。  ☆❤☆❤☆ 『漢字一文字の旅』 __2017.04.04 ただ今、連載41__ 漢字にまつわるエッセイです。  ☆❤☆❤☆  『歴詩』 __歴史上の人物になりかわって、その波瀾万丈の生き様の思いを詩に綴らせてもらってます。 本作品については、フォト音(on)小説という形で、you tubeにもUPさせてもらってます。 詳細はこちらHPです。  ☆❤☆❤☆  http://ayukazeyuu.net/index.html  ☆❤☆❤☆                         よろしくお願いします。              

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四神倶楽部 以津真天(いつまで)の巻

14/09/26 コンテスト(テーマ):第六十六回 時空モノガタリ文学賞【 舞い降りたものは 】 コメント:6件 鮎風 遊 閲覧数:2186

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 京都は魔界都市、その由来は1200年前に遡ります。
 当時疫病が蔓延し、世の中はまるで呪われたかのようでした。この状態から抜け出すため、桓武天皇は北の玄武、南の朱雀、東の青龍、西の白虎の四神によって守られた四神相応の地、山背国(やましろのくに)に遷都しました。そして魑魅魍魎の侵入を防ぐため結界を張りました。
 しかし妖怪たちはこの結界をすり抜け、洛中を好き勝手に徘徊する始末。それは今も続いています。されど歩くくらいなら、別段騒ぐこともないのですが、時折凶悪な化け物が迷い込むものですから、迷惑千万なことです。例えば今回の妖魔、私たち四神倶楽部は許すことができませんでした。
 あっと、紹介が遅れました、私は東京のサラリーマン、高瀬川龍斗と申します。そしてメンバーはイケメン部下の悠太、男を悩殺する佳那瑠、キュートなミッキッコ、同じフロアで働く4人です。
 私たちは縁あってと言いますか、遠い昔、宇宙の魔王尊が鞍馬山に降臨しました。その時のUFOに祖先たちが乗船していたわけでして、私、龍斗は青龍、悠太が玄武、佳那瑠は白虎、ミッキッコは朱雀の末裔です。時は流れども刻まれたDNAにより、私たちは四神倶楽部を結成し、現代社会を守るため秘密裏に活動をしています。本編はここだけのマル秘報告です。

「京都が大変よ」
 悠太と雑談中、ミッキッコが息を切らせて走ってきました。それを追い掛け、佳那瑠が美人顔を殺人鬼の形相に変え、「大きな鳥が人肉を食い漁ってるわ。退治しましょ」と。佳那瑠にほの字の悠太はポーと赤面し、頷くだけです。私は「返り血を浴びるぞ」と一旦提案を退けました。しかしミッキッコに「弱虫ね」と馬鹿にされ、「今夜8時に、秘密基地で」と一応リーダーとして集合を掛けました。
 基地は京都の町屋の100m地下にあります。そこへ行く方法は、佳那瑠がドア名人でして、東京の自宅の壁に扉をペタリと貼り付けてくれました。それを開けると、直に宇宙最新鋭の高速コンピューターが稼働する地下空間へと移動できるのです。
 私たちは時間通り集合し、宇宙検索エンジン・四神王などを駆使し、本事件を調べ上げました。
 それは東山に青い月がポカリと浮かんだ夜から始まりました。鴨川沿いにカップルが等間隔に座り、愛を育んでいる時です。月が一瞬曇り、夜空からヒューと。その舞い降りたものは以津真天(いつまで)。翼長5mの怪鳥で顔は人間、だがワニの歯を持ち、蛇の胴体に剣の爪を持ってます。それらで人に襲い掛かり、肉を引き裂き、思う存分啄みました。まさに地獄絵図。しかし笑える点は、死体を盗られるのが心配で、いつまで、いつまでと甲高く鳴くのです。

「あっらー、可愛い鳥じゃん」
 調査結果に朱雀のミッキッコが同じ鳥仲間として声を上げました。怖がりのくせして強がるミッキッコ、私はそんな彼女の方がもっと可愛いです。しかし、白虎の佳那瑠は沈着冷静。「鎌倉時代、隠岐次郎に一度射止められてるのに、なぜまたこの時期に、舞い降りたの?」と悠太に迫りました。だが悠太は口をモゴモゴするだけ。「亀はいつもじれったいんだから。じゃあ、以津真天の苦手なものは?」と佳那瑠が質問を変えました。この件は調査済み、悠太は胸を張り、「洋物です、例えばドリアン、ハバネロ、殺しの天使のドクツルタケ」と。そこで私は結論を下しました。
「ヨッシャー、臭辛毒(くさからどく)スプレーを以津真天に吹き付けてやろう」

 やはり満月の夜でした。まずミッキッコの朱雀が淡い月光を受け優雅に飛翔し、以津真天を御所の上空へと誘いました。そこへ青龍の私は一気に天へと昇り、ヤツの胴体に巻き付き、白虎の佳那瑠はヤツの首筋にガブリと噛みつきました。これで以津真天は羽ばたけず、眼下の森にドスンと落ちました。そこへ玄武の悠太が自家製の臭辛毒スプレーを鼻先に吹き付けました。これで以津真天は見事に失神。それからこの怪鳥を宇宙の果てへと繋がる古井戸へと運び、突き落としてやりました。以津真天はもう地球には戻って来れないでしょう。それでも未練たらしく、いつまで、いつまでと鳴きながら暗い闇へと落ちて行きました。

 このように人肉を食い漁る怪鳥を退治したわけですが、1週間後、ミッキッコが「やっとわかったの、なぜ、以津真天が結界を破り舞い降りたかが」と泣きそうな顔で話してきました。確かにこの疑問はまだ解けてません。そこで「何のために?」と問うと、ミッキッコはポツリと…「卵を産むためよ」と。
 これは驚きです、すかさず「どこに?」と問うと、ミッキッコは首を横に振り、「わかりません。だけど卵はやがて孵化し、再び以津真天が舞い降りてきて、人を襲うのだわ」と唇を噛みました。この顛末に私は…挫けそう、しかし新たに誓いました。
「四神倶楽部はいつまでも、舞い降りたものは許さないぞ」と。


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このストーリーに関するコメント

14/09/26 鮎風 遊

みなさまへ
表紙絵の月の写真は
GATAG|フリー画像・写真素材集 2.0 著者: Bash Linx
からお借りしてきました。

また本作品は、長編「四神倶楽部物語」
http://novelist.jp/60819.html
をベースにした新作です。

今後はこのような短編で継続したいと考えています。
よろしくお願いします。

14/09/30 草愛やし美

鮎風游さん、拝読しました。

強いですねえ、さすが、四神倶楽部。京の都を守ってくださっているのですね、ありがたい。京都生まれの私からもお礼を言いたいです。って、ウルトラマンのドラマを彷彿させる戦いぶりでした。この四神さえいれば、世の中、怖い物なしでしょう。

14/10/01 泡沫恋歌

鮎風遊 様、拝読しました。

京都の四神といえば、鬼門に結界を張って京の都を守っているという伝説の聖獣のことですね。

四神倶楽部でこれからも、京都に現れる妖怪を退治してください。
連載を楽しみにしています。

14/10/03 鮎風 遊

草藍さん

コメントありがとうございます。

サラリーマン、されど四神の末裔、頑張らせてもらいます。
京都はこれでしばらく平和でしょう。

14/10/03 鮎風 遊

泡沫恋歌さん

コメント、ありがとうございます。

京都、いや日本を脅かす者たちを、
四神倶楽部の面々はやっつけますよ。

また報告させてもらいます。

14/10/05 そらの珊瑚

鮎風游さん、拝読しました。

なるほど京都ほど魑魅魍魎妖怪のたぐいが似合う街はないかもしれませんね。
四神倶楽部のどこか自分たちも楽しんでる風のたたかいっぷりが楽しかったです♪

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