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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

性別 女性
将来の夢 自分の書いた童話を孫に読んで聞かせたいです。
座右の銘 しあわせはいつも自分の心がきめる

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笑い上戸

14/05/27 コンテスト(テーマ):第三十二回 【 自由投稿スペー ス】 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:1073

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 私は、いつも笑っている。
 人が真面目なことをしているときでも、ふとしたきっかけで笑いそうになる。
 失礼になるから、と思って、手をつねったりして、ぐっとこらえることもたびたびある。我慢できるときは、それでいい。
 でも、ついうっかりニタニタしてしまうと、もうだめだ。
「何がおかしいんですか?」
と先生に指をさされてしまう。
(しまったぁ)と思う。もう笑うのはやめようと思う。
でも、だめだ。

 家に帰っても、お笑い番組が大好きで、いつもみてゲラゲラ笑っている。
 母も呆れて、
「ほんまに、あんたはよう笑うなぁ。ゲラ子じゃなぁ。」
って言っていた。

 でも、ここのところ、私は笑えなくなった。
 私が、ゆみの失敗を笑ってしまったことから、ゆみのグループから白い目でみられるようになったから。ゆみは、活発で目立つ子だったから、私はあまり話したことがなかった。その、ゆみが、体育の時間の剣道の授業で、先生の相手になった時、
「めーん!」
って言いながら、こてをうったことが、おかしくって、私のつぼに入ってしまった。
 ヒーヒー笑って、しばらく息ができないほど笑ってしまったのだ。

 そんなだから、ゆみの仲良しグループから白い目でみられるようになったのだ。

 あんなにおかしかったことが、一日でちっともおかしくなくなってしまった。
 いつもいつも心が沈んで苦しい。
 笑わなくなると、おなかもすかないし、何もやる気がおきなくなった。
 学校に行くのも、おっくうでたまらない。
 家でじっとしていることが多くなった。

 そんなある日、テレビである女優さんが、
「ちっちゃいおじさんが見えるんです。」
という話をしていた。
 私は、そんなのただの作り話だよ・・・とつぶやいて、ベッドに横になった。

 何かが、私の足元を通り過ぎていった気がした。
 なんだか気になって、足元をみて、驚いた。

 小指ほどの大きさのおじさんが、スーツ姿で立っている。
 そして、腰をふりながら、何やら歌っている。

「すぎたるは及ばざるがごとし
 って言うだろ。笑いすぎには気を付けて。
 でも、笑うことはいいことだよ。

 笑う門には福来る
 とも言うだろ。
 昔の人の言うことは、だいたい間違いないんだよ。
 人の失敗を笑っちゃぁだめだけどね。
 ゆみちゃんには、心から謝っておいで。」

 私は、その歌を聞きながら、
「うん、そうしよう。」
と決めた。

 次の日、教室に入ると、思い切ってゆみに声をかけた。
「ゆみちゃん、この間は、あんなに笑ってごめんね。私、笑い上戸だから、笑いだすととまらないの。ほんとうにごめん。」

 ゆみは、
「そんなの気にしてないよ。もう忘れた。」
って言ってくれた。

 私は、今までの胸のつかえがすーっと消えていった。

 まだまだ私は、笑いすぎて失敗することもあるけど、笑うって気持ちいいんよね。


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