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鮎風 遊さん

訪問していただき、ありがとうございます。 この世で最も面白い物語を見つけ出したい。 このためひとり脳内で反応を起こし、投稿させてもらってます。 されど作品は次のシリーズものに偏ってしまってます。。。 ツイスミ不動産。。。 刑事 : 百目鬼 学(どうめき がく)。。。 未確認生物。。。 ここからの脱出、時には単品ものも投稿したいと思っております。気が向いた時にでも読んでいただければ嬉しいです。    

性別 男性
将来の夢 この世で最も面白い物語を見つけ出したい。
座右の銘 Do what you enjoy, enjoy what you do.

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漢字一文字の旅 連載4

13/05/28 コンテスト(テーマ):第九回 【 自由投稿スペース 】 コメント:2件 鮎風 遊 閲覧数:2046

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 旅はなにも距離を彷徨(さまよ)うものではない。
 脳の中でも歩ける。

 旅は道連れ、世は情け。 
 皆さまからの熱い情けを受けて、御一緒に、果てることがない旅が続けられたら嬉しいです。 

 この〈自由投稿スペース〉で、お付き合いのほどをよろしくお願いします。


連載4  化 茶 涙 謎 筍 桃
     金 沙 鼠 岬 蜜 鰹


4−(1) 【化】

 【化】、「人」と「七」との組み合わせ。
 この「七」が頭と足を逆さまにした人の形で、死者の姿。それが人と背中合わせに横たわっていて、死と生が繰り返していることを表しているとか。
 そして、その繰り返し変化して行くことが【化】だと言う。

 かって京都の嵯峨野(さがの)に広がる野辺を化野あだしのと呼んでいた。
 そこは野辺送りの風葬、つまり死体を野ざらしのまま風化させる地であり、この世に生まれ変わってくる、すなわち化けてくることを願った地だった。
 しかし、うまく化けられず、魑魅魍魎(ちみもうりょう)のゾンビばかりとなった。

 これを見かねた弘法大師、空海が人々に土葬を教え、そして化野念仏寺を開き、八千体の石仏/石塔を集め供養した。

 また【化】の熟語で、『化身』(けしん)がある。
 世の人を救うために人の姿となり現れ出てきた仏さまのこと。
 そこから発展し、空想の世界の生き物が人として現れた姿も『化身』だと言う。

 そんな『化身』、神代の時代にもあったようだ。
 木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)は桜(美しく儚さ)の化身。
 そして姉の岩長姫(イワナガヒメ)は岩(長命)の化身。

 この姫たちは天照大神の孫のニニギに嫁ごうとしたのだが、ゴツゴツした岩長姫は帰される。これにより長命の縁は捨てられ、それ以降、命は花のように儚いものになったとか。

 他に愛の化身なるものがある。これは一体どういうこと? と問い詰めたくもなるが……。

 まさに【化】、それそのものが、いかようにも【化】けてしまうということだ。

 参考:
 ニニギは略称、本当は次。これも化身の一種か?

 天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命
 (あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと)とのこと。

 それにしてもえらい名前だ。


4−(2) 【茶】

 【茶】、この字は古い辞書にはない。
 元は【荼】(ト)、苦い味のするニガナと言う植物のことだとか。

 そんな【茶】は、前に色彩を付け、緑茶/白茶/青茶/紅茶となる。
 これは茶葉に酸化酵素があり、葉を揉んで酸化発酵させる。その程度により、色別されるらしい。
 酸化発酵がないのが緑茶、完全に発酵させたものが紅茶。その間が白茶と青茶。
 そして、ときに【茶】は金色まで着けて、『金茶』(きんちゃ)となる。

 京都の木屋町三条上がった所に、金茶寮という小さな料亭がある。夏は鴨川に床(ゆか)が出て、東山にポンと上がった月を眺め、伏見の冷酒で一献。情緒があるものだ。

 その金茶寮、土佐勤王党を組織した武市半平太が寓居(ぐうきょ)とし、尊王派の志士たちを集め、激論が交わしたとされている。
 その後、武市は吉田東洋暗殺の嫌疑を掛けられ、切腹する。
 坂本龍馬と同様、波乱の人生だった。
 そんな生涯を少しでも華やかにと、天はその寓居を金茶寮と名付けたのかも知れない。

 そして『金茶』は花にもある。
 それは中国南部原産の『金茶花』(きんちゃか)。世にデビューして五十年も経たない珍しい黄色の椿なのだ。

 現在、日本では、マニアたちがもっと黄色にしたいと交配を繰り返しているが、親の金茶色を未だ越えることができない。

 ことほど左様に、【茶】という字、いろいろな色と引っ付いて、面白い話題を作ってくれている。


4−(3) 【涙】

 【涙】、それは涙腺から分泌され、眼球をうるおし、異物を洗い流す作用がある液体。
 そして、【涙】は人間が排出するものの中で、一番きれいなものだ。

 成分は、九八パーセントが水。
 他にナトリウムなどが含まれ、そのために少し塩っぱい。

 外国人は泣くとハンカチを鼻にあてる。なぜなら外国人は鼻水がたくさん出て、それを拭くからだ。 
 だからハンカチは鼻水のためにある。
 だが日本人はハンカチを目にあて、【涙】を拭く。
 これからすると、どうも日本人の方が風情がありそうだ。

 しかし、女性の【涙】、これがなかなかのくせもので、それは女性の武器だと言われている。
 それを警戒してか、いくつかのことわざがある。

 例えば、西洋では「女の涙ほど早く乾くものはない」と言われている。
 また、スペインでは「犬の鳴き声と女の涙には騙(だま)されるな」と、とにかく酷評だ。

 そんな【涙】、時として、鬼の目にも涙だ。冷酷な輩でも流れてしまう。
 二〇一一年の東日本大震災。 
 桜花爛漫(おうからんまん)の時節に入ろうとしていた頃に、桜も雨に濡れ……「桜の花にも涙」だった。
 日本民族の痛みの涙を流していた。

 そんな【涙】、早くハンカチで拭き取って、笑いに変えたいものだ。


4−(4) 【謎】

 【謎】、「言」の「迷い」と書き、「なぞ」。
 なぜこのような漢字になったのか、字源で調べてみても不明瞭。
 言葉の迷いが【謎】なのかと勝手に解釈してみても、やっぱり、【謎】の字体そのものが……【謎】なのだ。

 そして、そんな【謎】を二つ並べれば、もっと【謎】となり、庶民の間では楽しい「なぞなぞ」となる。
 古(いにしえ)の時代のなぞなぞ。

 嵯峨(さが)天皇は「子」を十二個並べて……「子子子子子子子子子子子子」。
 これを読めと言う。

 「子」の読みは、(ね)、(こ)、(し)、(じ)がある。
 だから、「ねこのこ こねこ、ししのこ こじし」だとか。
 漢字を入れて、(猫の子 子猫、獅子の子 子獅子)と読むのがどうも正解らしい。

 しかし、おもしろ〜いと感心している場合じゃない。
 【謎】、世界七不思議に始まり身近な謎まで、この世は謎だらけ。
 その中でも一番不可解なのが男女間の【謎】。

 世間で言われている、男にとっての女の三大謎とは。
 (一) なぜ女は、いつも男の嘘を見破ってしまうのか?
 (二) なぜ女は、突然にうまく泣き出せるのか?
 (三) なぜ女は、昔の話をそんなに憶えているのか?

 そして、女にとっての男の三大謎とは。
 (一) なぜ男は、簡単に見破られる嘘を、いつもついてしまうのか?
 (二) なぜ男は、女の話をきちんと聞かず、またすぐに忘れてしまうのか?
 (三) なぜ男は、勘違いしてしまうのか?

 こんな男と女の【謎】。互いに答は見付からず、決して歩み寄れないだろう。
 しかし、【謎】は【謎】として、それでも地球という小さな星で共に暮らしている。

 これこそが……まさに永遠の【謎】なのかも知れない。


4−(5) 【筍】

 【筍】、「竹」の「旬」(しゅん)で……「たけのこ」。
 「旬」は、龍が尾を巻いた「勹」と「日」の組み合わせの字体。一番味が乗っている十日間を意味する。

 春の旬の食べ物は、竹の旬で【筍】。
 このたけのこ、日本にはおおまかに三種類ある。
 関東方面に多い孟宗竹(モウソウダケ)。そして、京都の真竹(マダケ)。五月頃に九州から出回ってくる淡竹(ハチク)がある。
 特に京都の【筍】は、皮に毛が多く、黒い斑点もあり、あくが強くて苦味もある。しかし、味は逸品。

 そんな【筍】の産地は、京都近郊の長岡京。そこに筍料理専門の老舗しにせ料亭がある。
 八条ケ池を眺めながら数寄屋づくりの座敷で、旬の筍づくし。
 木の芽あえ/筍のおさしみ/若竹すまし汁/田楽/むしたけ/てんぷら/焼竹/酢の物/たけのこ飯。
 何もかもが筍なのだ。
 それらの美味を味わいながら、日本の春を感じる情緒ある一時だ。

 以前、そのお裾分けにと、一度外人を招待したことがある。
 感想は……「ノー・テースト」(No taste)。
 つまり、味なしだとおっしゃる。

 旬はなくとも、どうも神戸牛の方がお好みのようだった。
 うーん、なるほど。


4−(6) 【桃】

 【桃】は、「木」と「兆」からなる。
 「兆」は左右に離れた様を表した字。よって、【桃】は左右に割れる実がなる木、「もも」だとか。

 また、「もも」の語源は多くある。
 本当の実で「真実」(まみ)、赤い実で「燃実」(もえみ)、多く出来るので「百」(もも)がある。
 そして傑作は、表面に毛が多いので「毛毛」(もうもう)。
 これらから「もも」と呼ばれるようになったとか。

 ホント、驚き、桃の木、山椒の木だ。
 で、思わず、
 【桃】が一杯の「すもももももももものうち」、そんなことを早口に言ってみたりして。

 だが、ここで言う「すもも」は「李」と書く。
 「李」と【桃】はどこが違うのか?
 どちらもバラ目バラ科。その次の属で、「李」はサクラ属で、【桃】はモモ属ということらしい。
 なるほど、この程度のことなら、「すもももももももものうち」と語られて当然だ。

 他に【桃】に絡む話しは山ほどある。その中でも、物事を成し遂げるには時間がかかるというたとえがある。

 桃栗三年 柿八年
 梅はすいすい 十三年

 発芽から結実まで、桃や栗は三年、柿は八年。【桃】は随分と短い。
 しかし、柿は八年もかかるのかと感心してる場合じゃない。そのたとえに続きがあるのだ。

 梨は大バカ 十八年
 りんごニコニコ 二十五年
 女房の不作は 六十年
 亭主の不作は……これまた 一生

 まあここまでくると、物事の成就は絶望的になってくる。しかし、万葉集にこんな歌があった。

 「向(むか)つ峰(を)に 立てる【桃】の木 ならめやと 人ぞささやく 汝(な)が心ゆめ」
 これは切ない恋の歌、それを意訳すると。
 向こうに見える山の【桃】の木、三年が経っても実がならない。そんなことを人が囁いているわ。
 そんなことに、あなたは心を迷わさせないで下さいね。私たちの恋はきっと実りますから。
 確かに、そう願う通りだ。

 しかし、「桃栗三年」は辛抱できても……、少なくとも「柿八年」では、恋の結実をして欲しいものだ。


4−(7) 【金】

 【金】、元々は銅のことで、一定の型に鋳込んだ塊の形だとか。

 そんな【金】、元素記号「Au」の光沢ある黄色の金属。化学的にきわめて安定で、王水以外の酸には溶けない。
 そのため貴重で、現在価格は約四、〇〇〇円/g以上と高騰中。
 だが、よく延びて、1グラムあれば数平方メートルの厚さ0.1ミクロンの金箔になる。

 その金箔を貼り付けたのが金閣寺。
 昭和二五年に修行僧が放火し、全焼。その後、二〇キロの金が使われ修復された。
 単純計算で、一億円近い金箔がペタペタと貼られていることになる。少し分けて欲しいものだ。

 だが今の日本は都市鉱山。
 ケイタイ、パソコン等々に、金が約六、八〇〇トン眠っているとか。
 単純計算で約三〇兆円。これは世界の現埋蔵量の一六%に相当する。

 さてさて、我が家にはどれくらい眠ってるかな?
 気の狂ったパソに、重量級のケイタイ……ドッサリとあるぞ。
 発掘したいものだ。


4−(8) 【沙】

 【沙】、水を表す「氵」(さんずい)が「少ない」と一緒になり、水辺の砂地の意味となる。
 音は(さ)で、響きが良い。
 そのためか、「沙織」は女性名前ランキング上位に位置したことがある。

 こんな【沙】に、姉妹漢字がある。
 それは「紗」。
 こちらは「糸」が「少ない」となり、薄い絹織物のこととか。
 それならば、同じ「さおり」でも、砂ではなく、「紗織」の方を好む人もいるだろう。

 だが、そんな【沙】と「紗」。【沙】の方が熟語を断然多く作る。
 その代表格が『沙汰』。

 「汰」は分ける意味があり、砂を分けることとなり、そこから善悪を分ける意味となる。
 そして、「地獄の沙汰も金次第」の裁決の意味を含むことになったようだ。
 他に、色恋沙汰、刃傷沙汰、警察沙汰……等々、恐ろしい言葉ばかりだ。

 だが、心和む熟語もある。
 それは音信の意味の『御無沙汰』。
 御無沙汰でした、というところから会話が始まれば、『沙汰』することはないと、すべては許され、後は一気に盛り上がる。

 そして最近、きっと皆さん御多忙なんでしょうね。
 あちらこちらで……『御無沙汰』の挨拶だらけなのだ。


4−(9) 【鼠】

 【鼠】、これは「ねずみ」の象形文字。
 上は歯、下へ向かって身体、爪、尾だとか。
 そう言われれば、そのようにも見えないわけではないが……、うーん。

 そして、「ねずみ」の語源は「盗み」だとか。夜に食べ物をこっそりと失敬して行くからだ。
 だが、幼い頃が懐かしい。夜になると、天井で大運動会をやっていた友達。
 しかし、最近てっきり会うことがなくなってしまった。

 その代わりに、西洋の【鼠】、ミッキーマウス君が我々に元気を与えてくれている。
 中国では、この友人のことを、「米老鼠」(ミーラオシュー)と呼ぶらしい。
 アメリカの年季の入った立派な鼠さん。尊敬の念をもって、「老」が充てられている。

 確かにそうなのかも知れない。ミッキーマウス君は、一九二八年十一月十八日(日曜日)生まれの大鼠君なのだ。
 そして、日常生活な中でも他の【鼠】君が大活躍してくれている。

 それはパソコンに向かうと必ず握手する『マウス』。
 最近のマウスは線付きから放たれて、スルスルと上手く動き回ってくれる。
 そんなマウス、中国では「滑鼠」と呼ぶらしい。なるほどと……納得。

 と言うことで、これからもまだまだ、【鼠】君とのお付き合いは続いて行きそうだ。


4−(10) 【岬】

 【岬】、元々の意味は山と山の間、山あいだとか。
 それが日本国語では、なぜか海中に突き出た陸地の端となり、「みさき」となる。
 そんな【岬】、旅情一杯で、いろいろな伝説がある。その一つがグアムにある『恋人岬』。

 グアムをスペインが統治していた時代、父はスペインの貴族、母はチャモロ族の首長の娘。
 そんな両親から生まれた美しく心清らかな一人の娘がいた。
 年頃となり、父はスペイン人の男を婿に迎え入れようとした。しかし娘は嫌で、町から逃げ出し、海岸へと辿り着いた。
 そこでチャモロ族の貧しい兵士と出会い、恋に落ちてしまった。
 二人は人目を忍び、浜辺で逢瀬を繰り返した。

 しかし、それを知った父は怒り、二人をタモン湾の崖まで追い詰めた。
 もう逃げられないと悟った二人は、互いの長い黒髪を固く結び合い、崖の上から身を投げてしまった。
 そして、その後、その悲恋の岬は「恋人岬」と呼ばれるようになったとか。

 だが、このような伝説は日本にもある。
 それは新潟の柏崎にある『恋人岬』。

 昔、佐渡にお弁という美しい娘がいた。佐渡に船大工の仕事で来ていた籐吉と恋に落ちた。
 しかし、籐吉は仕事が終わり、柏崎へと帰ってしまった。
 お弁は恋しく、柏崎の岬の常夜灯(じょうやとう)を目指し船を漕いで行った。そして毎夜船で漕ぎ行き、籐吉との逢瀬を繰り返した。

 しかし、籐吉はお弁の深情けが鬱陶(うっとう)しくなってきた。そのため、ある夜、常夜灯を消してしまった。
 その翌日、お弁の水死体が岸に漂着した。それを見た籐吉は悔い、後を追って海に飛び込み死んだ。
 人たちはお弁を葬り、そして、その岬を『恋人岬』と呼ぶようになったとか。

 古今東西、【岬】には、微妙に異なってはいるが……、悲しい物語があるようだ。


4−(11) 【蜜】

 【蜜】、「ウ」冠に「必」で、封じ込めるという意味がある。
 これに「虫」を付けて、蜂が巣の中に封じ込めた「みつ」となる。

 とろ〜りと甘いためか、江戸時代、いい男のことを「水も滴(したた)るいい男」とは言わず、「【蜜】が滴るいい男」と表現したようだ。
 当時、役者が顔に、化粧水の代わりに【蜜】を塗っていたとか。
 うーん、甘そうだ。だが……愛犬ポチが舐めにきそう。

 こんな【蜜】、口に【蜜】あり腹に剣あり。
 とにかく用心が必要。
 スパイの世界では、ハニー‐トラップ【honey trap】と言う。いわゆる【蜜】のような甘い罠のこと。
 女スパイがお色気で、外交官、政治家、軍関係者などを誘惑し、諜報(ちょうほう)活動をする。

 そして一説では、マリリン・モンローはハニー‐トラップを仕掛ける超セクシースパイだったとか。 
 もし本当ならば、一度そんな甘い罠に填まってみたいものだ。そんな気にもなってくる。

 しかし、その【蜜】のような甘い罠、なにも男性だけを標的にするものではない。逆バージョンもある。
 男スパイが女性を……色仕掛け(?)で落とすとか。

 そんな男スパイ、きっとイケメンで、【蜜】も滴るいい男……なんだろうなあ。


4−(12) 【鰹】

 【鰹】、「魚」に「堅」で「かつお」。
 万葉の時代から食用にされてきたが、身が柔らかく傷み易い。そのため堅い干物にして食べ、「堅魚」(かたうお)と呼ばれていた。

 特に初鰹は、江戸時代珍重された。
 傷みが早く、危ない。そのため安全に食べるためには高価となる。 
 「まな板に 小判一枚 初鰹」と言われるほどだった。

 庶民にとって、初鰹は途方もなく高級魚。
 それなのに、「目には青葉 山時鳥(ほととぎす) 初松魚(かつお)」と、旬を味わうのはこれしかないと煽(あお)られる。

 それでも初鰹を食べない輩に、「女房子供を質に出してでも食え」と、無理強いまでもが。
 もうここまでくれば……人権侵害の域。

 しかし、救世主が現れる。【鰹】を丸ごと火に炙ったもの、それは……「タタキ」。
 これで少々古くても、ポンポンは痛くならない。そして、当然お値段は、お手頃なものとなったのだ。
 庶民にとって、タタキ万々歳だ。

 ならばと言うことで、少し余談となるが……、
 ユッケも、
 タタキにして食べたらいかがなものだろうか?



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このストーリーに関するコメント

13/05/28 泡沫恋歌

鮎風さん、拝読しました。

漢字の【 謎 】が面白いです。
この男女の【 謎 】があるからこそ、小説のネタが生まれるのだと
思っています。

漢字の旅は終わることなく続けてくださいね。

ありがとうございます。

13/06/01 鮎風 遊

泡沫恋歌さん

ありがとうございます。

【 謎 】、不思議な字です。
そして実態もミステリアス。
特に男女の仲は。

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