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染井 ヨシノさん

高校では美術部に所属しています。よく短文のポエムなどを考えて、自分で挿し絵を描いて楽しんでます♪短文では恋愛小説を書くのが一番書きやすいので、なかなか長文を書いたことがないし、続きません。私の通う高校が水産関係なので、学んだことを取り入れた小説が書けたらなぁ…って考えてます。最近は、猫にはまって写真をとっているので、動物視点の作品もおもしろいかも…と奮闘中です!初心者ですが、感想など頂けるとありがたいです!!暖かい心でよろしくお願いします!

性別 女性
将来の夢 まだ未定?
座右の銘 明日に期待するなら 今日を必死に生きなさい

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確信犯

14/03/10 コンテスト(テーマ):第五十二回 時空モノガタリ文学賞【 勇気 】  コメント:0件 染井 ヨシノ 閲覧数:907

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「どうして彼を殺害したのですか?」

「理由なんてありません。」

「彼は同級生じゃないですか。友達なのに…」

「友達じゃありません。少なくとも、僕はそう思っていません。」

「なぜ?」

「その理由は簡単です。」

「それは?」

「彼が最低な人間だったからです。」

「最低、とは。」

「彼は、同じクラスの男子をいじめていました。理由は些細なことです。いつも大人しいということだけで、彼はいじめの標的にして暇つぶし程度に殴ったりして笑っていました。」

「それで止めるために殺したと?」

「いいえ、違います。救うためです。」

「いじめられていた人をですね。」

「いじめていた彼をです。」

「どういうことですか?」

「彼のしたことは最低です。あのまま放置していたら、きっと誰にも止められず彼は自分の過ちに気づかないままでしょう。そうしたら、彼はもはや人として生きられなくなります。だから、僕が救ってあげました。きっと感謝してるはずですよ。」

「…君は、自分がしたことの重大さがわかっていないのですか?」

「なにがでしょうか。」

「救うため、そういいましたね。ですが、人を殺害しているのですよ。罪悪感は?後悔はありませんか?殺害しているのです。罪を犯しているのです。」

「罪?僕は罪なんて犯していません!なぜ責められないといけないんだ!」

「落ち着いて。では、君は彼の殺害について何も感情は抱いていないということですね。」

「…はい。」

「彼は君に救われたと、君はそう思っているのですね。」

「はい。事実ですから。」

「なぜそう思うのですか?」

「…それはさっき言った通りです。」

「では、聞きますが。彼の気持ちがなぜ君に分かるのですか?」

「それは…」

「私には、君の考えや気持ちが理解できません。私と君とでは考えは違います、人格が違います。なのに君には彼の気持ちがわかる。すごいことですね。彼は殺されて喜んでいる、と。では、君が彼の立場で同じ状況だとまったく同じことを考えるのですか?救われるために殺されたいと。」

「…」

「君は、自分が間違いを犯せばすぐに殺されたいのですね。」

「違う…」

「救われる。感謝しているのですね。」

「違う!!」

「違います…違うんです。」

「君が最初に言ったじゃないですか。」

「僕は、殺されたいなんて思いません。僕は悪いことなんてしていません。彼とは違います。いじめなんてしていません。」

「殺すことは悪いことじゃないのですか?」

「それは、いや、そうじゃ…ぼ、僕はそうじゃなくて…っあ、えぇとでも違う違う、違うんですよ。僕だって。」

「僕だって?なんですか。」

「苦しかったんです。彼の存在が怖かったんです。いつ自分がいじめられるか、毎日不安で不安で息苦しくて。たまらなかったんです。」

「それに、あなたが言ったじゃないですか。勇気を出せと。」

「ええ、たしかに言いました。」

「だから僕は勇気を出しました。」

「勇気?」

「自分を殺して、感情を殺して。彼を止める勇気を。」

「いいえ、違います。」

「君が手にしたものはそれではありません。」

「止めれたじゃないですか!」

「君は、1番持ってはいけない勇気を手にしたのですよ。」

「?…なんですか?」

「現に、人を1人殺している。人が人らしく生きるためには、必ず抑えられる衝動が君には止められなかった。」

「意味がわかりません。僕は、警察に捕まるのですか?」

「いいえ、大丈夫ですよ。」

「彼を突き飛ばした後に、不安であなたを呼んだけど、僕を警察に行かせる為に来たんじゃないのですか?」

「警察?それはありえない。もう、彼のことは自殺に仕立てていますから。私が話さなければ君は捕まらない。それに、私は君を警察に引渡すつもりもありません。」

「ほ、本当ですか?」

「君が彼を救ったように、私も君を救ってあげます。ただし、条件付きですが。」

「なんですか、教えてください。感謝しますから。」

「それは…明日からのお楽しみですよ。私も丁度退屈していたところなんです。そんな時に君を見つけた。まさか、こんなにうまくことが進むなんて思ってもみなかったですが。」

「…え?」

「君に、拒否権はありません。私に服従してください。それだけでいいです。それだけで。」

「ありがとうございます。どうか警察には言わないでください。僕は何をすればいいですか?」

「そうですね…」


「それでは明日、9時にまたここへ来てください。」







「人間はどれくらいの苦痛に耐えられるか、1度試したかったところなんで。」


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