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ふぐ屋さん

自分の中に溢れてる言葉を形にしたくて登録しました。 中学から始めた創作活動ももうすぐ25年。 昔の作品含め、皆様に読んでいただけると幸いです。

性別 女性
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賞味期限切れてますか?

13/10/14 コンテスト(テーマ):第四十一回 時空モノガタリ文学賞【 恋愛 】 コメント:3件 ふぐ屋 閲覧数:1343

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御年39歳。正直、限界です。
女の賞味期限切れまで、カウントダウン開始。
いや、もう切れてるのか?

その1、午後10時を過ぎると目蓋が重くなるようになった。
その2、筋肉痛が2日遅れでくるようになった
その3、半年前の切り傷の痕が消えなくなった。


そして、最も深刻な悩み。

その4、恋愛をする事が面倒くさくなった―――。


合コンに呼ばれる頻度の減り方ときたら右肩下がりもいいところ。
アベノミクスは私の恋愛には何の経済効果ももたらしてくれない。

そういえば先日、半年ぶりに職場の子から合コンに呼ばれた。
まぁ、体良くいえば人数合わせ。
しかもいわゆる、【姫コン】というやつだ。


姫、つまり主役の女の子を引き立たせる事が私達サブの役目。


何というか、時代の流れなのか私が20代だった頃にはなかったシステム。
現在の合コンというモノは、合理的に出来ている。


まず、私達サブはお化粧も洋服も控えめに。
そして、一人遅れて到着する姫の評価を事前に上げておくのだ。
【凄く可愛い子だよ〜。】みたいな。
で、主役の姫の登場。
姫が登場したら、まずどの男性が好みかをこっそり確認。
その後は、ただその二人をくっつけるためにひたすら尽力を尽くすのみ。


―――まぁ、私が姫になる日は永遠に来ないとして。



とりあえず、最大限の笑顔を振りまき司会役に徹するのが一番。
食事代は男性陣が持ってくれるわけで、タダで飲み食いできるんだから
ありがたいと思うべきかな。

いや、まぁ…そんな風に思う当たり、女子としてどうよ。



だけど、たまーに、奇跡ってのは誰にでも平等に訪れるわけ、で…。


「藤井さん、ちゃんと楽しんでる?」
「ぇ?」

藤井さん――、て、ぁ、私のことか。

席替えをし、当たり障りなく一番端の席に座ったがその隣に、姫が狙っている男子が座ったのだ。
もちろん、斜め前の席からは今回の姫が般若のような顔をして私を睨んでいた。
【でしゃばんなよ、おばさん!】と訴えてくる。
ここで、若くて可愛い恋愛に積極的な肉食系女子なら―――。
ラッキーと言わないばかりにゲットに勤しむのだが……あぁ、面倒くさい。
どんなつもりで声をかけてきたかは知らないけど、39歳のおばさん相手に律儀なもんだ。

「さっきから一人で黙々と飲んでるから。」
「ぁ――、ごめんなさい、気を使わせちゃって。空気悪くしたかしら。」


当たり障り無い会話で回避……のつもりだったけど。
意外とイケメン、かな。
しかも、最後の男性経験なんて5年以上前。


「……藤井さん、この後、時間ある?」
「……。」

20代半ばの男性からのお誘い。
うーん、神様が哀れに思って慈悲を下さった、って線もありえるのかな。
私は何も答えずに、彼の右手をそっと握った。





―――パンッ!!!!―――



「調子のってんじゃねぇよ、ババぁ!!」

口の中に微かに血の味が広がった。
こっちはババぁだから傷の治りが遅いんだよ、と舌打ちをしたい気持ちを我慢し
般若…、もとい、姫をにらみ返す。
あの後、意中の彼にアプローチをかけたが相手にされず
【藤井さんともう1件飲みに行くから、ごめんね】とメルアドすら教えてもらえなかったらしい。

明日からの仕事、面倒だなぁ。
でも、ちょっと優越感、なんてね。


その後、何やら一人で永遠と文句を言っていたが
周囲に人が集まってきた事もあり、悔しそうにその場を走り去っていった。
私は口の端に滲む血をぬぐい、トイレで化粧直しをし彼の元へと戻った。

「話は終わった?」
「――えぇ、ごめんなさい待たせちゃって。……行きましょう。」



あぁ――、下着、上下違う色だ。
5年ぶりだし、上手く出来るかな…。
というか、お腹の肉、気付かれないように速攻電気消さないと。

でも、でも、でもっ。
こんなドキドキ久しぶり!私も女だったんだなぁ、って改めて実感してしまう。
今まで真面目に生きてきた39年間、神様、素敵なボーナスをありがとうございます。






――――――いや、うん……人生ってさ、そんなに甘くないっていうけどさ…。


「僕ちゃんをもっといじめて欲しいでちゅ〜。」
「っ………!!冗談じゃないってのっ!!!」





御年39歳。
女の賞味期限、多分………………切れてます。



End


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このストーリーに関するコメント

13/10/21 そらの珊瑚

ふぐ屋さん 拝読しました。

えっ、なぐっちゃう? すごい姫ですね。
コミカルな筆運びにすいすい楽しく読んでいったら
やっぱり話はそんなに甘くないですよね。
なんだか応援したくなりました。
女の賞味期限かあ。三十九歳はそんなお年頃だったかも(遠い目…)

13/10/27 ふぐ屋

>そらの珊瑚 様

ありがとうございます!
そうです、今どきの姫は殴るんですw
自分が主人公の年代に近い事もあり、うーん、同じ立場ならこんな美味しい話に飛びつかない手はない!と思うでしょう。
でも人生そんなに甘くない!という落ちをつけて、少しでも面白く描けたらと思いました。
実際は女性に賞味期限なんてないんでしょうけどね(^^ゞ

13/10/27 ふぐ屋

>凪沙薫 様

ありがとうございます!

そうですね、とにかく皆さんに飽きさせないように、と
言葉回しなどは考えました。
日常と非日常の間、でしょうか、ありそうでない話、かと思えが意外とある話、そんな話が書ければと思い仕上げた作品です。
文字数が制限があり、最後の落ちどうつけようと悩んで悩んで出した答えがあの発言でしたが、良かったです無事に落ちがつけれて(笑

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