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みやさん

写真と物語の融合、写真物語家を夢見ています。 マイペースで更新中。Twitter➪@miya_ayim

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ハルノウタ

14/05/03 コンテスト(テーマ):第五十五回 時空モノガタリ文学賞【 予感 】 コメント:0件 みや 閲覧数:1188

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春よこい、はやくこい。

はるちゃんはこの歌が好きで、春が近づいてくるといつも楽しそうに歌うのだけれど、今年はなぜかしら歌いません。

「どうして今年は歌わないの?」お母さんが聞きましたが、はるちゃんは返事をしません。幼稚園で何か嫌な事でもあったのかな…とお母さんは心配になりました。

「はるちゃん、幼稚園でお友達とケンカしたの?」はるちゃんはまだ返事をしません。何も言わずにただポロポロと泣き始めました。ビックリしたお母さんははるちゃんを抱きしめて、どうしたの?と聞きました。

「だって…だって…春になったらお父さんがいなくなるから…」

お父さんとお母さんは少し前からケンカばかりしていました。原因はお父さんの仕事の事やお父さんのお母さんの事。二人ははるちゃんの前ではケンカしなかったけれど、はるちゃんにだって二人が何かギクシャクしている事くらい分かります。

そして春になったらお父さんは転勤で遠くに行ってしまうことになったのです。
お父さんは家族みんなで行こうと言いましたが、お母さんは嫌がりました。最近ケンカばかりしているし、少し距離を置いた方が良いかもしれないと思ったのです。

春になったらお父さんが遠くへ行ってしまうこともはるちゃんは気付いていました。だから今年はあの歌を歌いません。春に来て欲しくないから。お父さんに遠くへ行って欲しくないから。

泣き疲れたはるちゃんは眠ってしまいました。
はるちゃんの泣き腫らした顔を見てお母さんも泣き出しました。

「春になったらみんなで行こうね。どんなところかな?楽しみだね、はるちゃん。だからまたあのお歌を歌ってね」

春よこい、はやくこい。


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