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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

性別 女性
将来の夢 自分の書いた童話を孫に読んで聞かせたいです。
座右の銘 しあわせはいつも自分の心がきめる

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ぶうたのセーター

13/10/15 コンテスト(テーマ):第十九回【 自由投稿スペース 】 コメント:4件 こぐまじゅんこ 閲覧数:1473

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 ぶうたくんは、いつもブーブー文句を言っているぶたの男の子です。
 おや?今日もまた、ブーブー文句を言ってますよ。何を怒っているのでしょう。ちょっと、のぞいてみましょう。

 ぶうたくんのおかあさんは、一週間前からぶうたくんのセーターを編んでいました。
 ごはんを作ったあとや、ぶうたくんが、お昼寝をしているときなどの、あいた時間をみつけては、せっせせっせと編んでいたのでした。
 今日、やっと、そのセーターができあがったのです。
 真っ赤なかわいいセーター。
 おかあさんは、ぶうたくんが、どんなに喜んでくれるかしら、と、わくわくしながら、
ぶうたくんに渡したのでした。
 でも、ぶうたくんは、セーターを見るなり、
「赤いセーターなんて、ぼく、いやだよ。」
と、ブーブー文句を言いだしました。
 おかあさんは、悲しそうな顔をしています。
「そんなこと言わずに、着てみてちようだい。」

 ぶうたくんは、ブーブー文句を言いながらしかたなく着てみました。
 おかあさんが、あわてて作ったせいか、そのセーターは、ぶうたくんには、少しきつかったのです。ぶうたくんは、
「こんなきゅうくつなセーター、いやだよ。」
と、ブーブー言いました。
 ところが、ぬごうとしても、セーターはぴったりくっついて脱げません。

 ぶうたくんは、怒って家をとびだしました。
 とびだしたものの、行くあてのないぶうたくんは、なんとなく町にむかって歩き出しました。
 途中で、にわとりのバタコさんに会いました。
「おや、ぶうたくん。すてきなセーターを着ているね。けっこう、けっこう。」

 ぶうたくんは、ちょっぴりうれしくなりました。
 ひくい鼻が、少し高くなったみたいです。
 それでも、
「これ、おかあさんが編んでくれたんだよ。でも、ちょっときつくていやなんだけど・・・。」
と、ぶうたくんは、あいかわらず文句を言うことは忘れませんでした。

 しばらく歩いて行くと、犬のコロンに会いました。
「ぶうたくん、そのセーター、かっこいいね。いいなぁ。ぼくに着させてくれないかい?」

 コロンは言いました。
 ぶうたくんは、ほめられて悪い気はしなかったので、
「いいよ。」

 だけど、それからが大変。ぴったりくっついているセーターは、なかなか脱げなくて
ぶうたくんは、ブーブー文句を言い続けながら、ようやく脱いだのでした。

 コロンが、ぶうたくんのセーターを着ると長袖なのに、半袖みたいでした。おなかも半分しかかくれていません。
 でも、コロンはうれしくて、コロコロと笑って言いました。
「ぼくには、ちょっと小さいけど、あったかくて、とてもいいセーターだね。こんなすてきなセーターを編んでくれるおかあさんがいて、うらやましいな。ぶうたくんは、どうしてそんなにブーブー文句ばかり言ってるの?」

 コロンは、ぶうたくんに、セーターを返すと、
「ありがとう。」
と言って帰って行きました。

 ぶうたくんは、そっとセーターを着てみました。
 コロンが着たせいで、セーターはちょっぴりのびて、ゆったりしていました。

 ふと、文句を言った時の、おかあさんの悲しそうな顔を思い出しました。ぶうたくんは、おかあさんに悪いことをしたなぁ、と思いました。
 あんなにきらいだと思っていた色も、夕焼けにそまって、やさしい赤色になっています。
 ぶうたくんは、もう、ブーブー文句を言うのはやめようと思いました。
 急に、おかあさんが恋しくなりました。ぶうたくんは、家に向かって、かけだしました。

 夕日が笑って、ぶうたくんを照らし続けていました。


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このストーリーに関するコメント

13/10/15 泡沫恋歌

こぐまじゅんこさま、拝読しました。

お母さんの編んでくれた赤いセーターを気に入らないと文句を言っても
世界一、心のこもった温かいセーターなんです。

そのことをみんなが気づかせてくれたんですね(笑)

13/10/15 そらの珊瑚

こぐまじゅんこさん、拝読しました。

セーター良い具合にのびてよかったですね!
お母さんは文句をいうのも成長の証し、って内心では思ってますよ。
でも文句をいうのをやめたら、もっと成長したなあっておもうはずです。

13/10/15 こぐまじゅんこ

泡沫恋歌さま。

コメント、ありがとうございます。
ぶうたくんが、気づいてくれてよかったです。

13/10/15 こぐまじゅんこ

そらの珊瑚さま。

コメント、ありがとうございます。
そうですね。母の愛は深いですもんね。

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