1. トップページ
  2. ラーメン奇談

yoshikiさん

面白い作品を知り、自分でも書いて見たくなって何年も経ちました。よろしくお願いします。 2010年 小説現代S&Sコーナーに初めて送った作品が掲載されました。作品名『幽霊の見える眼鏡』 とにかく面白いものが書いていけるといいなと思っています。 イラストはエアブラシと面相筆で昔描いたものです。

性別 男性
将来の夢 楽隠居
座右の銘 不可思議はつねに美しい、どのような不可思議も美しい、それどころか不可思議のほかに美しいものはない。アンドレブルトン

投稿済みの作品

1

ラーメン奇談

13/05/31 コンテスト(テーマ):第三十二回 時空モノガタリ文学賞【 ラーメン 】 コメント:2件 yoshiki 閲覧数:1582

この作品を評価する

 大池正也は場末の屋台でラーメンを食べようと割り箸を割った。
 ここは東京池袋、言わずと知れたラーメンの激戦区。うまいラーメン屋がしのぎを削る地域だ。うまいラーメンを並んで食べるのにはきょうの大池正也は疲れ果てていた。日夜残業続き(遊びも含めて)で、可愛い女の子と屋台のラーメンをすするのも悪くないと思い、ここのラーメンは隠れたる極旨ラーメンだと、うまく女の子を信用させ、この屋台にやってきたのだった。そこで正也は摩訶不思議な体験をするのだが、その体験は超常現象なのか、或いはまったくの錯覚なのか、未だに正也自身にもよくわからないままだ。
 正也と女の子は屋台に据え付けられた粗末な椅子に座り、ラーメンを注文した。そしてそのあっさり醤油ラーメンの、あまりにも当たり前の味に安心して「うまいね」と言った。
 女の子もそれに倣うようにして「おいしい」と言った。
 その直後、正也が麺を食べ終え、シナチクをかじった時にそれは起こった。なんとほとんど食べてしまった麺が復活していたのだ。女の子はその光景を物も言わず、横目で眺めて不思議な笑い方をした。その意味深な笑いは常識はずれの麺に対しての笑いではなく、その時の正也のいとも不思議そうな表情に反応したのだろう。
「ねえ、麺入れた?」正也が反射的に屋台の親父にそう訊くと「はあ?」というほとんど否定に近い返事が返ってきた。正也は腑に落ちなかったが、そのラーメンを無言ですすった。女の子はただニタニタしていた。

  *   *

 ちょうどそのころブラジルの(ブラジルでは午前中であるが)南東部にある日本料理店で観光客の一人、中年の婦人が店にクレームをつけていた。その内容を明かすと注文したラーメンに箸を付けようとした途端に、麺が消えたというばかばかしいクレームだった。むろん店側は彼女をまともに相手にせず、頭のおかしい日本人が来たと後で悪口を言った。




                     おしまい?


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

13/06/03 泡沫恋歌

yoshikiさん、拝読しました。

もしかして、それはラーメンの麺が時空移動したんでしょうか?
(  ̄д ̄;)ノ エー!?

13/06/05 yoshiki

泡沫恋歌さん。コメントありがとうございました。

たぶんそのような不思議現象? でしょう。ふと食べたラーメンがいつもより多かったり、少なかったり… 怪しい(*^_^*)

ログイン