1. トップページ
  2. 採点ミスが連れてきたもの。

ナツさん

昼ドラ系も、ほっこり系も、大好きです。 拙い文章ですが、読んでいただければありがたき幸せ… ぜひ、ご賞味ください・Д・ノ

性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの作品

1

採点ミスが連れてきたもの。

14/02/25 コンテスト(テーマ):第五十二回 時空モノガタリ文学賞【 勇気 】  コメント:1件 ナツ 閲覧数:1373

この作品を評価する

  爽太は放課後、クラブ中に怪我をしてしまい保健室へと向かっていた。バスケットボール部の彼は試合中ぼうっとしてしまい他の選手と接触して点灯してしまったのだ。
「爽太…なんかあったんか?」
彼が体育館に戻ると親友の健斗が近寄ってきた。
「心配かけてごめん、何もないから。」





休憩のホイッスルがなり、爽太はスポーツバックから水筒を取り出そうとした。鞄に突っ込んだ手に当たるのはクシャクシャになってしまったテスト用紙。解答返却だった昼間に帰ってきたものでそこには赤い字で72点とあった。さほど頭のいい方ではない彼がこんな点数を取るのはあり得ないことだった。
「やっぱり……いや、でも……」
先生の採点ミスだとわかっていた。あきらかに10点以上も間違っている。言うべきか、知らんぷりすべきか。
先ほどの怪我はそのような事が頭にあったせいだった。
「お前やっぱりなんかあったやろ。」
健斗が急に手元を覗いてきたので解答用紙を隠す暇がなかった。彼は爽太の手にあった髪を見ると広げた。
「お前…」
「…あ、いやそれは…」
どうやって言い訳しようか、軽蔑されるかもしれない。
「お前…すげぇな!がんばったんか〜」
「え、あ、うん…」
嘘が嘘を呼ぶ。積み重なったそれは元に戻せない。






「爽太くん。怪我もう大丈夫?」
保健の先生が様子を見に来た。様子が明らかに可笑しいのは彼女から見てもわかった。その上できちんと確認したかったのだ。
「…爽太くん、何か隠してない?」
「か、隠してませんよ。何も。」
「先生の先生が言ってたんだけど…嘘は早めになくした方がいいんだって。時間が経てば経つほど、ぶくぶく太って取り返しがつかなくなるんだって。」
「…」
「全ての嘘が悪いとは言わない。でも、時に嘘は他人はもちろん自分まで傷つけるのよ。」
「…俺…俺の友達が。友達が、テストの採点ミスを言えずにそのままにしてて。それで…俺にどうしたらいいかって聞いてきて…」
「そう。じゃあそのお友達に言ってあげて。今からでも遅くないって。」
それだけ言うと彼女は白衣のポケットに手を入れて保健室に戻って行った。…今からでも遅くない…本当にそうだろうか。でもこのままいても…




「あのさ健斗。俺…」
友達を失うのを覚悟で話した。話し始めると彼の眉間にはシワがより、爽太も自分の過ちを悔いた。それでも彼は最後まで黙って聞いていた。
「…ってことなんや、黙っててごめん!」
頭を上げられない。絶交とでも言われるのだろうか?怖かった。
「…なーんや、そんなことかよ。やっぱそうやと思ったわ。ありえんやん、お前がそんな点数。」
「ごめん、ほんまにごめん…」
「俺に謝んなよ。先生に言いに行きゃいいやん。一緒に行こか?」
「ありがとう…」

    先生のもとに持っていくと特に咎められることはなかった。採点ちゃんとしなくてごめんな。彼はそれだけ言うと赤ペンで正しい点数を書いた。

「ってか俺とあんま点数変わらんやん。」
「俺があんな点数取れるわけないやろ…やっぱり本当のこと言ってよかったのかもな。今俺すげぇスッキリしてる。」
「…よかったやん。次からはちゃんと言えよ!」
「わかってるって。健斗もな。」




    間違いを正すのも、嘘をさらけ出すのも、一歩踏み出すのも勇気がいる。でもそれは1人でそう簡単に出来ることじゃない。友達や支えてくれる誰かのおかげなんだと思った爽太は、そんな人たちを大切にしたいと思った。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

14/03/10 かめかめ

いいともだちや〜

ログイン