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石蕗亮さん

占師。および魔術師。 WEB幽にて怪談投稿してました。 弟子育成の経験や実体験を基にした不思議な話を中心に書いていきたいです。 沢山の方に読んで頂き、反論含めコメント頂けると幸いです。

性別 男性
将来の夢 作家、起業
座右の銘 人は言葉に置き換えれるものしか理解できない。置き換えた言葉でしか理解できない。

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赤点席 【WEB幽より】

14/01/30 コンテスト(テーマ): 第二十四回 【 自由投稿スペース 】  コメント:1件 石蕗亮 閲覧数:2234

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 うちの大学にある怪談話に「赤点席」というのがある。
どんなに成績優秀な奴もその席で試験を受けると赤点を取るというものだ。
先輩の先輩のそのまた先輩の代から言い伝えられ、学内では知らない人のいない有名な話である。
試験期間は誰もその席に座りたくないため、早くから教室に入り席を取る。
大抵試験時間ぎりぎりに来る奴や遅れてくる奴は端から点数を気にしないような奴らである。
そんな奴がその赤点席に座っても誰も可哀相とは思わなかった。
 ある時、朝から腹の調子が悪く試験日に遅刻をした。
いつものように仲の良い友達が席を取っていてくれると思っていたが、その時は確保できなかったらしく赤点席しか空いていなかった。
縁起悪、と思いながら仕方がなしに席に着いた。
試験用紙を表にし、いざ臨もうとした矢先、もぞもぞと腹部に何かが当たる感触があった。
何だ? と思いながら視線を落とすと、机の中から手が出ていて腹の辺りをまさぐっていた。
ざわっと一気に全身に鳥肌が総立ちし声を上げそうになったところで金縛りになった。
視線をそらすこともできずに、机の中から出ている手を見ていると、ずるぅりと腕まで出てきて腹にしがみつくように手を後ろに回していった。
このままでは次に出て来るのは顔であることは明白であった。
 見たくない! 見たくない!
気絶できればいっそ楽になれるかもしれないがそれもできず、恐怖が頭を支配していき気が触れそうになった。
「違った」ぼそりと机の中から声がした。
「変な汗かいているから不正でもしているのかと思ったが、体調が悪いのだな」
そう言うと手が服を通り抜け身体の中に入った。
直後、具合の悪かった腹がすぅっと軽くなった。
「試験がんばれよ」またもぼそりと声がして手が机の中に引っ込んだ。
金縛りもいつの間にか解け、その後は嘘のように頭が冴え苦手だったその教科は好成績の結果となった。
 後から思うに、あれは悪いものではなく勉学の神の一種なのではないのだろうかと思った。
あの後何度かその席に座ってみたが、二度と手が出てくることはなかったし、赤点を取ることも無かった。
不正を働く奴に限り赤点という罰があたるものだと思った。


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14/01/30 石蕗亮

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