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五助さん

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天井を支える四人

14/02/27 コンテスト(テーマ):第五十二回 時空モノガタリ文学賞【 勇気 】  コメント:1件 五助 閲覧数:1126

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「大丈夫か!」
「はい」
「真っ暗じゃないか」
「なんの音だ」
「落ちてくるぞ!」
「うわ、うわああ! 支えろ! 落ちてくるぞ!」

「大丈夫か!」
「僕は大丈夫です、天井ですよね。これ」
「そのようだ。何が起きた」
「わからん。揺れて、電気が消えた」
「地震かなにかか」
「あるいはテロか、手抜き工事って線もあるな」
「ほこりっぽいですね」
「その後、音がして天井が落ちてきた」
「この天井、支えてないとだめかい」
「その方がいい」
「何人いるんだ」
「たぶん四人」
「声を出していない奴がいれば別だが」
「声を出してない奴いないかー」

「いないようだな」
「いや、だまってて、出し抜こうって考えかも知れないぜ」
「なにをだ」
「意識がない状態かも知れないよ」
「これからどうする」
「助けを待つしかないんじゃないのか」
「移動した方がいいのでは」
「支えていないと天井が落ちてくるかも」
「ここは、みんなで自己紹介をするというのはどうだろう」
「必要ない」
「ああ、知られてない方がいいってこともあるしな」
「一人で先に逃げる時とかか」
「なにいってんだよ。でも、助けを呼びに行けって言われれば行くけどな」
「先に助かりたいだけじゃないのか」
「なんだと」
「出口はどこにあるんです」
「うん?」
「暗くて何が何だか、光があるぞ」
「小さいですね」
「ああ」
「非常階段の光ですかね」
「あの辺りに階段があった」
「あそこまで行けば、外に出られるかも」
「見てこようか」
「いや、私が、あんたは信用できない」
「なんだと!」
「まぁまぁ、二人とも、こういうのはどうだろう、みんなで天井を支えながら移動するというのは」
「そうだな、それでいこう」
「ですね」
「ああ」

「ゆっくり行こうぜ」
「天井が軽くなってないか」
「そういえばそんな気が」
「戻りましょう」
「なんでだ」
「天井が傾いているのかも知れません」
「だからなんなんだよ」
「天井が崩れるかもしれないじゃないですか」
「そんなのわからないだろ。崩れないかも、崩れても、影響がないかも知れん」
「出口付近の天井が崩れたらどうする」
「じゃあ、おまえらだけ元の場所に戻れよ。そこで支えてろ」
「ふざけんな! 俺らを人柱にする気か!」
「笑えない冗談ですね」
「どうすんだ。行くのか戻るのか」
「しばらくここで考えてみては」
「戻って考えましょう」
「あと少しじゃないか。あの光の正体がわかるんだぜ」
「おい、なんか音がしないか」
「まずいな、やっぱ戻ろっか」
「揺れてるぞ!」
「早く戻りましょう!」
「くっ、重い」
「うわぁああ」

「おい、大丈夫か」
「ええ、すっごいほこりですね」
「クソ重いぞ」
「天井が一部崩壊したようだな、見えないが」
「なんで重くなってんだ」
「バランスが崩れて、重さがこっちに来てるのかも知れません」
「そんなに微妙な状態だったのかよ」
「これじゃあ、動くこともできん」
「天井ってのは人間の力で支えられるもんなのか、だいたい、ずり落ちてくる構造になってるのか」
「現にずれ落ちてきてますし、支えてますよ」
「試しに手を離してみるか。案外もつかも知れん」
「やってみるかね?」
「いや、恐くてできん」
「そうですね」

「あの光、なんなんだろうな」
「ひょっとして、俺たちとっくの昔に死んでいて、あの光はあの世への道しるべだったりして」
「非常階段の誘導灯ですよ」
「そうかな、白っぽくないか」
「カバーが割れたんですよ」
「外の明かりが漏れてるだけかも知れん」
「階段が埋もれてる可能性もあるな」
「うるせぇ!」
「なんだよいきなり」
「うるせぇよ! 非常階段なんだよ! あるんだ出れんだよ! う、うるせぇー!」
「なぁ、落ち着こうぜ。なぁ」
「すいません」

「ふぅ」
「少し休みますか」
「いや、まだ大丈夫だ。だけど、このままずっとこの姿勢でいるわけにはいかないよ」
「そうですね」
「もう一度、みんなであの光を目指すわけにはいかんかね」
「また崩れるかも知れません。たどり着けたとしても、あの光が出口かわかりませんよ」
「さっきは非常階段だって言い張ってたじゃないか」
「冷静に考えれば、違う可能性だって十分あります」
「行ってみないとわからんな」
「このまま待っていたら、助けが来るかも知れないぞ」
「来ないかも知れない」
「行くも勇気、とどまるも勇気、か」
「腕がだるいな」
「誰かが走り出せば、みんな走るしかないな」
「いずれそうなるかも知れませんね」
「問題は、誰が一番かだ」
「一番生き残る可能性が高い」
「残された人間が死ぬとも限らないよ」
「一番最初に逃げた人間は、社会的制裁を受けるかも知れないな、みんなを見殺しにしたんだから、なぁ」
「なにか音が聞こえないか」
「……」


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このストーリーに関するコメント

14/03/06 かめかめ

え!?
途中ですか?なんか続きそうなんですけど

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