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鮎風 遊さん

この世で最も面白い物語を見つけ出したい。 そのために、ひとり脳内で化学反応を起こし、投稿させてもらってます。 テーマに沿った個別物語の他に、いくつかのシリーズものをコツコツと書き続けさせてもらってます。 その主なシリーズものを紹介させてもらいます。  ☆❤☆❤☆ 新シリーズ 『ツイスミ不動産』 __ 2017.07.16よりスタートさせてもらいました。 カサリンとクワガタ野郎があなたが求める終の棲家を紹介いたします。  ☆❤☆❤☆ 『刑事 : 百目鬼 学(どうめき がく)』 __ 2017.05.21 ただ今、27話 __ 1話完結の2000文字推理小説です。この少ない文字数の中で、百目鬼刑事と部下の芹凛(せりりん)がいかに事件を解決していくか、その醍醐味を味わって頂ければ、光栄です。 これからも引き続き難しい事件に挑戦して参りますので、よろしくお願いします。  ☆❤☆❤☆ 『漢字一文字の旅』 __2017.04.04 ただ今、連載41__ 漢字にまつわるエッセイです。  ☆❤☆❤☆  『歴詩』 __歴史上の人物になりかわって、その波瀾万丈の生き様の思いを詩に綴らせてもらってます。 本作品については、フォト音(on)小説という形で、you tubeにもUPさせてもらってます。 詳細はこちらHPです。  ☆❤☆❤☆  http://ayukazeyuu.net/index.html  ☆❤☆❤☆                         よろしくお願いします。              

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都市伝説 金運パンニャ

13/10/19 コンテスト(テーマ):第四十二回 時空モノガタリ文学賞【 都市伝説 】 コメント:4件 鮎風 遊 閲覧数:2372

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 以前、「猫」のテーマで一度登場させてもらった、ビンサラ(貧乏サラリーマン)の直樹です。新たな展開を紹介させてもらいます。

 さて、学生時代に未確認生物同好会のリーダーをやっていた旧友の浩二、久し振りに出逢った時に言いました。
 山奥に──パンダ猫──がいると。
 そいつは孤独を好み、喉をゴロゴロ鳴らし、その辺を徘徊する。だけど小判には興味を示さない、とまことしやかに解説してくれました。
 それを聞いて私は、そんなのただの野良猫じゃん、と言い捨ててやると、毛色は白黒のツートーンカラー、目の周りは黒く、尻尾は丸く、ゴロンと上を向いて楽しそうに遊んでるんだよなあ、と目を細めました。私は、それはパンダだろ、と頭から馬鹿にしてやりました。
 すると浩二のヤツ、パンダ猫は福を招く招き猫と、客寄せパンダ、それらが合体した──この世で最強の金運アニマルだよ、どうだ飼ってみたいだろ、と私を窺ってきました。
 私はビンサラ、金運を呼び込むパンダ猫がいるとは……、そいつを取っ捕まえさえすれば、貧乏から抜け出せる、と嵌まりました。
 それからのことです、休日にはリュックを担いで、パンダ猫を探し求めて、山へと出掛けて行きました。
 しかし、難しいものですね、未確認生物を発見するって。もう諦めようかなと思い始めた頃のことです。携帯が掛かってきたのです、浩二から。

「直樹、ついに発見したぞ、パンダ猫を!」
 浩二の声が震えていました。私もそれで心臓が止まりそうになったのですが、気を落ち着かせて、「どこに?」と尋ねました。すると浩二が信じられないことを口にしたのです。
「お前のアパートの近くの公園だよ。月夜に、パンダ体型、いや福々しいお姉さんが、そいつを鎖で繋いで現れるとか」
 これはきっと眉唾ものだ。私はそう直感し、「黒猫に白ペンキ塗ってるだけだろ」と返すと、「お前バカか、偽物は普通白猫に黒ペンキだよ。その方がペンキ代が安くつくんだよ」と、浩二はまるで経験者語るでした。
「だけどなあ、今回は本物だよ」と浩二は自信たっぷり。これに押し切られて、「今夜確認するよ」と私はケイタイを切りました。

 真夜中のことです、私は公園へと出掛けました。中天には弓張り月があり、青白い光を発しています。
 そんな仄かな月明かりの下、公園の奥へと歩き進むと、一人の女性が……。
 確かに福々しいそうだと見て取りながら、さらに近付いて行くと、女性はベンチに座り、芝生の上で、体長は60センチ程度の小動物を遊ばせているではありませんか。
 どうもそれは犬でも猫でもないような……、まるでラッコのように上を向いて転がり、遊んでます。さらに目を懲らすと、目の周りに黒い縁取りがありました。
 私は、これぞパンダ猫ではないかと、女性に確かめました。
「可愛いですね。何という動物ですか?」
 女性は私をじっと見詰めてきて、しっかりと答えてくれました。
「ああ、この子ね、──パンニャよ」
「はっ? パンニャ?」
 私は開いた口が塞がりません。そんな私を見て、「この子、ニャオーじゃなくって、パンダを気遣ってのことなのでしょうね、パンニャ、パンニャって鳴くのよ。3ヶ月前に山で拾ってきたの」と説明してくれました。私は山と聞いて、明らかにこいつはパンダ猫だと確信しました。
 そんな時に、女性は白くて平べったい食べ物をパンニャに与えるではありませんか。それを私が不思議そうに見ていると、「あっ、これ、この子の好物よ、──笹カマボコよ」と仰るではないか。
 私はこれを耳にして、「パンダの好物は笹、猫の好物はオトトでカマボコ、それで笹カマか!」とホンワカした感動を覚えました。そして、その心の和みの続きだったのでしょうね、ポロリと口にしてしまったのです。
「お付き合い……させてください!」
 女性にとって突然のことだったのでしょうね。しかし、しばらくの沈黙の後、返事をしてくれました。
「そうね、彼いない歴3年だから、いいわよ」と。

 これって……???
 私はパンダ猫とのお付き合いのつもりだったのですが、ちょっと小さな誤解があったようでして。
 だけど、そんなことはどうでもよくって、結果的に、その夜からパンニャと、そのお姉さん、そう、マキちゃんと同時進行的に──お付き合いが始まったわけです。
 そして、その後判明したのですが、実はマキちゃん、成金一家の娘でして、後日談によれば、お付き合いの理由は、慈善的にビンサラ男を一度飼ってみたかったとか。
 そして今の私、パンニャとマキちゃんに精一杯のご奉仕をし、逆玉一歩手前までこぎ着けました。

 という顛末で、最近のことです。
 世の貧乏サラリーマン、ビンサラたちの間で、一つの都市伝説が噂されています。

 金運パンニャをゲットすれば、成金一家の娘が付いてくる、と。


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このストーリーに関するコメント

13/10/20 そらの珊瑚

鮎風さん、拝読しました。

ネッシーやツチノコとか謎の生物の都市伝説的なものはありましたが、
パンニャってなんだかカワイイですね。
つがいで見つけて、繁殖させて一儲けっていう手もありそうです。

13/10/20 泡沫恋歌

鮎風さん、拝読しました。

貧乏な私もこんな金運を運んでくれるパンニャを飼ってみたい!
どこで見つけられますか?

何んとも、とぼけた味があって面白かったです。

13/10/21 鮎風 遊

そらの珊瑚さん

パンニャ、可愛いヤツですわ。
もう一匹捕まえてこないとね。

13/10/21 鮎風 遊

泡沫恋歌さん

ひょっとすれば家の近くの公園に、
今夜あたりいるかも。

笹カマボコが好物のようです。

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