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夕張メロン 涙の思いで

13/10/21 コンテスト(テーマ):第四十三回 時空モノガタリ文学賞【 スイーツ 】 コメント:7件 プリオ 閲覧数:1390

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私が7歳の頃の思い出です。
当時の私は、メロンが世界で1番おいしい食べ物だと思っていました。
緑色の宝石の様なアンデスメロンをはじめて食べたとき、
「この世にこんなにおいしい食べ物があったなんて!!」と感激したのをよく覚えています。
メロンを食べさせてもらう時は、一口一口噛み締め、皮に残ったわずかな果肉にまでしゃぶり付いていたほどです。

ある日、母と一緒にお友達の家に遊びに行き、メロンをおやつに出されたことがありました。
「こんなすばらしいものをおやつに出してくれるなんて!今日はなんてすばらしい日なんだろう!」と感動し、いつものように皮にまでしゃぶり付いてしまいました。もちろん母もお友達もどん引きです。
そのお友達とは今でも仲良くしており、当時、彼女はそんな私を見て、
「プリオちゃんの家は貧乏なんだ。。。」と思ったらしいです。

ある日、私が学校から帰ってくると冷蔵庫の中にメロンが入っているのを見つけました。
大喜びで母に「メロンがある!!メロンどうしたん??」と聞くと、
「北海道のお土産でもらったから、晩ご飯の後に食べよな。」と言われ、晩ご飯の間もメロンに心奪われながら、ず〜っとワクワクウキウキして過ごしていました。
晩ご飯の後、メロンを切っている母の後ろからのぞいてみると、
なんと果肉がオレンジ色!!こんなの見たことない!
夕張メロンをはじめてみた私は、そのオレンジ色に衝撃を受け、それはそれは美味しそうに見えました。
これは今まで以上に美味しいに違いない!
と、期待に胸を膨らませ、母がお皿に載せて行くのを見守っていました。
我が家は、父,母、私、弟、の4人家族です。4人分のお皿に載せられたメロンを、私は少しでも大きいのはどれかな〜?と見ていました。
その時、悲劇が起こりました。そんな私の姿を見た父が、
「意地汚いことすんな!!もうお前は食べるな!!!」と怒鳴ったのです。
私は地獄に突き落とされたような恐怖を感じ、泣いて謝りました。
しかし、父は許してくれませんでした。
私の大切なオレンジ色のメロンを目の前で食べられてしまう悲しみに耐えきれず、私は寝室に逃げ込み、泣きじゃくりました。その間も、本当に私だけ食べさせてくれないのかな?本当は私の分とっておいてくれてるんじゃないかな?という淡い期待と、でも、今日、あのオレンジ色の素敵なメロンを食べることができなかったら一生食べることができないんじゃないか?という恐怖をかかえ、とにかく私は寝室で泣き叫んでいました。

しばらくして、母が様子を見にきてくれました。私は母に飛びつき、
「プリオのメロンどうなった?誰が食べたん??」と泣きはらした目で聞くと、
「お父さんが食べてた。でも、そんなに美味しいメロンじゃなかったよ。」と母は慰めの言葉をくれました。
しかし、私にはちっとも慰めにはならず、よりいっそう激しく泣きじゃくり、
プリオはこんなひどい仕打ちをされるほど悪いことをしたの?お父さんは絶対プリオのことが嫌いなんだ!と思い、味わうことができなかったオレンジ色のメロンをただひたすら思い、泣き続けました。
その後、「大人になったらたくさんお金を稼いでおなかいっぱいメロンを食べる!」ということが私の夢となりました。

大人になった今、普通に働いている私はもちろんその時の夢を叶えることは可能です。ですが、たとえ叶えたところであの時食べ、感動したであろう感動を味わうことなどできません。
大人になってしまった私は、子供の頃ほど食べ物に執着心がないし、世の中には他にも様々なおいしい食べ物があることを知ってしまったからです。
あの時父は、私の意地汚さを正す為に、心を鬼にして私にだけメロン抜きの刑を執行したのだと思いますが、残念ながら私にはメロンを食べさせてもらえなかった恨みと悲しみしか残りませんでした。さらに、今度からはばれないように大きいのを探そう、という思いが芽生えました。
食べ物の恨みは恐いといいますが、大人になった今でもこうしてしっかりと記憶しているのですから、本当に恐いです。父が覚えているかどうかは聴いたことがありませんが。

私も親となりあの時の父の気持ちを考えると、愛する我が子にあの様なひどい仕打ちをするにはよっぽど子供との信頼関係があるか、子供に愛情がないかでないとできないと思います。
なぜなら、そんなことをしたら子供に嫌われる、恨まれる、という恐怖があるからです。親は子供の喜ぶ顔を見るのは最高の喜びですから。それを自ら奪うのは心苦しいです。

子供の時にしか味わえない感動は、食べ物に限らずたくさんあると思います。
大人はそのことを忘れてしまいがちなのかもしれません。しつけをする時は私も気をつけようと思います。
意外と子供は大人になってもしっかりと覚えているものですから。





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このストーリーに関するコメント

13/10/22 アミノウォッシュ

夏のスイカ割りで、弾け飛んだ果肉が黄色で驚いたことを思い出しました。
読んでいて懐かしい気持ちになりました。

子供の頃の食べ物の記憶は不思議ですね。
私の場合、駄菓子がこのお話に類似するかなと思います。
大人買いで食べ進めてみると、なんだこんなものかと感じた覚えがあります。

年を重ね、ある程度のお金を手にすると
大きいものより小さいモノの方が美味に感じることが多く
もしかしたら子供の心を失ってしまったのかなと、考えさせられました。

13/10/22 リードマン

私は毎日、私の連れから、かなりハードな調教を受けておりますw ですが、キチンと感謝しておりますよ?

ところで私もまたメロンが大好きなのですが、なんと、悲惨な事にメロンアレルギーなのでしたw

13/10/23 プリオ

今回、はじめて投稿させていただきました。
真面目に文章を書くのは学生以来で、文章を書いていると小学生の頃の作文の時間をよく思い出しました。最後まで読んでくださってありがとうございます。

>ジェームスさん
子供の頃は感受性が強いし、はじめての経験がたくさんあっていろんなことに感動していましたね。
確かに、今は小さなことに感動することの方が多くなったように思います。
黄色いスイカのスイカ割り、珍しいですね!
私はまだ体験したことがありません。
今、見たとしても「黄色だ!」とちょっとびっくりしてしまいそうです^^

13/10/23 プリオ

>リードマンさん
きちんと感謝できてるならいいですね。うちの父はとても厳しい人で、よく叱られたりぶたれたりしましたが、子供の頃の私は感謝できなかったです。
ですが、そんな育ち方をしたせいか今の私は厳しい状況になると負けるものか!とかえって頑張ってしまいます。
リードマンさんもメロンお好きなんですね!なのにメロンアレルギーなんてかわいそうに。。

13/10/23 リードマン

不屈の意志をお持ちなのですね。最強の力です、大切にして下さい。

そうなんですよ〜(涙) そういった時は、ジュースなどで代用しております。 牛乳でも同じ事が、腹を下してしまうのですw

13/10/23 プリオ

>リードマンさん
どんなにつらい経験でも、何かしら得るものがあるという感じですね。
食べ物のアレルギー、てつらいですね。
私は太陽にあたると肌が真っ赤になる、太陽アレルギーです。

13/10/23 リードマン

なんですと、アダムの事はキツク叱っておきます! 大体あのバカは無節操に輝き過ぎなのです!(怒)

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