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欽ちゃんさん

僕の作品を読んで何か感じるものがあるといいです。 気が向いたら良し悪し問わず、コメントいただけると嬉しいです。

性別 男性
将来の夢 顔が笑いじわだらけのじいちゃんになる
座右の銘 明日会えるけど今日も会いたい

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再ブレイク

14/01/26 コンテスト(テーマ):第四十八回 時空モノガタリ文学賞【 昭和 】 コメント:4件 欽ちゃん 閲覧数:1799

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「なぁもう一度売れようや。俺らがコンビ組んだら絶対に売れるって!」

居酒屋「昭和」
薄暗い居酒屋の一番奥の個室。
4人掛けの席に、エリマキトカゲと招き猫は向かい合って座っていた。

エリマキトカゲは招き猫に熱く語る。
「もう一回売れたいねん。なぁわかるやろ。子供も嫁も食わせていかなあかんねん。
俺らが組んだら絶対売れるって!
エリマキトカゲと招き猫のコンビやで。他におらんやろ」
「イヤにゃ」
「何で嫌やん。俺、CMでめっちゃ売れてんねんで」
「あれにゃんのCMにゃ?」
「自動車やん。三菱の自動車やん!俺の走りを車に見立ててんで。
めっちゃかっこええやん!」
「しらにゃい。あのCMがにゃんて言われてるか知ってるにゃ?
『史上、最も有名で効果がなかったCM』って言われてるにゃよ。
しかもエリマキトカゲブームが1年経たずに終わるって早すぎにゃ。
自動車より速いにゃ」
「何うまいこと言うとんねん!あの頃は偏食やってん。育てにくかってんて。
もう葉っぱも食べるし、穀物も食べる。な、努力してるやん。
お客さん、育てやすいでっせ」
「誰に言ってるにゃ?たぶん見た目が気持ち悪いからだと思うにゃよ。
にゃんで僕にゃ?」
「そこや!あのな、最初はウーパールーパーに声かけてん。でも水から出られへんねん。俺、水面は走れるけど水中はあかんねん。
あと、鶴な。数が少なくて日本政府から許可がおりひん。
他にはパンダな。あいつ目がマジやねん。笑福亭鶴瓶さんとおんなじや。あれ殺し屋の目やで。
で、猫ならいけるかなって思ったんや」
「猫なら、なめ猫さんがいるにゃよ」
「めっちゃ気ぃ強いやんけ!エリマキ見ただけで『なめんなよ』って何やねん!
それと比べてお前は目がぱっちりやん。かわいいやんけ」
「そうにゃんですか。。。」
「せや、ちょっと見てや。ひとつ考えてきてん。一発ギャグや。いくで」
「にゃんですか?」

エリマキトカゲはおもむろに立ち上がり、招き猫を背に向けた。
振り返りざまに襟巻を全力で広げる。

「エリマキ、バサー!!」
「・・・にゃっちまいましたね。それ梨汁ブシャー!のパクリにゃ。ふなっしーだにゃ」
「向こうがパクリや!俺の方が先やって!お前のも考えてきてん」
「期待しにゃいでいます」
「猫背、ピーン!!」
「あ、鰹節の炙り追加。ネギ抜きでお願いにゃ」
「見とけやー!!スルーすなや!!」
「僕はやらにゃい。おもしろいと思わにゃい」
「コメントがえげつないな。これどうや。エリマキトカゲあるある〜♪」
「ポジティブにゃんですね」
「雨が降ったら顔だけ濡れる〜。あるある〜♪
全盛期なのにグッズが全然売れへんかった〜。あるある〜♪
襟巻取ったらどうなるか。エリナシトカゲ〜。あるある〜♪」
「あの、ちょっといいかにゃ。全然共感できにゃいし、最後のあるあるじゃにゃい。
ただのトカゲにゃ」
「何でわからんねん!エリマキトカゲは爆笑やで。襟巻をバサバサさせて笑うで」
「日本じゃ売れにゃいにゃ」
「売れる!絶対売れる!時代が来とんねん。ハーフ芸人ブームやろ?
二人ともハーフやねん。俺はエリマキとトカゲ。な、お前は招きと猫のハーフ」
「僕はハーフじゃにゃいです。エリマキトカゲさんもエリマキとトカゲの子じゃにゃいですよね」
「細かいな〜。言わなわからへんやんけ」
「だからブームに乗れにゃかったにゃ。コンビは組みたくにゃい。
僕食べるのに苦労してにゃいし、今も人気あるにゃよ」
「もったいないなぁ。おし、コンビ組めへんのはわかった。ほんならタイムマシン作ろ」
「にゃんと?」
「売れてた時代に行くねん」
「今から鉄格子の付いた病院に行くにゃ。ぶっとんでるにゃ。」
「何やねん、さっきから。ほんなら俺に幸運招けや。
ケチケチせんと両手上げて幸運を招きまくれや」

招き猫は両手を上げる。

「エリマキトカゲさん、僕、お手上げです」
「何うまいこと言っとんねん!何うまいこと言っとんねん!2回言うてもうたわ!」
「あのにゃ、僕はチャンスを与えることはできますけど、
結果を出せるかはエリマキトカゲさん次第にゃんです」
「わかった。ほんならチャンスくれや」
「もうチャンスを与えてるにゃ。時代は常に回ってるにゃ。ブームはまた来るにゃ」
「ほんまか!めっちゃええこと言うやんけ!ありがとうな!!」
「次に来るブームはトカゲブームにゃんだけど」
「な゛っ!!!!!!??」

居酒屋「昭和」
薄暗い居酒屋の一番奥の個室。
閉店後のそのテーブルには、エリマキだけがそっと置いてあった。


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このストーリーに関するコメント

14/01/26 クナリ

エリマキトカゲのブームを知らない自分ですが、一時期有名だったと聞いたことがあります。
車のCMだったんですね。
あと、パンダの目が怖いのも同感です。…熊ですもんね。
乗り気じゃないはずの招き猫との会話が、それなのにしっかり掛け合いになっていて、面白く読めました。

それにしてもすばらしいラストです。

14/01/27 朔良

欽ちゃんさん、こんにちは。
拝読いたしました。

招きと猫のハーフってなんやねんそれー! と心の中で突っ込みを入れてしまいましたw
エリマキトカゲと招き猫の掛け合い、軽妙でそれぞれに味があってとっても面白かったです。
最後、まさか、そう来るとは!
エリマキトカゲの芸人魂(?)に脱帽です!
ふたりが再ブレークできるようにお祈りしてます。
楽しかったです、ありがとうございました!

14/02/02 欽ちゃん

クナリ様
コメントありがとうございます!
そうなんです!パンダはかわいい顔しても熊なんです!
共感していただけてありがたや〜。
でも尻尾が白いのはかわいいですよね(笑)

14/02/02 欽ちゃん

朔良様
コメントありがとうございます!

エリマキトカゲは、ベテラン芸人だけど気持ちは若手芸人のイメージ!
なので、芸人魂が伝わってよかったです。
何でも擬人化すると愛嬌が出るんですよね。
笑っていただけたなら満足!

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