1. トップページ
  2. 待つ人

伊藤Kさん

性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの作品

1

待つ人

13/08/27 コンテスト(テーマ):第三十九回 時空モノガタリ文学賞【 待つ人 】 コメント:0件 伊藤K 閲覧数:1354

この作品を評価する

12月某日午前0時。
僕は、彼女と二人で流星群を見るために都心から少し離れた場所に来ている。彼女から今年は天気などの条件が良いらしいから流星群を見に行こうよと誘われたのである。天体観測も行った事がなかったので、僕は、少し星が見える程度だろうと思うだけだった。しかし、今、目の前に広がる夜空いっぱいには、星が輝いている。口からは思わず、「すげー」と出てしまった。そうすると彼女が、「でしょ?。来てよかったでしょ?」と返してきた。
僕と彼女は、大学時代から交際をしている。今年で5年目だったと思う。
ある日、大学の教室で講義が始まるのを待っていた。いつもなら僕が教室に着く頃には誰かがもう来ているのに今日も誰も着ていない。外が大雨だったので雨のせいで電車が遅れているのだろうと考えていた。講義が始まる10分前になっても誰も来なかった。不思議に思ったのでスマートフォンを使って講義予定を調べてみると今日は休講だった。しかも、大学自体が休みの日だった。そうだ今日は大学の創立記念日だった。先週、講義をさぼってしまったため今日が休講なのを知らなかった。
そう思いながら、もう大学に居座っても講義も始まらないし誰も来ないなのだし、帰ろうと思い出口に向かって歩き始めた。すると、1つの教室の電気が付いていた。教室を覗いてみると一人の女の子がいた。一人ポツン座りながら本を読んでいた。本に夢中になり、講義がないことに気づいてない様子だったの僕は素直に声をかけることにした。
「あの、今日は創立記念日で大学が休みなので講義もないみたいですよ。」
「そうなんですか。教えてくれてありがとう」
「いえいえ。どういたしまして」

それが僕と彼女が出会ったきっかけだった。そのあと大学内でたまに見るようになり自然と話すようになり一緒に出かけるようになりいつの間にか付き合うようになった。

彼女と二人でいると待つ事が多かった。
今日もなにかに待たされるのではないかと思ったが、今のところは大丈夫のようだ。彼女が「流れ星来たら、なんてお願いする?」と聞いてきた。
「考えてきてないな。なにかお願いしたいことあるの?」
「1つあるよ」
「どんな願い事?」
「私たち、よく待つ事が多いでしょ?それをなくしてくださいって。」
「なるほど。じゃあ僕もそれをお願いするよ」
そういって、彼女と流れ星が来るのを待っていた。しかし、なかなか流れ星は来ないので僕が「今年は条件がよかったんじゃないのか?」と言うと。「そのはずなんだけどなぁ。なんでだろ」とその時。
「あっ」
流れ星が流れたのである。
僕はお願いをする暇もなかったが、彼女はギリギリお願いをすることが出来たようだった。あとで調べてみると極大日は次の日であったそうだ。
その数年後、僕と彼女は結婚した。結婚してから彼女が、「あの流星群見に行った日の事覚えている?」と聞いてきた。
「覚えているよ。キミは、お願い事できたみたいだけど結局よく待つことが多いよね、未だに」
「そうだけど、あの時お願いしなかったら私、あなたにもっと待っていたかもしれない」
「え?」
「私があの時、一番待っていたのはあなたからのプロボーズでもん」


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン