1. トップページ
  2. とんかつに勝つをもらう方法

葵さん

性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの作品

0

とんかつに勝つをもらう方法

12/06/10 コンテスト(テーマ):第六回 時空モノガタリ文学賞【 週末に。とんかつ伊勢 新宿NSビル店のモノガタリ 】 コメント:0件  閲覧数:2018

この作品を評価する

街をいつも通り歩いていると、ポケットテイシュや美容やダイエットのフリーペーパーや女子会をやるためのお店の情報としてホットペーパーをもらうことが多い。バスのターミナルから私の職場は歩いてすぐの所にある。私はいつも朝は一番乗りで、観葉植物に水をやったり、軽く掃除機をかけたり、モップで床をぴかぴかにする。それから給湯室に行って、布巾を用意したり、社員がいつでも飲めるようコーヒーメーカーの準備をはじめる。真紀先輩に「そんなの、新人にやってもらえばいいのに・・・」とここそと言われたが「これは私の仕事なんです。好きでやってることなんです」と笑顔で返した。真紀先輩はふうんというように、今朝私がもらってきたホットペッパーをぱらぱらとめくっていた。「ねぇ、今度の女子会、ここにしない?」真紀先輩の指さす方をみると「とんかつ伊勢」とあった。「私、先週1位とられちゃったじゃない?ショックだったの。とんかつ食べて勝つをもらいたいんだよね」「私みたいな事務とはちがって、営業は成績を順位で決めますから、その気持ちわかります」記事をよく見ると、新宿NSビルのの中にあるお店だった。
「ここなら仕事終わってからでもいけますし、ここにしましょう」私がガッツポーズをつくると、真紀先輩も私に腕をからめてきた。7時近くに事務所には誰もいなくなり、外回りの真紀先輩と待ち合わせたLOVEのオブジェの前まで、小走りに風を切って歩いた。
真紀先輩の女子会は、女子社員全員とひとりづつふたりだけで行うというものだった。LOVEのオブジェの前に真紀先輩がいないといことは、このまま新宿NSビルまで行ってしまったかな?と思ったら、ケータイが鳴った。「もしもし?ごめん。いま新宿NSビルのまえ」「はい。了解」ぱちんとケータイを切って、今度は「とんかつ伊勢」のお店のある場所までだ。真紀先輩にはよくあることで、それまでぎりぎりまで仕事をしているということなので、何も文句はいえない。新宿NSビルに着くと真紀先輩が大きな手を振って「こっちこっち」と私の姿をさきに見つけてくれた。「お待たせしました」多少息が切れていたが、なんとかエレベータで29Fまでいって、「いらっしゃいませ」を和やか面影のある店員にぺこりとお辞儀をされた。「さきほと、電話した桜井です」真紀先輩が言うと「お待ちしておりました」といって、席に通され、メニューを渡された。感じのいい男性の店員であった。メニューをみるなり、真紀先輩は「私、特ロースかつ定食」にすると決めてしまっていた。「私・・・ロース、上ロースかつ定食にします」そういうと真紀先輩は、他のテーブルを片づけているアルバイト風の男子に注文をとらせていた。とんかつがくるまで。真紀先輩は「あんた、結婚したら仕事どうするの?」「このまま仕事は続けていこうかなと思ってます。それより、真紀先輩、私と同じ名前だからって、あんた・・・はやめてくださいよ」「じゃぁ、真紀ちゃん」私たちはくすくすと笑って微笑みあっていた。そんなときとんかつがやってきた。ほくほくの湯気がたっている。「いただきます。私をこれを食べて、来週こそは1位になってやるんだ」「そうですね。私も結婚も仕事も頑張らなくちゃ」とんかつを前にそれぞれを思い入れを言葉にして、一口食べてみた。
肉汁がじゅわぁと口の中に広がり、キャベツの千切りも小鉢もお味噌汁もころももごはんも調和していたけれど、とんかつだけで頂くほうが、とんかつの肉のエネルギーがどんどん美味しくいただけるような気がした。ソースタレも二種類あったけど、真紀先輩はシナモン、私はフルーツ野菜をかけてみた。「これで、来週も勝つ!!」「これで、負けません!!」私たちはとんかつに大満足して、ふたりで笑っていた。身体もあっつくなって、お会計をして、そのまま「美味しかったね」なんて話ながら、エレベーターで1階まで行き、そのまま、真紀先輩と別れた。「気をつけて帰ってくださいね!!」「わかってるって、またね!!」私は、真紀先輩が元気を取り戻したようにみえて、ほっと安心した。私も結婚式までのカウントダウンがはじまっているし、勝ち組のウエディングをやるぞという気持ちにもなれた。「ゆずれないものがあると強くなれるよ・・・」といったのは真紀先輩で「守りたい人がいると強くなれるような気がする・・・」と言ったのは私だった。私はこの街が好きでビルだらけで自然もなにもないけれども、ここで成長させてもらえたような気がする。また来週・・・また来週・・その繰り返しだけれども、私はまた勝つために生きていこうと思う。家路につくながら、バスのなかで、「とんかつ伊勢」の味を思い出して、本当に美味しかったんだなぁと思わず笑ってしまって、また勝つをもらいに行こうと思った。深夜バスの時間にあったのもほっとした。夜の新宿の街を歩く。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン