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k.k.さん

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焦げた道

14/08/05 コンテスト(テーマ):第六十二回コンテスト 【 未来 】 コメント:2件 k.k. 閲覧数:1033

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 約束をしました。
 あなたと思い描く、理想の家族の。
 時の流れには、どうしても逆らえませんね。
 ずっと隣にいると信じていた、そんな儚い夢も、しょせんは夢でしかないですもの。
 叶わないからといって、嘆くものではありません。
 「あなたは、空で笑っていますか?」
 焼け落ちた家も。
 黒焦げた家族も。
 私の側にいてくれません。
 「あなたがいてくれたら、私も笑えたでしょうに」
 なぜ、先に逝ってしまったのです?
 乙女を一人残していくなんて、薄情ですね。
 くすり、と笑い、そっと立ち上がる。
 あなたがいなくても、あなたが天皇陛下の為に死んでも、誰も気遣わないのよ。
 そんなことをしても、私は嬉しくないのよ。
 ほら、今日も空は広いわ。
 何も変わらない。
 ただ、あなたがいなくなっただけ。
 どうして、戦争なんてするのかしら。
 誰が喜ぶというの?
 家もなくして、家族もなくして。
 もう少し遅くに生まれていたら、あなたと理想の未来を描けたかしら。
 こんなにも、ぽっかりと、空いているのよ。

 焼け落ちた家を、遠目から眺める。
 一緒に並んで歩いた道も、跡形も残っていない。
 不意に、涙が溢れる。
 あなたはもう、死んでしまったのですね。
 二度と会えないのね。
 やっぱり、行かせるべきじゃなかったんだわ。
 お国のために、なんて。
 心の底から、思えないから。


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このストーリーに関するコメント

14/08/05 夏日 純希

天皇陛下のためと言いながら、あなたの未来のために戦ったんですよ。
だから、今はいいけれど、未来は笑っていて下さい。

と、僕には天からそんな声が聞こえました。

14/08/05 k.k.


夏日様
コメント、評価ありがとうございます
そういう解釈もありですか!
遺された側の気持ちはよく書くのですが、死んでいった側の気持ちはあまり書いたことがなかったので、参考になりました(笑)
固まった固定観念が柔らかくなったような気がします
ありがとうございます!

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