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satukiさん

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迷う年頃

13/06/18 コンテスト(テーマ):第三十三回 時空モノガタリ文学賞【 迷う人 】 コメント:1件 satuki 閲覧数:1558

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生きている内に必ず迷う時がある。丁度子供から大人に変わる年頃の時。
それは生死を別けるような激情で、それでもはたからでは何の変哲も見られない。それは小さな変化で、些細な問題なのかもしれない。しかし、それで毎年何千という命が、自らその生を閉じている。
当たり前のことなのかも知れない。その人が弱かっただけなのかもしれない。でも、その家族からしてみれば、死んでほしくはなかった尊い命だったはずだ。
当然のように、人には等しく死が訪れる。誰も予期しなかった瞬間に、突然命は枯れ果てる。
しかし、それでこそ命だと言いたい。決して自分から進んで消していくものであってほしくはない。
私たちは生まれた時から、その命は自分一人のものではない。家族がいて、隣人がいて、知人が見ている。認識している。それが突然亡くなった時、楽になれたと思うのは当事者一人で、その後には悲しみが蔓延していく。

私は今でこそそういう風に考えられているが、ほんの数年前まで精神病院にいた。自分の存在を消す手段は、思いつくだけした。自殺未遂、リストカット。言葉にすればただそれだけのことなのだが、それをしている時の自分の気持ちは、荒れ果てて枯れ果てていた。
どんな娯楽をしても感情がゆれ動かなかった。気が付いた時には笑うことを忘れていた。
そんな時、誰からも見放された気分が常にあって、孤独だと思い続けてきた。
病院に入院した後、なんとか大学を卒業してフリーターになった。とてもではないけれど、正社員として働いていくには無理があると分かっていた。

自分の見ている世界が変わったのは、アルバイトを始めた時からだった。
かつてあれほどまでに避けられて、嫌われていると思っていた世界が、積極的に近付いてきた。その形は様々で、いじめてくるけど話はしてくれる。ヒドイ冗談を言うけど笑顔でいてくれる。
気が付いたら、いつの間にか自分の立ち位置を知っていた。あまりに立派とは程遠いけど、それがあることの頼もしさが自分の支えになった。

今、いじめられて苦しんでいる子供たちやその中間にいる人たちへ。
いじめられているのは苦しいけど、死んでしまいたいと思うだろうけど、時間が経てば、その思いも懐かしく感じるし、いつか忘れてしまうでしょう。
むしろ人に嫌がらせされる自分の立ち位置を知るいい機会になる。嫌がらせをしてくる子達は、それが自分の立ち位置であり、コミュニケーションの取り方だと信じている。
そんなことにいちいち感情を荒立てては仕方がないですよ。
今いじめられている人たちは、それが自分の立ち位置だと思えばいい。いじられて、なんでも言えて、接しやすい立ち位置にいるのだと知ってください。
辛いのはあなただけじゃないなんて言いません。
後ろ向きでもいいから、前を向いて歩いてほしい。
だから、生きてください。


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このストーリーに関するコメント

13/06/18 光石七

拝読しました。
体験した人にしか書けないことだと思います。
いじめではないけれど、人と接することが嫌で人生に終止符を打ちたくなるような思いにとらわれた時期があるので、メッセージが強く心に響きました。
また一歩進む力をいただきました。ありがとうございます。

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